時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

国宝 雪松図と明治天皇への献茶@三井記念美術館

竹橋から2駅の日本橋駅。ここから行けばいいことに気づいた(今更)。
で、目的地に行く前に、滋賀のアンテナショップ「ここ滋賀」のレストラン「滋乃味」で、近江牛ホルモン肉吸いうどん。おいしい…。近江米のおにぎりと日野菜漬けもつくよ。器も信楽だよ。朝ドラの宣伝もあったよ(あ)
地酒バーも気になったが、まだ行くところはあるので自重。

本題の三井記念美術館
実は恒例の「お正月三井コレクション展示」企画で、毎年気にはしていた。
結構混んでいた。初売りと一緒に来る方も多いのかな。

展示室前に豪華な屏風1つ。
布っぽいなあ、と思ったら、剪綵(せんさい)と呼ばれる、紙や布や金箔を貼って作る工芸作品。
色々あって、三井家に代々伝わるようになったそうで。

相変わらず恰好いい展示室1。茶道具。
最初に青磁二見香炉。おお、二見の夫婦岩が蓋に作られてる。…んん?ちょっと待って、作者が九代「中川浄益」?
morina0321-2.hatenablog.com
ここで役に立つ千家十職の知識。
他にも、大西浄玄(七代大西清右衛門)、駒沢利斎、永樂和全(十二代永樂善五郎)、樂左入(六大樂吉左衞門)…出てくる出てくる。(リストにはなかったけど解説文に書かれていた)駒沢利斎「桐木地菊置上茶箱」の一式の中の、鳥物の茶器とか、永樂和全「菊谷焼菊絵水指」が結構好きかな。
あ、そうそう、菊の図柄が多い。皇室の菊の御紋章にちなんでの展示。
尾形乾山「銹絵絵替長角皿」もまずまず好きかな。
で、展示室2も小さいながらも恰好いい展示室で、茶道具が続く。「菊蒔絵面取茶箱」一式。飴細籠目茶器が好き。やっぱり茶器なのか(陶器なので濃茶器とか濃茶入とかいうものですな)。

展示室3。茶室「如庵」の写し(本物は名鉄が犬山に移築してる)。
「志野茶碗 銘卯花墻」。国宝。いや国宝はいいんだけど、志野焼は好きだ…。

展示室4からは普通の新しい部屋に。
まずは、「明治天皇御東幸」を描いた浮世絵いくつか。おお、月岡芳年がある…。
で、「新橋~横浜・鉄道開業」。明治天皇が開業式に参加したそうで。その様子の浮世絵は三代歌川広重横浜美術館のコレクションにもあったなあ。
morina0321-2.hatenablog.com
で、本題の「京都博覧会と三井家」と「明治20年京都博覧会 明治天皇への献茶」円山応挙「雪松図屏風」の前で献茶したのね…。流石だなあ…。
あと、「赤地金襴手鳳凰文天目(梅木地銀縁天目台)」って書かれてたんだけど、「赤地金襴手鳳凰文天目」は永樂和全作なんだが、「梅木地銀縁天目台」が中川浄益作だった。うわー。
個人的には「竹置筒花入 銘正行」、野々村仁清「色絵鶏香合」(可愛い!)、「備前胴紐建水」、「中興名物 瀬戸肩衝茶入 銘二見」(また茶器(茶入)…)、「御所丸茶碗」、「日の丸茶碗」3つ等が結構良かったなあ。
で、最後は「明治23年京都府高等女学校 皇后への献茶」。個人的には野々村仁清「色絵薄絵茶碗」が好きかな。

なお、展示室4の最後の辺りで睡魔に襲われたりした(え)
丁度、御飯食べて眠くなる頃合いだったのか。少し展示室3の椅子で休む。

展示室5は帝室技芸員の作品。眠気吹っ飛ぶ。
まずは柴田是真。印籠「樫実蟻蒔絵とんこつ」、「青海波塗皿」、「稲菊蒔絵鶴卵盃」。ふう…。
川端玉章「遊行戯笑図」はとても可愛い絵。
小林古径はいかにも小林古径な絵だなあ、とか。
竹内栖鳳「水郷之図」、鏑木清方「墨河夕涼」はもう安定して好き。
あとは、横山大観「江山煙雨」、安田靫彦「草子洗小町」、堂本印象「鶴図」…いいのお持ちですなあ…。

展示室6。浮世絵「三井好 都のにしき」。
何かというと、三越の前身である三井呉服店の新作カタログを兼ねてるものらしく。
作者は水野年方。…ぱたり(倒れた)上記の横浜美術館でときめいた日本画家。うわああああなんだこの美しい木版画集…!ずるい。そりゃあポストカードも作るよね(ミュージアムショップで買った)。
一番好きなのは「朝の雪」。女性自身もお着物も景色も大変美しい…。

展示室7は、三井家当主の絵画と、「古筆手鑑「たかまつ帖」の天皇・皇族関係古筆切」。
後者はやっぱり気になる紙。良さそうな紙がいくつかありそうだったなあ。

展示室4までも素敵だったけど、展示室5と6だけでもフィーバーした感。いいものを観た…。

まだ続く。