時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

三井家が伝えた名品・優品 第2部 日本の古美術@三井記念美術館


三井記念美術館所蔵品の展覧会。
第1部は「東洋の古美術」だったのだけれど、第2部になってからこんにちは。

チケットは当日購入のみ。特に入場制限もしていない。まあ…混雑はしてないしね…。平日だと、部屋に最大二桁いたかどうか。


相変わらず美しい展示室1は茶道具。
「志野重餅香合」は志野焼なので好きなのだけど、本当に餅を金網で焼いているように見えてなるほど!となる。
「黒楽茶碗 銘雨雲」を見た瞬間素敵だなあと思って、作者を見たら本阿弥光悦だった時に、ああ書き手は好きですよねそうですね、ってなったりしたり(え)
「銹絵染付笹図蓋物」を見た時これもいいなあと思って、作者を見たら尾形乾山だった時に、ああ書き手は好きですよね(以下同文)

展示室2は目玉を置くよ、ということで国宝「志野茶碗 銘卯花墻」。志野茶碗なので当然のように書き手好み。

展示室3は茶室に茶道具。個人的には「信楽一重口水指」が好きかなあ。

展示室4は絵画。円山応挙多め。正月に出ていた「雪松図屏風」も出てた。
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個人的に好みは「稲・麻・綿図」。墨一色、濃淡のみで描かれてるのが美しくて。

展示室5は書跡・工芸。
「紺紙金銀字交書経 賢劫経 巻第八」の紺地の紙とか、「古筆手鑑「たかまつ帖」」の諸々の紙とか。まあ、書き手なので紙ばかりにはなるよね…。
「四季草花蒔絵源氏物語箪笥」はちょっと気になったかな。江戸時代の源氏物語の写本。箪笥と書見台が蒔絵で豪華。
工芸に属する作品は他にもあったけれど、ここのはかなり大型だったりとか、デザイン…これはどうなの…とか。

展示室6は工芸。
ええと、先日のテレビ東京美の巨人たち」では特集をしてましてね。
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で、番組の中でも三井記念美術館、出てきていたの。3年前の展覧会絡みで。
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今回の展示で安藤緑山を出すなら、そこで一緒に宣伝すればいいのに!
「染象牙貝尽置物」という貝モティーフが1点、「染象牙果菜置物」といわれる果実・野菜モティーフが5点。茄子・無花果・枝柿・蜜柑・仏手柑。枝柿の枝の分、枝を折った切り口に木の皮と芯の間に緑の皮が見えるのとか、本当に細かい…。
そうかと思えば、同じ牙彫でこちらは白い(緑山みたいに色をつける方が外道らしいけど…)竹内実雅「牙彫田家人物置物」の木の葉の薄さとかも凄かったりする。
高瀬好山「昆虫自在置物」とか、雛道具の象彦「吉野山蒔絵三棚」とか、「豆印籠・印籠箪笥」とか、とにかく小さくて細かい工芸ずらり。
個人的にはこの部屋だけでも大満足。

展示室7は剪綵(せんさい)・能面・能装束・刀剣。
剪綵については、正月の展覧会で話をしたので上記のリンク先参照。今回出ていた「熊野図剪綵」、衣装部分の布が綺麗。
あとは…書き手がとっつきにくい3種なのだけど、能装束の「紺繻子地雪輪松竹菊蒲公英模様縫箔」は好き。紺地(色的には青に近いけど)に金で竹が描かれているのだけど、金の映え方がいい塩梅で、蒲公英が可愛くて。

個人的にはなかなか面白い展覧会だった。

リニューアル・オープン記念展 ⅠART in LIFE, LIFE and BEAUTY@サントリー美術館

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サントリー美術館が無事にリニューアルオープン。所蔵品を一斉に見られるってなかなかないし、趣味良さそうだし、と思って来訪。
なお、今回殆ど写真OK。太っ腹だなあ、でも撮影そんなにするかしら、と思ったら、150枚近く撮影してた(半分ぐらいは作品名とはいえ)。どの口が撮らないって言った?

あ、そうそう、今は大事であろう混雑情報。
サントリー美術館は事前にネットでチケットが購入できるけど、特に日時指定はなくて大丈夫。平日なら問題ないと思う。せいぜい1展示室に二桁人数いないぐらいだったので。あんなにじっくりゆっくり観られていいんだろうか、というぐらいの。

第1章1節「装い:浮線綾螺鈿蒔絵手箱と化粧道具」。
タイトルにある「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」は国宝。それだけじゃない蒔絵の品々どどどどどん。
そして化粧道具一式も豪華だなあ、と思いながら進むと。

櫛が美しく整列(左半分しか撮ってないけど、右半分は簪と笄)。なかなか華やかな壮観。一つ一つも個性があって素敵。象牙やギヤマン(ガラス)製もあるの。
個人的にはこちらも好き。

紅板(紅を入れる入れ物)。小さいけど細工がどれも凝ってて美しい。
興味深いのは「押形櫛ひながた」。櫛の拓本。「拓」は魚拓の「拓」と言えばお分かりか。これに意匠の解説を入れてる、カタログ本。カタログ本は江戸時代は模写で作ったりするけど、所謂「櫛拓」をとってとは…。

第1章2節「装い:美人画と着物」。
サントリー美術館売りの「舞踏図」が見られるのはここ。
あとは浮世絵とか。歌川国貞と歌川広重のタッグ作品(人物国貞、風景広重)の「双筆五十三次」とか、月岡芳年「風俗三十二相」2作品とか。「風俗三十二相」は山種美術館でいくつか拝見したね。
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で、なんか美しい着物の女性がいらっしゃるのですが…?とびっくりしたのが、鏑木清方「春雪」。…え、いいの、これ写真撮影して。浮世絵も全部?ひゃあ…。
※写真NGは2点ぐらいしかなかった(現代作家のものなので作者の意向なのでしょうな)。
個人的には、明治時代の吉原の浮世絵とか(背景が西洋風!)、束髪図解とか、興味深いのもあったなあ。
美しい着物も出ていた。「浅葱紋絽地流水花束模様小袖」は展覧会展示構成に写真があるよ。
あと、この節では「誰が袖図屏風」の再現とか面白いこともやってる。それはそれでお勉強になったかな、なんだけど、再現用の品々が面白い。「清水・住吉図蒔絵螺鈿西洋双六盤」がしれっと置いてあるけど、これ、バックギャモンだよね。ウィキペディア見たら、伝来したけど日本では特にウケなかったみたいで。凄い貴重なものなのでは…。
なお、この節は前期後期で随分展示が変わる予定。後期にも鏑木清方の別の絵が出るのだけど、来てくださいってことかな…。

第1章3節「装い:鎧兜と戦のいで立ち」。
鎧コーナー。個人的には「碁石頭切付縫延二枚胴具足」の方が好き。狐耳兜(多分違う)。
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あと、この辺りから野口哲哉の作品が出てくる。野口哲哉の作品は最近話題になってて拝見している方もいらっしゃるのかな。ミニチュア武者を造る方。書き手は今回が初めての拝見。

第2章1節「祝祭・宴:祝いの調度」。
第2章1節は4階(美術館入口の階)と3階(美術館出口の階)で分かれている。
4階は狩野探幽「桐鳳凰図屏風」が目玉なのかな。しれっと有名どころを…。
個人的には3階展示のが好き。蒔絵手箱の類とか、切子の盃台・三ツ組盃とか(江戸時代のガラス製品が残ってるの凄いね…)。柴田是真「五節句蒔絵手箱」は綺麗な上に面白いことやってる。是真っぽいなあ。
あと、これはずるい展示。

賀茂競馬図屏風」を興味深そうに拝見している武者の方々。悔しい、笑っちゃったよ…。
個人的には野口哲哉の「ビッド・マン」シリーズが好き。

第2章2節「祝祭・宴:宴の屏風と酒のうつわ」。
「酒のうつわ」を収集するのは、流石酒造会社ってなりますな。
ガラスで重箱・急須を造ったり、ガラス製品なら薩摩切子の「藍色被栓付瓶」がとても綺麗だったし、結構好きな京焼があったり、初期伊万里の「染付吹墨文大徳利」の吹墨文が綺麗だったり。

第3章1節「異国趣味:南蛮屏風と初期洋風画」。
これ、現代作家さんも入っていらっしゃるので微妙なんだけど、桃山・江戸時代の「南蛮屏風」はとても変な感じがして楽しい。やまと画に「南蛮さん」が描かれてるだけでも。なかなかそういうのって美術館では見ることないしね(どちらかというと歴史系の博物館かなと)。

第3章2節「異国趣味:異国趣味の意匠(デザイン)」。
いきなり出てきたよ「IHS」(イエズス会)!
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展示構成にある「朱漆塗螺鈿沈銀六角湯桶」「縞螺鈿蒔絵茶箱」も綺麗なんだけど、「ウンスンカルタ蒔絵短冊箱」「菊鶉螺鈿蒔絵ゲーム箱」とか、なかなか見ないものも。


いやあ、予想以上に眼福で楽しかった!是非後期も観たいところ。

東京国立博物館

というわけで総合文化展(常設展)へ。
なのだが、ご時世の関係で、本館は2階に入れなかったりする。今回は本館と東洋館を。

で、世情の対策で密集したりガラスケースに触ることがないように、という意味で、ケースの周囲にテープが貼られてその中には入れなくなり、以前より遠くから見ることに。
これ、本館12室が大分辛い。漆工部屋の作品保護で、元々暗い部屋で、細かい細工とかがますます分からなくなってる。単眼鏡をこのために購入した方がいいのか…?

気になった辺りは以下。

  • 本館13室、金工。今回は七宝なんだけど、襖に飾った七宝引手と釘隠しが大変可愛い。「七宝桜花形透彫把手」もあって嬉しい。
  • 本館13室、陶磁。志野多いのが嬉しい。
  • 本館14室は特集「日本の仮面 舞楽面・行道面」。詳しくない辺り。ちゃんと勉強した方がいいのかなあとか思わなくもない。あっち方向からの不純な切り込みで(何が)
  • 本館16室。アイヌのチウカウカプ可愛い!コンチも可愛い!久々にアイヌの諸々の物品を見たら、どれも可愛くていいなあ。琉球は絣の単衣が出ていた。紅型と比べればシンプルだけど、こういうのも好きだなあ。
  • 本館18室、近代の美術。いきなり存在感のある木彫に目を惹かれた。平櫛田中「森の仙人」。平櫛田中は「木によりて」も出ていて、こちらもなんともいい感じ。日本画は柴田是真「瀑布」ぐらいかな、個人的な好みは。それより目を惹いたのは洋画の方で。高橋由一国府台真景」「長良川鵜飼」。緻密さとか明暗のコントラスト、日本の黎明期の洋画家でこれは本当に凄いよ…。川村清雄「ヴェニス」も好き。
  • 東洋館10室。朝鮮。今回1番可愛かったやつ。木漆の「蛙」。どうやら旅用の木枕では、と解説にはあった。

  • 東洋館5室、中国の染織。今回は日本で「名物裂」として愛された品々。個人的には好みな柄が多かったかな。
  • 東洋館5室、中国の陶磁。気になったのは「鈞窯」。紫がかったり、紫の斑点が浮かんだりする。あまり見ない、綺麗な器だった。
  • 東洋館3室、西アジア・エジプトの美術。…だけじゃないんだけど、今回、彩陶多くない?気のせい?個人的には好きなのでいいんだけど。
  • 東洋館13室、アジアの染織はインドの染織。ペイズリー柄は殆どなかったので、好みの図柄は多めだったかも。彦根更紗(井伊家のコレクションの更紗裂だったみたい)もいい感じで。

久々に歩いたら、足がかなりしんどかった…。身体がなまってるのを実感。
あと、随所の椅子が(世情の対策で)かなり使えなくなっているのもあるんだよね。鍛えなければ…。

今回の反省点:昼食はちゃんととろう(和菓子が昼食はだめです)

特別展「きもの KIMONO」@東京国立博物館平成館

www.tnm.jp

久々の遠出はこちらに。
前々から休みを決めていたら、丁度初日だったので慌てて予約したよ…。

書き手は凄い着物好き、というわけではない、と思う。好きなら自分で着るだろうし(そこ?)ただ、本館8室や10室で気が付けば着物を撮影している人間なので(東洋館5室や13室も好き)綺麗な布は好き。というわけで眼福展覧会。
音声ガイド借りないので印象のみで書く。

先に残念な話。今回、メトロポリタン美術館ボストン美術館の所蔵品が出る予定だったんだけど、このご時世で展示見合わせ。
ここから浮世絵が出るはずだったんだけどね。個人的には鈴木春信がそれで「来日」できずで本当に残念。

第1章「モードの誕生」。
安土桃山時代から江戸時代初期(寛永期)ぐらい。今の着物の原型ができたぐらいなので、眼福というよりはお勉強モード。
江戸時代の小袖「染分綸子地松皮菱段草花模様」が地が茶色で地味だけど柄が豪華。

第2章「京モード 江戸モード」。
江戸時代の着物。ここが一番長いセクション。そしてこの辺、ひとによって好みが分かれそう。
書き手は多分、割とシンプルな図案が好き。余白があった方がいいタイプ。あと、江戸時代結構流行った「文字入り」着物がどうにも好きになれなくてね…。
島原太夫の着物(と頭飾り諸々)も出ているので、それも楽しいよ。えらい着物だけど。
いいな、と思ったのは、黒が主体で格好いい小袖「白綸子地梅舟模様」(名前だけだと黒い着物って分からないなこれ)、小袖「紺平絹地菊障子模様」、小袖「茶縮緬吉原細見模様」、振袖「紺紗綾地波折鶴模様」みたいな濃い色の地のものとか、小袖「白紗綾地雲取風景模様」の白地に紫がさっと入ってるものとか、小袖「杢目縮緬地薊蝶模様」の、白地に紫が覗いている面白い地とか。
後はそれぞれのコーナーでトピックスにしたいのが2つ。
まずは「光琳模様-「光林」ブランドの流行」。光琳尾形光琳。今回の目玉だと思う、小袖「白綾地秋草模様」、通称「冬木小袖」(材木商・冬木家のが最初の所有者)。実は修理プロジェクトが動いていて、今回が修理前の最後のお披露目。
cpcp.nich.go.jp
そしてこんな企画も。
www.crypton.co.jp
流石に初音ミクコラボグッズは買わなかったけど、寄付はしてきた。好みストライクゾーンだったし。
そしてこのコーナー、もう1つ目玉がある。何故かすっごいさらっと流されたんだけど。
小袖「藍縮緬地燕子花八橋模様」。着物としても大変好み。現在は松坂屋コレクション。旧所有者・岡田三郎助の名前が解説にある。
…え、ちょっと待って。
www.polamuseum.or.jp
この着物じゃないのかこれ。絵自体は「あやめの衣」だけど、図柄このまんまだよ。オレンジの部分が八橋模様だもの。
→ライターさんが書かれていたので裏がとれました。ありがとうございます。


えええええ、なんでこんなのしれっと出してるの…。そもそも絵よりも先に元の着物見ちゃったよ…(絵もそのうち実物を拝見したく…)
閑話休題。個人的に好みのコーナーだったのが「「いき」の美-町家のよそおい」。シンプル着物の数々。
小袖「青緑縮緬地芋環箏模様」、振袖「鼠羽二重地短冊花模様」辺りがとても好み。
振袖「鼠壁縮緬地波に千鳥裾模様」はシンプル+豪快図柄。格好良く着たいよねーこういうの。

第3章「男の美学」。
男性着物。ということはシンプルなものがどーんと!という期待は軽く裏切られた気はする(え)
安土桃山時代の陣羽織はまあいいとして、後は若衆用とか、派手な下着着る「つう」の美学とか、国芳風火消半纏とかで。派手…ですなあ。
個人的には「男性のお洒落小物」にあった、原遊羊斎の印籠とかザボン煙草入とかが気になった。ザボンを加工するのは割と普通にあった発想なんだなあ。明治神宮ミュージアムで拝見したのを思い出す。
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第4章「モダニズムきもの」。
明治以降の着物。
個人的には「大正・昭和時代のコーディネイト」のずらっと並んだ着物が結構素敵だったなあ、と。もっと現代に近くなるとこう、モダン過ぎてついていけなくなるので…。
銘仙も色々出てたなあ。銘仙の柄はモダン過ぎてぴんとこなかったけど、銘仙を作った発想自体は好き。
銘仙のポスター原画の美人図で鏑木清方も出ていたんだけど、個人的にはこれは好みじゃなかったかも。北野恒富のが好きかな。高畠華宵の屏風「移り行く姿」の方が個人的にはツボだったなあ。高畠華宵を観に行くなら弥生美術館の方が、とは思わなくもないけど。

第5章「KIMONOの現在」。
以前触れた森口邦彦(くにの字が違うけど変換できないのでこちらで)が何点か。
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友禅訪問着「緑陰」は結構好き。
後は土屋順紀の紋紗着物「月下渓韻」「薔薇の精」辺りが好き。
あ、岡本太郎デザインはもう岡本太郎以外ないな、という図柄で。好きとか嫌いとかじゃなく凄いなあ…。

体力が最近の引きこもりのせいでなくなっている、というのもあるんだけど、時間をかけて観ていた。目の保養。

あ、平成館で展覧会ということで、「鶴屋吉信」販売してた。流石にメニューは絞っていたけれど。
和菓子を頂いて、続く。

煽りたい貴方の炎を

煽られてこうなりました。

大人買いで推しに貢ぐという典型的な形。旅行1回か2回ぐらいのお金で(普通に買えるものは)揃う。

絶版になってるのをブルーレイで再発売してくれると個人的にありがたいなあとか(ぼそ)

生存確認という名の雑記

別ブログやtwitterでは動いているのを御存知な方はお分かりでしょうが、書き手は普通に生きて引きこもって生活しております。
そろそろ解除されそうですが、引きこもり中に何してたんですか、ということでぼそぼそと(正直、7割は別趣味の残ってた書き物を片付けてた感じ)

テレビ

積極的に拝見しているのは美術と歴史とちょこっと音楽程度。普段と変わらない。
美術はNHK日曜美術館」(アートシーン含む)、テレ東「新・美の巨人たち」、TOKYO MX「アート・ステージ」が主。
基本的にはその時の展覧会に関係あるものを放送していくので、たまに放送内容が重複するのだが。

面白かったのは、法隆寺関連。
恐らく東京国立博物館の中止になった特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」絡みもあったのだと。
www.tnm.jp
確か最初にNHKの「国宝へようこそ」(本当は4K8K番組らしいのだが、NHK総合で普通に放送してくれたんだよね)だったと思う。
その時は気にしなかったのだが、その後の「新・美の巨人たち」の法隆寺放送。
www.tv-tokyo.co.jp
金堂壁画の話から第二次世界大戦後の火事で焼けた後の壁画の復元の話をしていて、復元に関わったのが安田靫彦前田青邨。豪華さに驚いていた。
で、日曜美術館の「法隆寺の至宝~金堂壁画をよみがえらせた人々~」の回。
www.nhk.jp
上記の壁画復元に関わっていた稗田一穂さんが登場…って稗田さんお元気でいらっしゃるんですね…!白寿でいらっしゃるのです。山種美術館の夜桜の絵で個人的に馴染みが深い。
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感慨深く拝見していたら、更に文化財修復の方が登場していらして、しれっと「入江波光の孫」という言葉が出てきて仰天。
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そしてようやく繋がった。入江波光が晩年取り組んでた「古仏模写」は、「法隆寺昭和の大修理」の法隆寺の壁画模写。
そしてもう一つ、うっかり忘れていたこと。
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奈良国立博物館で拝見した「法隆寺金堂壁画写真ガラス原板」、「法隆寺昭和の大修理」の一環。そしてこちらの特別展示でも壁画模写は出ていた。書き手が拝見したのは後期で、後期展示には名前は出ていなかったが、展示リストにちゃんと名前があるじゃないか入江波光。「入江班」だけでは気が付かなかっただろうけど。まあ、後で気づいただけでも僥倖だろうか。
なお、「入江班」の一員でもある川面稜一が入江波光の娘婿で、川面稜一の御息女が文化財修復の方として出ていらした荒木かおりさんとのこと。川面稜一が創立した川面美術研究所のサイトがあったので、そちらが詳しい。
www.kawamo-art.com

その他、単独で気になったところ。

日曜美術館

世界で一番美しい本 ベリー侯のいとも豪華なる時祷書

個人的にとても面白いけど、これって先日拝見した展覧会が絡む?となった。
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確認したら、国立西洋美術館で第2弾展示予定だったんだ。これはいつかまた展示してほしいなあ。
www.nmwa.go.jp

萩焼 三輪休雪の世界

三輪休雪は先日、国立近代美術館工芸館で拝見した、インパクトのある萩焼
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とてもダイナミックな花入で、花どころか小さな木を活けて床の間に飾っていたのが、それはそれで雄大で素敵だった。

新・美の巨人たち

吉澤章「蝉」

これ、よく考えたらステイホームにはぴったりだったのかもしれない。いや個人的には不器用なので無理なんだけど。

芹沢銈介「御滝図のれん」

芹沢銈介も前述の国立近代美術館工芸館で拝見。テイストは少し違うけど、やっぱりいいなあ。

長楽館

カフェぐらいは入ってみたい。敷居高いけど。

アート・ステージ

一番、その時開催している展覧会に即している番組で、書き手が拝見したハマスホイとか山種美術館の桜展覧会とか、オランダ静物画から強引にホキ美術館展繋いだりとか(これは微妙にボール球では、とは)あったのだが。

川瀬巴水

これ、平塚市美術館で川瀬巴水展を予定してたんだけど、中止に。行きたかった…。川瀬巴水を取り上げてくれただけでも良かったけど(確か前も川越での開催時に取り上げてくれてた記憶)。
www.city.hiratsuka.kanagawa.jp

画家が描いたスポーツの情景

こちらは国立西洋美術館開催予定の「スポーツ in アート展」用だったのかな、とは。こちらも開催取りやめ。ただ、クールベ「闘技者たち」を知れたのは良かった。書き手の別趣味的にも。
www.nmwa.go.jp

歴史秘話ヒストリア

基本的には歴史番組として拝見しているのだが、「正倉院宝物 守られた奇跡の輝き」は美術的な目としても面白かった。
あ、「先人たちの底力 知恵泉」も拝見してるよ。

おうち美術

映像を見ていたぐらい。
基本的に手先が不器用なので、工作物は何もやってなかった、のだが。滋賀県立近代美術館のこれだけ作った。
shiga-kinbi.hatenadiary.org
「クルぱた・ぶんきょさん」。おおお、野村文挙の「近江八景図」!
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まさかこれが来るとは。渋いなあ。というわけで作ってみたりした。


書き手の不器用さ全開の一品(だめ)
あ、そうそう、山種美術館ハッシュタグ「#山種美術館の和菓子」にも参加したりしてた。
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音楽

Spotifyで昔のさだまさしのアルバムを聴いていたりした。色々世相の流れに乗ったり、この時期に新アルバム発売だったりで、話なり曲なりを聞く機会は多かった。
他は…まあ、好きな歌手がオイタしたりしたわけでごにょごにょ、だったりああもう。

置いといて。その中で、アルバムを1つ購入した。

Touch The World

Touch The World

  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: MP3 ダウンロード
さかいゆうは元々嫌いじゃなかったんだけど、たまたま聴いた新アルバム(Spotifyで試しに聞けるのいいよね)が、なんかしっくりきた。このご時世にそぐわないグローバルコンセプトだけど。

後は、東京事変YouTubeにライブ映像をがっつりアップしてくれたので、昔あがっていたMVも含めて拝見(まだ見終わってない)。椎名林檎も結構好きなんだけど、追い切れてなくて、東京事変はもっと追えてなくて、で。
で、今回改めて聴いてみると、まあ…難しい。どの音も凄くて、全部拾いたいけど拾いきれない。ポイントを色々変えて何度も聴き込むのが正しいのかもしれない。そこはまた折を見て、か。
で、ライブ映像とかMV…ああ、これ面白いなあ。企画力も高くて画の作り方も非常に上手いのだと。でもって、椎名林檎が百変化で可愛くて美して恰好良いのは勿論なんだけども、男性陣もとても個性的で魅力的で。…個人的にはドラムの方にやられております(こそ)



そんな感じのここ2カ月。
6月以降にここの記述が増えるのかは、流れのままに。

【特別展】桜 さくら SAKURA 2020―美術館でお花見!―@山種美術館

渋谷の隣駅、恵比寿駅の混雑も、まあ普段と変わらずか(通常でも渋谷ほど混んではない)。
相変わらず都内なのに人通りの少ない道を歩く。
通りかかった明治通りの桜は、まだまだ咲き始めたばかり。

www.yamatane-museum.jp
定期的に開催されている桜テーマの展覧会。前回は2年前。
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恐らく作品は前回とかぶっているんだが、まあ、それはそれで。

世間動向の割には、そこまで来訪者が少ない、という感じがしない(山種美術館比で)。休日だからかもしれないが。


第1章「桜とともに」。桜と関わるひと、みたいなテーマなのかな。
最初に松岡映丘「春光春衣」。これが最初かあ…前回も衣の美しさで眼福だった絵。よくよく見ると、髪に金の砂子が少し蒔かれているんだね。綺麗…。
で、それに続いて菱田春草「桜下美人図」。前回と逆の並びだ。
そして、前回触れなかった絵もなかなかいいじゃないか、と思うようになっていたりする。寺崎広業の木版口絵「花見」の華やかな女性とか、菊池契月「桜狩」の貴公子の佇まいとか、橋本雅邦「児島高徳」は実は凄い桜の花が素敵だとか。


第2章「名所の桜」。
ひとまず今回も展示されているよ、奥田元宋奥入瀬(春)」。心ゆくまで眺めつつ。
前回は第2室の照明落としたところにあった加山又造「夜桜」が、今回は第1室の明るい場所に。明るい場所にあってもいいなあ…。
そしてこの章は石田武が随所に。「月宵」「千鳥ヶ淵」「吉野」。桜の展覧会の時は石田武ですな。うん。
あと、何故自分は前回触れていなかったんだろう、の山元春挙「裾野の春」。山の色が綺麗。


第3章「桜を描く」。
渡辺省亭「桜に雀」、川端龍子「さくら」は前回と同じく眼福。
稗田一穂「惜春」も来た!別の展覧会で見た作品。
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前回も悪くないと思っていた西郷孤月「月・桜・柳 のうち「桜」」もやっぱりいいなあ。
今尾景年「松月桜花」も結構好き…前回はスルーしてたのか…。
さて、前回はなかったものでおっと思ったのが、山本丘人「走春ノ或ル日」。洋画テイストでとても印象に残る。


そして第2室、今回も照明を落とした部屋で、夜桜。
石田武「春宵」と千住博「夜桜」は絶対ここに置かなきゃ、という意思を感じる。前回もここだった。
速水御舟「春の宵」もここ。眼福。


こんな世間動向だし、ぱっと春めいた展示は、気持ちまで上向きになる。


さて、恒例、ミュージアムカフェ・Cafe椿で和菓子タイム。

菱田春草「桜下美人図」モティーフの「春風」と、さくら緑茶。「春風」は胡麻入り漉し餡。胡麻風味がいい感じで美味しい。