わざわざ来ました。GWに滋賀まで。
まあ、別趣味と合わせてではあるんだけど。
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…前も別趣味と合わせて遠征してましたよね…?
滋賀県立美術館。旧滋賀県立近代美術館。改修工事のための長期休館を経て、昨年再オープンした美術館。なので中はとても綺麗。
JR瀬田駅からバスで10分程度。駅から徒歩40分程度らしい。美術館で歩き回ることを考えると、ちょっと徒歩という選択肢はとりづらい。休日は1時間2本のバスが恨めしい(路線の関係上、平日の方が多い)。
なお、この日は大雨もいいところで、普通の雨ならともかく、非常に動きがとりづらかった。
滋賀県立美術館はびわこ文化公園という広い公園の中にあるのだけど、天気が良ければ気持ちのよさそうな場所だった。辛うじて藤の花だけ愛でた。
あ、ちなみに平日の方がバスが多いのは、この路線、龍谷大学瀬田キャンパスがあるから。ああ、ここにあるんだ(瀬田キャンパスがあるのを存じ上げてたのは別趣味事由な気がする(ぼそ))。
祝日(金曜)でも、結構学生さんが乗ってきてたぞ。
バス停から、公園の中を少し(5、6分?)歩くと美術館到着。
特別展示は奥の展示室3になる。
滋賀県立美術館は元々、上記に挙げた名都美術館の展覧会で展示されていた作品が所蔵のものが多くて(滋賀生まれの画家なので)、いつか行きたいなあとは思っていた。
大々的に展覧会やってくれたよ!丁度記念イヤーで良かった!
入るときに、展示リストと、小冊子を頂ける。こちらの方が描いている。
河野沙也子の「漫画で紹介、先輩画家」 第6回 山元春挙
— 美術展ナビ (@art_ex_japan) 2022年5月5日
河野さん @aaoaao5 の連載は京都画壇の巨匠。滋賀県立美術館で回顧展を開催中です。画風のとおり、新しい事に意欲的に取り組みました。展覧会もぜひ。 https://t.co/3uKg269Qju
最後に1コマ載ってるのが小冊子の内容。
とりあえず、そんなに変な方ではなさそうで安心した(ちょっと)。いやまあ、日本画家はそんなにファンキー(婉曲)な方はおられない気がしますが。
展示について細かく話していると冗長になるので(推し画家だしね…)、とりあえず展示構成を。
分かりやすく、年代順。第1章「画業の始まり」は明治20年~30年前半、丁度20代ぐらいの作品で、第2章「画壇の中心へ」が明治30年代~大正初め、30代~40代前半、第3章「帝室技芸員として」が大正後半~昭和初め、45歳以降。
こう並べると、山が美しくなっていくのは中盤以降で、あの美しい水の色が如実になるのは、晩年なんだなあ…という。
第3章はもう、この水に溺れたいんだ私は!ってなる(だから危険すぎる)
第1章はある意味凄くきっちりした古来からの流れ、的な感じはする。一番最初の師匠の野村文挙、最初の師匠が塩川文麟で、その後に森派の森寛斎が師匠になって、当時弟子だった春挙を寛斎に預けて(なので春挙の二人目の師匠が寛斎)東京の画壇に移動した方なのだけど、なんかその辺の流れが、初期の春挙に影響してる気がする。
ただ、その後、西洋絵画にも目を向けたり、アメリカの万国博覧会に派遣されたり、カメラが趣味だったり(構図的な意味で)が画風に影響してるんだろうなあ…。確かにパノラマ的な構図だもの。
アメリカの万国博覧会に派遣されて、帰国された直後に描いてた「ロッキーの雪」(第2章)は、水墨画なんだけど凄くパリッとしてて、そこから画風が晩年になっていくのが分かる感じがする。
そうそう、第1章に「富貴長春図」という絵が出ている。富貴は牡丹、長春は薔薇。春挙は薔薇がお好きだったそうで、結構薔薇の作品が残っているそうな。…この展覧会には出ていなかったけれど。ただ、第3章に「ダリヤの花」が出ていて、こう…濃い花お好きですか…?とはなる(あ)
堪能したり勉強になったり。
来てよかった…。
…前後期入れ替え有か…。そうか…。…どうしようかな(え)
さて。
こちら、常設展もある。
常設展は1室と2室。1室は大きく仕切りがあって、左右に部屋がある感じ。
2室は現代美術。
先に2室を拝見したけど、難しいねえ…。
ちょっと心に引っかかったのは、澤田真一。粘土作品、なのかな。ちょっと縄文土器っぽい。トゲびっしり。ユーモラスを含めた奇妙な迫力というか。
地元滋賀の、アール・ブリュットの作家でいらっしゃる。
で、1室。
仕切られた右側は小倉遊亀コーナー。滋賀出身ということもあって、所蔵作品が多いようで。「達者と無垢なもの」。今回は人物画メインなのかな。
で、左側。左側は日本画・ちょこっと工芸。
日本画は野口小蘋・安田靫彦・下村観山とビッグネームが。
下村観山「鵜鷗図」は鵜とカモメの群れを左右の屏風に描いてる。観山は鵜が好きなんだねえ…。どうしてもあの絵を思い出してしまうが。
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で、個人的におおっとなったのは、塩川文麟と野村文挙。
どちらも描いているのは近江八景。滋賀に来ている感じがしますな。
そして野村文挙「近江八景図」は、再会。
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この展覧会で大好きだった「近江八景図」。所蔵美術館で再会することに。
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そういえば「クルぱた・ぶんきょさん」、作ってましたね(あ)
塩川文麟「近江八景」もとても美しい。これは良い…。
【開催中】常設展 名品選Ⅱ・Ⅲ
— 滋賀県立美術館(SMoA) (@shiga_kenbi) 2022年5月6日
野村文挙《近江八景図》は琵琶湖周辺の8つの名所を描いています。
現在、企画展で展示している山元春挙は文挙の弟子にあたり、同じように風景を描いているので、見比べてみてください。
展覧会の詳細はこちらからご確認ください
→https://t.co/tWAZIUaCRE pic.twitter.com/MFiMhQDI6l
【開催中】常設展 名品選Ⅱ・Ⅲ📌
— 滋賀県立美術館(SMoA) (@shiga_kenbi) 2022年6月2日
(写真) 塩川文麟《近江八景》安政5(1858)年
文麟は安政5年9月の安政の大獄の前に近江日野に移住をしており、また実際の地理に即して八景を配置していることから、琵琶湖の風景を実見した上で本作を制作したと考えられます。
名品選Ⅲは6/5(日)まで! pic.twitter.com/sPxJ5oUXLH
文挙は勿論、春挙の師匠ということでの展示なのだろうけど(これは会場でも認識していた)、文麟は文挙の師匠なので、ここも師弟揃い踏み。そこも触れて!そこも!(厄介なヲタムーヴ)
工芸としては竹細工・信楽(同県ですな)・着物。
竹細工は杉田静山「花籠 潮騒」。杉田静山は野洲の方だったそうで。形が凄く格好いい(美術館のtwitterに写真があった)。
✅【本日より開幕!】
— 滋賀県立美術館(SMoA) (@shiga_kenbi) 2022年4月26日
常設展 名品選Ⅲ・ 名品選Ⅱ(後期展示)
名品選Ⅲ、名品選Ⅱ(後期展示)が開幕いたしました!
安田靫彦《飛鳥の春の額田王》《卑弥呼》
下村観山《鵜鷗図》
杉田静山《花籠 潮騒》
ジャクソン・ポロックなどの作品を展示しています。
見所いっぱいです。 pic.twitter.com/RqegFRh5Mb
信楽は高橋楽斎(三代)「信楽縄文花壺」。
個人的には信楽のどっしり感が結構好きなんだけど、「縄文」の名の通りの細かい縄目も面白い。
着物は志村ふくみ「聖堂」。おおお。絣にしては縦に長い文様が、と思ったらキャンドルなんだそうで。そういう発想されますか…。
この部屋、作品数12なのだけど、思った以上に楽しかったよ…?
たっぷり楽しんだ。丁度バスの時間が近い。
…けど、1つバスを遅らせて。ちょっと遅い(13時半過ぎ)のお昼と休憩。
(別趣味の)推しに溺れてきました ※写真はメシ pic.twitter.com/buOdspKOKI
— daily tsubamegaeshi (@morina0321) 2022年4月29日
ミュージアムカフェ「Kolmio」(コルミオ)。
…カフェ、というか。
美術館の入口というか、ロビーが広くとられていて、そこにミュージアムショップがある。
で、カフェの売り場がショップと一体化していて、購入した食べ物は、ロビーの複数個所にある椅子とテーブルで飲食可能、という形。
席数がそんなにないので、混雑した時はちょっと大変そう。
ただ、このラップサンドは美味しかった。
実はヴィーガン肉のチキン(風)だったんだけど。言われなきゃわからないかな。
いやあもう…とてもしあわせでしたよ…。