時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

2022年度 第1回コレクション展@京都国立近代美術館

岡崎辺り、なんだかんだで結構来ているのだが、平安神宮の前まで来たのは久々かな。
京都国立近代美術館は初めて。あんまり時間がなかったので、今回はコレクション展のみ覗いてみよう、というわけで。


www.momak.go.jp


コレクション展は4階。
行ってみたら、半分は企画展の部屋だった。
www.momak.go.jp
え?…入っていいんですか?コレクション展のチケットで?
というわけで、企画展の一部も拝見できてしまった。なかなかこういう構成もないなあ…。


まずは企画展。
今回は京都と大阪の、江戸時代から昭和初期ぐらいまでの絵を展示していた企画展。
コレクション展のチケットでOKだったのは、第3章「町人たちのアートワールド-大阪画壇の可能性-」の一部。明治以降から昭和初期にかけてぐらいの作品。
…あれ?その辺りの大阪画壇だと少し知識がある…?
morina0321-2.hatenablog.com
余談だけれど、こちらの企画展は泉屋博古館(京都の方)とタイアップしていて、両館でチケットの割引対応してるんだよね。
時間に余裕があったら、泉屋博古館と両方訪問していた可能性もあった。

というわけで、一番最初におおっとなったのは、深田直城「水辺芦雁・雪中船泊」だった。泉屋博古館東京でも印象に残った作家。水辺とか空の具合とかもいい感じで。
今回初めてお目にかかるのは庭山耕園「猟犬図」。犬が可愛い(そこ?)
でもって西山完瑛。「雅趣短冊十二月」も「浪速名所画帖」もきちんと綺麗な絵。

で、大阪画壇だと外せないかな、北野恒富。
「日照雨」は顔が出ていないけれど、口元と襟足の美しさに唸る。
「蓮池(朝)」(リストだと展示期間過ぎてたけど、置いていてくれたのだろうか)は幻想的な蓮の花に、後ろ姿の女性と、何やら暗い表情をした女性という二双一隻の屏風絵。
「鷺娘」は2つあり、1つは肉筆画、もう1つは木版。いずれも細い目の上目遣い風の鷺娘、もう何とも言えぬ…。木版の方が何かを企んでいる表情をしているような。いいなあ。

で、泉屋博古館東京でもお目にかかった上島鳳山「西施図」。
西施は中国四大美人の一人と言われていて、谷川で洗濯しているところを見出されたという伝説があるので、洗濯している美女の図。綺麗な眼差し。傍に生えている柳も綺麗。

で、そういえば大阪画壇だった、島成園「人形遣い」(北野恒富に習っていたりもする)。
人形の顔は見えなくて、人形を操っている女性の顔ははっきり描かれている(こういうのも珍しい気がする)のだが、女性の目と口元がなんともたまらない。
人形の顔が見えないのも気になるんだよね…。

なんというか、ピンポイントで個人的にも美味しいところを拝見した感じ。ありがたかった。


さて、コレクション展。

まずは、展覧会のポスターになってたあの作品。
ここのところよく拝見するなあ、という森村泰昌。実はお隣で展覧会やってるってのもあるんだけども(ぼそ)
展覧会のポスターになっているのは「だぶらかし(マルセル)」で、元はマン・レイが撮影したローズ・セラヴィ(マルセル・デュシャン)のポートレイトなのか。マルセル・デュシャンが女装してローズ・セラヴィになって、それを森村泰昌が作品になって…や、ややこしいぞ。
こちらは「合わせ鏡の対話/不在の間――森村泰昌とドミニク・ゴンザレス=フォルステル」というテーマ。
ドミニク・ゴンザレス=フォルステルも現代美術家で、やはり「小説や映画の登場人物に扮装」するパフォーマンスをするとのこと。展覧会サイトに「スカーレット・オハラの衣装を貸し借りしたところから交流が始まった」って書かれてて、個人的にはどういう状況なのかと頭を抱えてしまう。現代美術は分からない…。
あ、でも、ドミニク・ゴンザレス=フォルステル「無題(映画について)」は、カーペットが一枚敷かれていて、カーペットの四辺に沿って本が置いてある、というインスタレーション。本は手にとって読んでも良い(なるべくなら元にあったところに戻してほしい)という。なんとなく気にはなった。

「上方と洋画」テーマへ。
個人的に好みなのは小磯良平「婦人像」。やはり綺麗だよねえ。
須田国太郎「天守閣 彦根城」も気になった。何故か気になる須田国太郎。画風、暗いんだけどね。

「エデュケーショナル・スタディズ03 眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寬次郎」テーマ。
こちらは視覚に障害のある方に、いかに美術鑑賞をしてもらうか、というテーマ。
河井寬次郎の陶芸作品を、触れた方が解説する音声や、触っても良い作品を作って触ってもらうという鑑賞方法を提示。
更に、河井寬次郎が生活で使っていた道具(トランジスタラジオなんかもあったよ)や河井寬次郎が集めていた新聞の切り抜き等で、河井寬次郎の生活を感じる、という新しい鑑賞方法の提示もしていた。

「陶芸の色彩」テーマ。
素敵な色彩の陶芸がずらり。これは個人的な好みテーマ。
初代諏訪蘇山「飛青姿花瓶」に浮き出る斑紋。
タカエズ・トシコ「壺」のとても小さな口(口のない作品を作る方だったそうで)と豊かに流れる赤紫の釉薬の景色。
河井寛次郎「砕苺紅瓶子」は名前の通りの苺の種のような斑点が入っている紅い瓶子。
八木一艸「釣窯金魚置物」は金魚の形も可愛く、深い青の身体も素敵。
何より驚いたのは、板谷波山「朝陽磁鶴首花瓶」。板谷波山といえばマットな地(葆光釉)なんだけど、「朝陽磁鶴首花瓶」は全然違う。朝陽というか…オーロラの色にありそうな赤。こういう作品もあるのか…。とても素敵な色だった。
かと思えば、ピエール・フーケ「鉢」のような、基本は青磁で縁だけ鈍い金、みたいな端正なものも。
あ、そうそう、コレクション展の方は一部写真撮影OKで、特にこのテーマは写真OKなものが多かったので、個人的に楽しい。

「近代工芸にみる文房具」テーマ。
漆工作品が2つ。赤塚自得「桜蒔絵料紙硯箱」と迎田秋悦「大正大嘗宮蒔絵料紙硯箱」。どちらも蒔絵凄いしデザインが素敵。
一方、竹内碧外「行雲流水文硯筥及文台」。竹内碧外は木工芸家だそうで、漆は使用しているけれど、蒔絵ではなく木目で行雲流水文を美しく表している。これはこれで格好いい…。
河井寛次郎「鉄薬丸型陶硯」は陶器の硯。丸くてあまり硯っぽくはないけど、なんだか愛嬌があっていいなあ。

「西洋近代美術作品選」テーマ。
今回は花の静物画特集かな。
花なので、出た!アンリ・ファンタン=ラトゥール「カーネーションの花瓶」。美しい…。
更にルノワール「薔薇の花瓶」も明るくていいなあ…。
ヴラマンクが3点ほどあったけれど、嫌いじゃないなあ。


なかなか楽しいコレクション展に、思いもよらぬ特別展チラ見せ。満足。


そして4階からは、こんな景色が見える。


平安神宮の大鳥居、山は…東山連峰なのかな。
そして見えているお隣の建物へ、続く。


ミュージアムカフェも行きたかったな…(時間がなかった)

花ごよみ ー横山大観・菱田春草らが咲きほこるー@嵯峨嵐山文華館

前回の福田美術館を出て、渡月橋とは逆の方向に、桂川に沿って歩く。
左側に桂川、右側にはなんとも格式の高そうなお商売をしてるお店が並んでいる感じ。道は静かでいいのだけど、なんというか金銭的に場違いな感じが(え)
で、道が右折しているその辺りに、嵯峨嵐山文華館がある。

嵯峨嵐山文華館は初来訪。今回は福田美術館との二館共通券使用。
近隣ということもあるのだけど、嵯峨嵐山文華館自体は公益財団法人小倉百人一首文化財団が運営しているのだが、こちらの代表理事を務めてる方(の一人?)が、福田美術館のオーナーという関係性もある。
なお、福田美術館の受付の方が、二館共通券を購入した時にとても親切に嵯峨嵐山文華館の行き方を教えてくれた。ありがとうございます…(でも他のお客様来たら迷惑よね、とひやひやした←どこ目線?)

嵯峨嵐山文華館に行くと、新しくチケットを渡された。
QRコードが印刷されている。
展示室に入る際に、機械にQRコードをかざすと入場ゲートが開く形式。出る時も出場ゲートを同じように通る。このチケットを展示室内で落としたら大変…。
展示室を一度出てしまっても、また中に入ることもできるらしい。建物出るまでは有効っぽいな(トイレが展示室外にしかないから、急なアクシデントがあったりすると…ね)。

さて、福田美術館が開館してから、嵯峨嵐山文華館は福田美術館と関連した展示を実施することが多い。
第二会場的な扱いになることもある。
今回は少し、関連が薄目かもしれない。
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春が多め…とはいえ他の季節もあるけど、でも季節にかかわる展示が多い展覧会。
なお、関連は薄いと言っても、所蔵はほぼ福田美術館、少し個人蔵、という。福田美術館所蔵だからか、かなりの作品が写真OK。

展示室は1階と2階。
まずは1階。
入ったところでいきなりの大作、加山又造「おぼろ」。金屏風に大きく描いた、月の光で朧に光る枝垂桜の美しさと迫力…。
それと対峙しているのは、軸装の小品だけれど滲む山の景色が美しい横山大観「春雨」。
横山大観はその後も「桃」「ほふじろ」「冬」と、個人的に好みな絵が沢山。
加山又造「黒牡丹」も…なんというか…妖艶というか、ちょっと禍々しい感じが。
で、その先も続々と。
伊藤小坡「お花見」「観菊」はイメージ通りの美人画。美しい…女性もその着物も美しくてね…。
速水御舟「露潤」は大きく美しいトロロアオイ、「残雪図」は雪の上に咲く水仙が優しく光っているような。
冨田渓仙「日本十二ヶ月」は、割と独特の筆致で描く渓仙が、凄く端正に花鳥を描いててびっくりする。普通に綺麗。
菱田春草「柿に烏」「山茶花に小雀図」は朦朧体を入れていない時の春草らしい絵。

素敵なものが多くて、1階の出口のゲートを出て。
慌てて入口のゲートに戻った。
いや、後で拝見しようと思って、頭から抜けてしまった…。
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1階の一角には、百人一首を特集している常設展が(そういう財団法人だものね)。
江戸時代の百人一首かるたや古今和歌集かるた、源氏物語かるたが出ていたり。
そして、百人一首が読み手のイメージ人形と一緒に飾ってあって、ずらり。
元々はこちらに力を入れてるんだろうなあ…。

2階。
階段を上がって入場ゲートを通ったらすぐ、土足厳禁。
2階はひろーい畳の大広間ギャラリー。これは珍しい。
そしてまず菱田春草「夏の朝・冬の夕」が美しくて良い…。
で、冨田渓仙「修学院春雪図」もこれまた美しい。ゆるさがないと本当に綺麗…。
豪華なのは川合玉堂横山大観竹内栖鳳の「雪・月・花」。ビッグネーム3名がもの凄い素敵な絵を描いてる…。
今回初めてお名前を知った山内信一「十二ヶ月花鳥図」も端正な花鳥画
で。山元春挙「不老長春図」。
不老は松。
morina0321-2.hatenablog.com
そして長春は、2日前に拝見した通り、薔薇。
たっぷり雪を被り、細かく雪を零している松。
雨に滲む薄い色の薔薇。
春挙が好きだったという薔薇をここで眺められるとは…。畳に座ってじっくり拝見してしまった。

ちなみにこの畳の大広間、廊下を挟んで大きく窓があって。
廊下には椅子が並んでいて、窓には美しい青紅葉。なかなかいい景色。
ちなみにその丁度真下は、実は「嵐山OMOKAGEテラス」というカフェになってる。こちらは入館料なしで使用できるみたい。今回は使用しなかったけれど、そちらも石畳的な庭になってて、結構さっぱりしていい景色のテラス付きなので、悪くない雰囲気だったなあ。

百人一種はド素人だけれど、福田美術館と一緒に来るのがベストですな。
まだ機会があったら伺いますよ。


さて。時間的には13時過ぎ。
嵐電の嵐山駅へ。


いやあの…嵐山駅に今年2月にできたそうです、「京の酒カフェ十三八」さん。
https://www.instagram.com/tomiyaarashiyama/
混んでいなかったこともあって、日本酒飲み比べセットを。
酒造指定だったので、城陽酒造さんのを。…別趣味で推しが一人城陽の出身でしてね…(そこ?)
美味しい…酒もつまみのさつま揚げも美味しい…。
呑み比べしたお酒が美味しくて、本気で1本買って連れて帰るか悩んだ。
いや、まだ行先あるのよ!持ち歩くの辛いよ!ということで断念。


ほろ酔いで続く。

やっぱり、京都が好き~栖鳳、松園ら京を愛した画家たち@福田美術館

2泊3日の旅行、3日間中2日雨。
まあ、行先によっては問題ない。
というわけで、地下鉄&嵐電1日チケットを購入して、嵐山へ。
fukuda-art-museum.jp


嵐山の駅とか、駅周辺の店はかなりの混雑…だったのだが。
福田美術館、ひとが全然いなくてびっくりした…。
morina0321-2.hatenablog.com
開館記念の時は相当入ってたのもあって。
素敵な絵が多くて、写真OKで、いい美術館だけどなあ…。

1階の展示室1。
いきなりお出迎えする竹内栖鳳の数々。流石、展覧会の副題に名前があるだけのことはある。
「春の海」「水郷雨餘」「水風白鷺」と湿気たっぷりの絵と、「春日野」の見返り美人的な鹿に、「金獅図」の何とも言えぬ存在感の獅子。
そして屏風モノ、こちらも湿気たっぷりの「雨景・雪景図屏風」。
外の天気が雨模様ということもあって、なんともいい雰囲気である(外の天気は偶然だけど)。

そして不意打ちのように山元春挙が。「成道出山之図」、こちらは修行の山から釈迦が降りてくる図なのだけど、モティーフといい、若い頃の絵かな、と。
そしてその横に伊藤若冲「小槌に宝珠図」。大胆にデフォルメしていて、妙に可愛らしい。個人的には若冲はこういう絵の方が好きなんだよね…。
でもってその近くに、岸駒「花鳥図屏風」。六曲一双の屏風に、1つの扇に3つずつ、花鳥のモティーフを規則正しく描いているので、一隻に(3×六曲なので6=)18モティーフ、左右合わせて36モティーフ。花は色々描いているのだけど、鳥は様々な色の「鳳凰」という、一風変わった屏風。でも、とても華やかでめでたい感じ。18種類のうちの推し鳳凰を探したくなる(推し鳳凰とは)。
あと、こちらは写真NGだったけれど、小野竹喬「松径」。松の木が朦朧体風の描き方で、なんだか良かった。

後半には上村松園。こちらも展覧会の副題。
「人形遣之図」は前回拝見してはいるけれど、「しぐれ」「美人浴後図」「初雪」…ありがとうございました(急にお礼を言いだす)。
お客さんが少ないのをいいことに、細かく表装も拝見。松園の表装は素敵だからなあ…。
「美人浴後図」の中回しの柄が素敵だったり、「人形遣之図」は、中回しと天の部分の柄が一緒で(紫地の鹿の子絞りっぽい感じ)、その区切りが…赤い糸?っぽい。そして風帯も別の布を使ってるとかでなく、赤い糸で風帯の形に区切ってあるだけで、柄が全部一緒。これはちょっと面白い…。


2階。展示室2。
こちらは京都の景色がテーマになっている。
まず目を奪われたのは平山郁夫。写真NGだったのだけど、京都の寺社仏閣に桂離宮、計4点。何かはわからないけれど、なんだか凄く「格好いい」と思わせる絵ばかりだった。「桂離宮」は庭が有名なのに庭全然描いてない、のに建物が格好いい…。
更にやはり写真NGの小野竹喬「比叡」。空は朝焼け?夕焼け?とにかく凄い色。インパクトが強い。
その横には横山大観「水国之夜」に「秋色」。「水国之夜」は街中だし、「秋色」は渓谷(嵐山?)の絵で全然違うんだけど、どちらもそれぞれいい味で結構好み。
冨田渓仙「風師雷伯」は風神雷神の図、なんだけど…ゆるい…。
池田遙邨「嵐山清秋」「嵐山薫風」は嵐山の絵ということで。なんというか、水面の波とか松とか、独自の描き方をされている。ちょっともこっとした感じというか。
川村曼舟は嵐山に住んでいた画家で、「渓山春靄 洛西嵐山」は靄に霞む木々、「嵯峨野の月」は福田美術館にも縁がある「小督」(福田美術館の傍に、小督が身を寄せた家の跡とされる小督塚がある)の1シーン。綺麗なやまと絵、という感じが素敵。
ちなみに川村曼舟は山元春挙の弟子。春挙の影響は…そこまで感じないけど。


でもって奥の展示室3。
行ってみたら…お菓子の箱が並んでいた。
京都の和菓子のお店の包装紙、画家のデザインが多いの。
とらやは富岡鉄斎
www.toraya-group.co.jp
二條若狭屋は掛紙と包装紙が神坂雪佳、紙袋が山元春挙…おっと。
www.kyogashi.info
二條若狭屋は、それぞれのお菓子のパッケージで色々な画家をお使いになってるっぽい。
というか、何も解説に書かれてなかったけれど、包装紙の文字「不折書」って書いてあるね(不折=中村不折。不折は洋画家、書家でもあるそうな)。
個人的にも縁がある鶴屋吉信も、富岡鉄斎
節分に厄除け招福 福ハ内shop.tsuruyayoshinobu.jp


でもこの絵は春挙だよね(あ)
長久堂の掛紙は菊池契月。
末富の包装紙は池田遥邨。「末富ブルー」と呼ぶそうで。
www.kyoto-suetomi.com
くりやは山元春挙
www.kuriya.biz
…春挙、和菓子好きだったんだろうか。お酒は好きだったらしいのだが。
ううむ、和菓子も気になれば包みも気になる…。
ちなみにくりやのこちらのサイトは桂にある本家で、のれん分けしたお店が丸太町にある(こちらも包装紙は同じ、展示されていた包装紙は丸太町の方だった)のだけど、こちらは先日火事に遭われてしまったそうで休業中…。再建できますよう。

で、展示室3は和菓子の包装紙だけでなく、日本画がいくつか。
伊藤小坡「壬生狂言」。小坡は美人画を拝見することが多かったけれど、こちらは風俗画。割とほわっとした描き方で驚く。こういう絵もあるんだ…。
そして梶原緋佐子「金屏」。金屏の影から姉弟子を見ている芸妓の妹弟子、というシチュエーション。その眼差しがなんともこう…いい…。


さて。
福田美術館にはミュージアムカフェがある。
「パンとエスプレッソと福田美術館」。
…「パンとエスプレッソと」はこちらの系列のコーヒーショップの屋号的なものなのだが、なかなかシュールな店名ですな。
若干お昼には早めの11時ぐらいだったので、ティラミスとホットコーヒー。


勿論美味しいのだけど、それ以上に美味しいのは、景観。
fukuda-art-museum.jp
こちらの建築についての話にあるのだけど、福田美術館には池、というか「水盤」がある。
廊下からも、網代文様の入ったガラス越しに見られるのだけど、目だと結構綺麗に見通せるのだが、カメラ越しが全く映らない。
ミュージアムカフェの窓際の席からだと、よく拝見できる。
水盤と、嵐山の渡月橋。…これは…なんて美しいのだ…。雨の日でも十分美しい(雨は雨で、水盤の波紋が美しいのだが)。
写真は敢えて載せない。これは訪問した方の特権でいいんじゃないかな。
堪能。
こちらのミュージアムカフェは美術館入場者のみで、カフェのみ利用でも入場料が必要なので、お気をつけて。


続く。

衣笠辺りをぶらぶらと

晴天。
少しだけ時間を作って…と思ってバスで来てみたら、相当時間がかかった…。
バス停からの道は、変なところに入っていく道で面白かったけど。



久しぶりに等持院。5年振り。
morina0321-2.hatenablog.com
珍しく他のお客様もいるので、庭に降りて散策はせず。

お茶を頂きながら、大好きな庭を愛でる。

ちょっといい感じの写真を撮ろうとしたけど、うーむ。


丁度お茶を飲めるところの床の間にいらした観音様。白衣観音かなあ。

ところで。
等持院山元春挙墓所だったりもするのだが(Wikipediaによると)。
morina0321-2.hatenablog.com
…推しの墓所まで来てしまうヲタムーヴ…(違)
いや、そんなつもりはないけど、やっぱりねえ。


というわけで(?)、もう少しヲタムーヴを続行。

推しの家(言い方)
木島櫻谷の旧邸、櫻谷文庫。春と秋の年2回開館で、GWは閉館期間なので、外側のみ。
なお、木島櫻谷も墓所等持院。生家から墓所まで詣でるヲタムーヴ(やめなさい)。
一度は開館時に来たいなあ…。秋は本当にハイシーズン(紅葉ド被り)なので、春(3月)かなあ。



嵐電でお別れ。
また来ます。

生誕150年 山元春挙@滋賀県立美術館

www.shigamuseum.jp

わざわざ来ました。GWに滋賀まで。
まあ、別趣味と合わせてではあるんだけど。
morina0321-2.hatenablog.com
…前も別趣味と合わせて遠征してましたよね…?

滋賀県立美術館。旧滋賀県立近代美術館。改修工事のための長期休館を経て、昨年再オープンした美術館。なので中はとても綺麗。
JR瀬田駅からバスで10分程度。駅から徒歩40分程度らしい。美術館で歩き回ることを考えると、ちょっと徒歩という選択肢はとりづらい。休日は1時間2本のバスが恨めしい(路線の関係上、平日の方が多い)。
なお、この日は大雨もいいところで、普通の雨ならともかく、非常に動きがとりづらかった。
滋賀県立美術館はびわこ文化公園という広い公園の中にあるのだけど、天気が良ければ気持ちのよさそうな場所だった。辛うじて藤の花だけ愛でた。
あ、ちなみに平日の方がバスが多いのは、この路線、龍谷大学瀬田キャンパスがあるから。ああ、ここにあるんだ(瀬田キャンパスがあるのを存じ上げてたのは別趣味事由な気がする(ぼそ))。
祝日(金曜)でも、結構学生さんが乗ってきてたぞ。

バス停から、公園の中を少し(5、6分?)歩くと美術館到着。
特別展示は奥の展示室3になる。

滋賀県立美術館は元々、上記に挙げた名都美術館の展覧会で展示されていた作品が所蔵のものが多くて(滋賀生まれの画家なので)、いつか行きたいなあとは思っていた。
大々的に展覧会やってくれたよ!丁度記念イヤーで良かった!

入るときに、展示リストと、小冊子を頂ける。こちらの方が描いている。


最後に1コマ載ってるのが小冊子の内容。
とりあえず、そんなに変な方ではなさそうで安心した(ちょっと)。いやまあ、日本画家はそんなにファンキー(婉曲)な方はおられない気がしますが。

展示について細かく話していると冗長になるので(推し画家だしね…)、とりあえず展示構成を。
分かりやすく、年代順。第1章「画業の始まり」は明治20年~30年前半、丁度20代ぐらいの作品で、第2章「画壇の中心へ」が明治30年代~大正初め、30代~40代前半、第3章「帝室技芸員として」が大正後半~昭和初め、45歳以降。

こう並べると、山が美しくなっていくのは中盤以降で、あの美しい水の色が如実になるのは、晩年なんだなあ…という。
第3章はもう、この水に溺れたいんだ私は!ってなる(だから危険すぎる)
第1章はある意味凄くきっちりした古来からの流れ、的な感じはする。一番最初の師匠の野村文挙、最初の師匠が塩川文麟で、その後に森派の森寛斎が師匠になって、当時弟子だった春挙を寛斎に預けて(なので春挙の二人目の師匠が寛斎)東京の画壇に移動した方なのだけど、なんかその辺の流れが、初期の春挙に影響してる気がする。
ただ、その後、西洋絵画にも目を向けたり、アメリカの万国博覧会に派遣されたり、カメラが趣味だったり(構図的な意味で)が画風に影響してるんだろうなあ…。確かにパノラマ的な構図だもの。
アメリカの万国博覧会に派遣されて、帰国された直後に描いてた「ロッキーの雪」(第2章)は、水墨画なんだけど凄くパリッとしてて、そこから画風が晩年になっていくのが分かる感じがする。
そうそう、第1章に「富貴長春図」という絵が出ている。富貴は牡丹、長春は薔薇。春挙は薔薇がお好きだったそうで、結構薔薇の作品が残っているそうな。…この展覧会には出ていなかったけれど。ただ、第3章に「ダリヤの花」が出ていて、こう…濃い花お好きですか…?とはなる(あ)

堪能したり勉強になったり。
来てよかった…。
…前後期入れ替え有か…。そうか…。…どうしようかな(え)


さて。
こちら、常設展もある。
常設展は1室と2室。1室は大きく仕切りがあって、左右に部屋がある感じ。
2室は現代美術。

先に2室を拝見したけど、難しいねえ…。
ちょっと心に引っかかったのは、澤田真一。粘土作品、なのかな。ちょっと縄文土器っぽい。トゲびっしり。ユーモラスを含めた奇妙な迫力というか。
地元滋賀の、アール・ブリュットの作家でいらっしゃる。

で、1室。
仕切られた右側は小倉遊亀コーナー。滋賀出身ということもあって、所蔵作品が多いようで。「達者と無垢なもの」。今回は人物画メインなのかな。

で、左側。左側は日本画・ちょこっと工芸。
日本画は野口小蘋・安田靫彦・下村観山とビッグネームが。
下村観山「鵜鷗図」は鵜とカモメの群れを左右の屏風に描いてる。観山は鵜が好きなんだねえ…。どうしてもあの絵を思い出してしまうが。
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で、個人的におおっとなったのは、塩川文麟と野村文挙。
どちらも描いているのは近江八景。滋賀に来ている感じがしますな。
そして野村文挙「近江八景図」は、再会。
morina0321-2.hatenablog.com
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この展覧会で大好きだった「近江八景図」。所蔵美術館で再会することに。
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そういえば「クルぱた・ぶんきょさん」、作ってましたね(あ)
塩川文麟「近江八景」もとても美しい。これは良い…。


文挙は勿論、春挙の師匠ということでの展示なのだろうけど(これは会場でも認識していた)、文麟は文挙の師匠なので、ここも師弟揃い踏み。そこも触れて!そこも!(厄介なヲタムーヴ)

工芸としては竹細工・信楽(同県ですな)・着物。
竹細工は杉田静山「花籠 潮騒」。杉田静山は野洲の方だったそうで。形が凄く格好いい(美術館のtwitterに写真があった)。


信楽は高橋楽斎(三代)「信楽縄文花壺」。
個人的には信楽のどっしり感が結構好きなんだけど、「縄文」の名の通りの細かい縄目も面白い。
着物は志村ふくみ「聖堂」。おおお。絣にしては縦に長い文様が、と思ったらキャンドルなんだそうで。そういう発想されますか…。

この部屋、作品数12なのだけど、思った以上に楽しかったよ…?


たっぷり楽しんだ。丁度バスの時間が近い。
…けど、1つバスを遅らせて。ちょっと遅い(13時半過ぎ)のお昼と休憩。


ミュージアムカフェ「Kolmio」(コルミオ)。
…カフェ、というか。
美術館の入口というか、ロビーが広くとられていて、そこにミュージアムショップがある。
で、カフェの売り場がショップと一体化していて、購入した食べ物は、ロビーの複数個所にある椅子とテーブルで飲食可能、という形。
席数がそんなにないので、混雑した時はちょっと大変そう。
ただ、このラップサンドは美味しかった。
実はヴィーガン肉のチキン(風)だったんだけど。言われなきゃわからないかな。


いやあもう…とてもしあわせでしたよ…。

東京国立博物館

最終的にはこちらにこんばんは。


先に黒田記念館に。
「グレーの原」「犬」「寺尾寿博士像」とか好き。


で、東京国立博物館本館へ。

2階から。1室。
「仏教の興隆」。舎利容器の石櫃の武骨さが好き。

3室。
「禅と水墨画」で、伝・狩野正信の山水画が2つ。嫌いじゃないなあ…。

4室「茶の美術」。
そうですな、そろそろ風炉に切り替わる時期ですなあ、という感じで鉄風炉の展示が。

5・6室「武士の装い」。
「鎧下着 白綾地花束宝尽蓬莱山模様」。分厚い(鎧つけると痛そうだから分厚く造ってるのかね)。
一部は女性の打掛の布を使っていて、仕立て直しているそうで。珍しい作だねえ。

8室。
「書画の展開」、今回は書からおおっと。
細川幽斎(藤孝)の短冊「雪中聞鶯」、使用している紙とかも素敵だし、ケース展示の本阿弥光悦「摺下絵和歌巻」は当然のように好きだし。
反対側のケースには土佐光起「十二ケ月歌意図鑑 巻上」があって、土佐光起なので当然美しいやまと絵だけど、文字も素敵という…。
更に扇面の特集を組んでいて、円山応挙酒井抱一を出してくる。
応挙「桜図扇面」は桜色の紙を使用しているのも素敵だし、抱一「扇面雑画」はさらっと描いてるけど美しい風の桜のものと、蕨と蒲公英のもの。
同じところに展示してある観嵩月「桜図扇面」も全く悪くなくて、品の良い桜。
掛け軸の絵としても、応挙「桜花図」は文句なく美しいし、長沢芦雪「桜花美人図」は、よく拝見すると美人がちょっとファニーフェイスな気もするけど(あ)、全体的な気品と、桜と、隅で飛んでる蝶が美しい。
板谷慶舟(広当)「勿来関図」も美しいやまと絵。いいねえ…。

10室。
「浮世絵」は、相変わらず鈴木春信と歌川広重を。
歌川広重「山吹と小禽」の「小禽」は燕っぽいな。赤い頬が。
鈴木春信も「寄山吹」という作品が出ていて、春の終盤だと山吹なのかなあ、と思いつつ。綺麗よね、山吹。

特別1室・2室は「東京国立博物館の近世仏画―伝統と変奏―」。
仏画はあんまり得意ではない…と思ったら、卓峰道秀「観音変相図」が出ていた。
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先日は東洋館で拝見した、あの美しい白衣観音
今回は5幅出ていて、美しさを堪能したのだが…んん?ちょっと待って、観音のうちの1体が、花弁に乗ってる…え?これって一葉観音じゃないの?
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ということは、ここに描かれているのは、白衣観音というか、三十三観音なのかな。魚の上に立ってるのは魚籃観音みたいだし。こちらは詳しい方に解説をお聞きしたい…。
ちなみにこちら、展示替えがあって、5/10からはやはり以前同じ東洋館で拝見した、鶴洲霊こうの「観音変相図」が出るそうで。
あとは、藤本鉄石(日本史疎いので、天誅組の一人とか知りませんでしたよ)「十六羅漢図帖」の絵が禅画っぽいゆるさだったり、酒井抱一日課観音図」(お寺に納めるために「日課として」描く観音図だそうな)が相変わらずさらっと描いてるのに味があったり。
そうそう、大津絵も出てた。楽しい。


あ、東京国立博物館Youtubeに関連動画があるよ。

www.youtube.com
あ、神田宗庭隆信「当麻曼荼羅図」、描表装だったんだ(鮮やかさに目を奪われて気づいてなかったっぽい)。

1階に降りて、先に本館18室。
日本画は柴田是真「瀑布」は気にするとして、小林永濯「黄石公張良」。色彩とかポーズとか、とても気になるのだが。

なんか…ウグイス嬢のアナウンスつけたくなりません…?(え)
彫刻は…あ、竹内久一!
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近隣と合わせてるのかねえ…。「執金剛神立像」と「神鹿」。後者は久々に拝見できて嬉しい。
油彩は以前にも拝見している高橋由一長良川鵜飼」「国府台真景」に川村清雄「ヴェニス」。


さて、ちょっと平成館に寄り道。
したら。

宇宙服…?
「野口宇宙飛行士と宇宙飛行した土偶のフィギュア」という企画で、宇宙服と小さな土偶フィギュアを並べて展示していた。
謎企画…。科博の方がありそう。

気を取り直して企画展示室。

「親と子のギャラリー 翼と羽」。


翼や羽をもつものがモティーフの所蔵品を集めました、な、ファミリー向け、なんだが。
毎回思うけれど、この展示ってファミリーじゃなくても楽しめるよね…。
柴田是真「烏鷺蒔絵菓子器」や並河靖之「群蝶図花瓶」や、バティックのサロン(腰衣)(文様がガルーダなので)が展示されてるの、ずるい。




というわけで孔雀モノを載せる(何が「というわけで」?)
浮世絵は歌川広重「牡丹に孔雀」。ふおお。

考古展示室も(中世以降)覗いた後、再び本館へ。

13室。
「陶磁」に、いくつか沖縄のものが。
www.tnm.jp
こちらが開催直前だからね。

14室は特集。
www.tnm.jp
本館だけど東洋館チック、東南アジアのやきもの。
基本的には結構好きな部類なのだけど…あ。

ケンディ!
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一人復習状態。こちらはタイの「鉄絵草花文ケンディ形水注」。
あとは同じくタイの「褐釉双耳瓶」が、古代エジプトの壺に似てたり(ドングリっぽい形が。黒と茶の色の使い方は逆?)。
色々素敵な器はあれど、一風変わったものは「ベンチャロン」。こちら、中国(清)から東南アジア向けに輸出されてたいた陶器なのだそうな。華やか…を通り越して極彩色な感じもするけど(あ)、こちらで使われている技法は粉彩。え?
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そうなんだ…。粉彩ってこんなに派手にもなるんだね…。
まあ、清時代の技法ではあるんだけど。

16室はちょこっとだけ展示が変わった。
アイヌの財布がとても可愛らしい。
琉球は「紺地小菱繋ぎ模様経緯絣」。琉球の絣着物好きなので眼福。


この日はなんだかんだで盛沢山だったので、本館と平成館のみで終了。
充実しすぎる1日。

藝大コレクション展2022 春の名品探訪 天平の誘惑@東京藝術大学大学美術館

museum.geidai.ac.jp

というわけで、この日は上野の気になった展覧会ぶらぶらデー。


東京藝術大学大学美術館、コレクション展。コレクション展は初めて。
440円というお手頃価格で、写真撮影が「一部」OKという。
…一部?…一部どころか「殆ど」OKだったんだけど…?


入口でお出迎えの子が。

…これ…は…。
実はデザイナーの籔内佐斗司さん、東京藝術大学大学院の教授でもあります。


今回は特別展と異なって、地下1階だけで実施。

入っていきなり目に入ったのは、とても色彩が鮮やかな仏像。
京都・木津川にある浄瑠璃寺の「吉祥天立像」の模造。
模造は関野聖雲が昭和初期に作成したもので、模造だけあって彩色が本当に綺麗。全方位から拝見できるのも良い…。ただ、こちらは本物もとても美しいのだとか。
で、何故この模造があるのかというと、吉祥天立像が安置されている厨子の扉の一部が藝大所蔵になっているからみたい。厨子の壁1つ1つに描かれている仏画も美しい…。
鎌倉時代のものなのだけど、写真OKなんだ…。
あ、ちなみにこの彩色、今回の展覧会のサブタイトル「天平の誘惑」にちなんでいて、天平時代の色彩を受け継いでいる、という意味での展示なのだそうな。

実際の天平時代の品は、東大寺法華堂天蓋(残欠)。
当時の美しい色彩が残っていて、綺麗だなあ…と思っていたら、その縮小模造も展示されていた。明治時代の模造。ああ、竹内久一の作なのか…。
いやもう…美しい…。
竹内久一はもう1点彫像が出ていた。「韋駄天」。これも凄い躍動感で格好いい。

ここからは天平の香りを含ませながら、コレクションが続いていく。

大型の油彩画が並ぶ一角。
山本芳翠「猛虎一声」。…いや…これはとても迫力のある美しい虎…。
その隣は和田英作「野遊び」。こちらは天平…もう少し前かな、の女性3名。とにかく衣服がとても美しい。咲き誇る藤も負けずに美しい…。
工芸もある。小場恒吉「彩色手箱」が天平の色彩を参考にされていてとても鮮やか。
また、「綵観」は、絵画も漆工も木彫も七宝作品も入っている木製の小型屏風。絵画に橋本雅邦・川端玉章・野口小蘋・荒木寛畝、漆工に白山松哉、木彫に竹内久一、七宝に濤川惣助…なにこのメンツ…。
濤川惣助はもちろんドツボだけれど、荒木寛畝ってそんなに好みでないんだけど、こちらの孔雀はとてもツボに入った…(孔雀ということもあって載せていく)

でもって、狩野芳崖。「奈良官遊地取」という奈良各地のスケッチが出ていて、鹿可愛いとか仏像ゆるいとか楽しんでいたら…「悲母観音」でひっくり返った。
まず、明治時代(明治中期、19世紀!?)の絵で(しかも芳崖の絶筆、亡くなる4日前って御冗談でしょ…?)、こんなマンガ?アニメ?こんな表現出てくるの?…普通じゃないよ…。
そしてとても美しい…。
こんなの、3桁の日本円で拝見できて、しかも写真撮れていいの?本当に?

更にその横に、菱田春草「水鏡」が。
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以前拝見した絵だけれど、美しくて大好きだよこの絵…!いいの?写真良いの?

橋本雅邦「白雲紅樹」、川端玉章「墨堤春暁」が続いて、柴田是真「千種之間天井綴織下図」(残念ながら「千種之間天井綴織」の実物は燃えて消失してしまったそうな)まで拝見できる。
…入場料と展示物のアンバランスよ…。


想像をはるかに超えて良いものを拝見させて頂きました。
ありがとうございました。


続く。