時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

花ごよみ ー横山大観・菱田春草らが咲きほこるー@嵯峨嵐山文華館

前回の福田美術館を出て、渡月橋とは逆の方向に、桂川に沿って歩く。
左側に桂川、右側にはなんとも格式の高そうなお商売をしてるお店が並んでいる感じ。道は静かでいいのだけど、なんというか金銭的に場違いな感じが(え)
で、道が右折しているその辺りに、嵯峨嵐山文華館がある。

嵯峨嵐山文華館は初来訪。今回は福田美術館との二館共通券使用。
近隣ということもあるのだけど、嵯峨嵐山文華館自体は公益財団法人小倉百人一首文化財団が運営しているのだが、こちらの代表理事を務めてる方(の一人?)が、福田美術館のオーナーという関係性もある。
なお、福田美術館の受付の方が、二館共通券を購入した時にとても親切に嵯峨嵐山文華館の行き方を教えてくれた。ありがとうございます…(でも他のお客様来たら迷惑よね、とひやひやした←どこ目線?)

嵯峨嵐山文華館に行くと、新しくチケットを渡された。
QRコードが印刷されている。
展示室に入る際に、機械にQRコードをかざすと入場ゲートが開く形式。出る時も出場ゲートを同じように通る。このチケットを展示室内で落としたら大変…。
展示室を一度出てしまっても、また中に入ることもできるらしい。建物出るまでは有効っぽいな(トイレが展示室外にしかないから、急なアクシデントがあったりすると…ね)。

さて、福田美術館が開館してから、嵯峨嵐山文華館は福田美術館と関連した展示を実施することが多い。
第二会場的な扱いになることもある。
今回は少し、関連が薄目かもしれない。
www.samac.jp

春が多め…とはいえ他の季節もあるけど、でも季節にかかわる展示が多い展覧会。
なお、関連は薄いと言っても、所蔵はほぼ福田美術館、少し個人蔵、という。福田美術館所蔵だからか、かなりの作品が写真OK。

展示室は1階と2階。
まずは1階。
入ったところでいきなりの大作、加山又造「おぼろ」。金屏風に大きく描いた、月の光で朧に光る枝垂桜の美しさと迫力…。
それと対峙しているのは、軸装の小品だけれど滲む山の景色が美しい横山大観「春雨」。
横山大観はその後も「桃」「ほふじろ」「冬」と、個人的に好みな絵が沢山。
加山又造「黒牡丹」も…なんというか…妖艶というか、ちょっと禍々しい感じが。
で、その先も続々と。
伊藤小坡「お花見」「観菊」はイメージ通りの美人画。美しい…女性もその着物も美しくてね…。
速水御舟「露潤」は大きく美しいトロロアオイ、「残雪図」は雪の上に咲く水仙が優しく光っているような。
冨田渓仙「日本十二ヶ月」は、割と独特の筆致で描く渓仙が、凄く端正に花鳥を描いててびっくりする。普通に綺麗。
菱田春草「柿に烏」「山茶花に小雀図」は朦朧体を入れていない時の春草らしい絵。

素敵なものが多くて、1階の出口のゲートを出て。
慌てて入口のゲートに戻った。
いや、後で拝見しようと思って、頭から抜けてしまった…。
www.samac.jp

1階の一角には、百人一首を特集している常設展が(そういう財団法人だものね)。
江戸時代の百人一首かるたや古今和歌集かるた、源氏物語かるたが出ていたり。
そして、百人一首が読み手のイメージ人形と一緒に飾ってあって、ずらり。
元々はこちらに力を入れてるんだろうなあ…。

2階。
階段を上がって入場ゲートを通ったらすぐ、土足厳禁。
2階はひろーい畳の大広間ギャラリー。これは珍しい。
そしてまず菱田春草「夏の朝・冬の夕」が美しくて良い…。
で、冨田渓仙「修学院春雪図」もこれまた美しい。ゆるさがないと本当に綺麗…。
豪華なのは川合玉堂横山大観竹内栖鳳の「雪・月・花」。ビッグネーム3名がもの凄い素敵な絵を描いてる…。
今回初めてお名前を知った山内信一「十二ヶ月花鳥図」も端正な花鳥画
で。山元春挙「不老長春図」。
不老は松。
morina0321-2.hatenablog.com
そして長春は、2日前に拝見した通り、薔薇。
たっぷり雪を被り、細かく雪を零している松。
雨に滲む薄い色の薔薇。
春挙が好きだったという薔薇をここで眺められるとは…。畳に座ってじっくり拝見してしまった。

ちなみにこの畳の大広間、廊下を挟んで大きく窓があって。
廊下には椅子が並んでいて、窓には美しい青紅葉。なかなかいい景色。
ちなみにその丁度真下は、実は「嵐山OMOKAGEテラス」というカフェになってる。こちらは入館料なしで使用できるみたい。今回は使用しなかったけれど、そちらも石畳的な庭になってて、結構さっぱりしていい景色のテラス付きなので、悪くない雰囲気だったなあ。

百人一種はド素人だけれど、福田美術館と一緒に来るのがベストですな。
まだ機会があったら伺いますよ。


さて。時間的には13時過ぎ。
嵐電の嵐山駅へ。


いやあの…嵐山駅に今年2月にできたそうです、「京の酒カフェ十三八」さん。
https://www.instagram.com/tomiyaarashiyama/
混んでいなかったこともあって、日本酒飲み比べセットを。
酒造指定だったので、城陽酒造さんのを。…別趣味で推しが一人城陽の出身でしてね…(そこ?)
美味しい…酒もつまみのさつま揚げも美味しい…。
呑み比べしたお酒が美味しくて、本気で1本買って連れて帰るか悩んだ。
いや、まだ行先あるのよ!持ち歩くの辛いよ!ということで断念。


ほろ酔いで続く。