不意にどこかに旅行に行きたい欲が出たのは、前の年の12月。
純粋に旅行だしどこがいいかな、と思ったのだが、最終的には別趣味の遠征と絡めて奈良へ。
なので、旅行訪問先自体は少な目。
まずは1日目の夜、こちらへ。
建物は少々ボケているが、左上をご覧ください写真。電灯の明かりじゃないよ!満月だよ!
これはまさしく、「青丹よし平城山の空に満月」…!
旧帝国奈良博物館本館、現在は奈良国立博物館のなら仏像館。片山東熊設計。東京国立博物館の表慶館や、迎賓館赤坂離宮と一緒。
morina0321-2.hatenablog.com
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新館のデザインも結構モダンで素敵なんだよ。
こちらは吉村順三設計。
というわけで。東京国立博物館のメンバーズパスドヤァ!で入館。
メンバーズパスは国立博物館4館共通なので、常設展(奈良国立博物館は名品展)は無料で入れる。
まずは新館から。
特別陳列「おん祭と春日信仰の美術」。これ、春日大社の春日若宮おん祭の時期に、毎年同じテーマでやってるんだね。ただし毎年ちょっと特集を変えていて、今回は「春日大社にまつわる絵師たち」。
絵師ねえ、と思ったら、いきなり出てきた「探幽縮図 春日若宮祭礼絵巻」。
【#おん祭 】
— 奈良国立博物館 (@narahaku_PR) 2020年1月3日
特別陳列「おん祭と春日信仰の美術〔特集〕春日大社にまつわる絵師たち」主な出陳品
探幽縮図 春日若宮祭礼絵巻 1巻
[たんゆうしゅくず かすがわかみやさいれいえまき]#京都国立博物館
紙本墨画淡彩 江戸時代 寛文11年(1671)https://t.co/3r0ahW0OM7 pic.twitter.com/8tR2Zzmtsq
狩野探幽…!「縮図」って所謂略図みたいな感じで簡単に描いてるって意味らしいのだが、簡単に描かれている人の絵がなんだか妙に可愛い。
後は、「春日若宮御祭図屏風」の木の描写が素敵だったり、「若宮御料古神宝類 毛抜形太刀 復元模造」が模造だけど恰好良かったり。
続けて、特別展示「新たに修理された文化財」。今年は縁がありますな、こういう展示。
奈良国立博物館なだけあって、仏像多かったなあ。
更に特別陳列「法隆寺金堂壁画写真ガラス原板 -文化財写真の軌跡-」。文化財を「写真で残す」という方法の歴史みたいな感じ。
で、「第一章 文化財写真の軌跡」「1 古器旧物と写真の黎明」で驚くことに。
「旧江戸城写真帖」、最初の写真なので不鮮明ではあるけれど、撮影した後に彩色しているのが高橋由一…!?しかもその写真を元に「旧江戸城之図」描いてるし…。
で、「山形市街図」「山形県庁ノ図」も、写真を見て描いてるんだそうで。しかも「山形県庁ノ図」の構図はこちらが元だそうな。
【本館10室】歌川広重筆「名所江戸百景・するがてふ」(~1/19)には、日本のデパート・三越の前身である越後屋が描かれ、いまもこの場所(日本橋)で営業しています。「 #名所江戸百景 」は、#広重 最大の名所揃いものです。#東京国立博物館#TokyoNationalMuseum#东京国立博物馆#도쿄국립박물관 pic.twitter.com/yxyuMaxVny
— トーハク広報室 (@TNM_PR) 2020年1月4日
いやまさか、これを見た直後にそう繋がるとは思ってなかったよ…。
その他は、個人的には写真が多めだったのであまりぴんとは来ていなかったのだが、「奈良国立博物館 十一面観音像」の写真はなんだかとても綺麗だった…。
新館最後は西新館と呼ばれる場所らしく、そこは名品展「珠玉の仏教美術」が開催。
最初にあるのは「草枕絵巻」。夏目漱石の「草枕」を題材に、松岡映丘とその弟子たちが場面を描いて絵巻にした作品。奈良国立博物館の収蔵品データベースにあるのだが。
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山本丘人「美しき屍(水の上のオフェリア)」…これはもう何をどう見たってミレイ「オフィーリア」…。「草枕」にミレイ「オフィーリア」に言及する場面があるのだそうで。それにしてもまんまだ…。
あ、映丘「湯煙りの女」とか、長山はく「振袖(徘徊する振袖の女)」辺りは結構好きかも。
あとは出土品多め。土偶がかわいかったり、ガラス勾玉が綺麗だったり、忍冬唐草文鏡板もとても綺麗。
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楽器関係もちょっと面白かったなあ。琵琶とか笙とか。
その後はなら仏像館で仏像を観つつ、そのまま青銅器館で色々な青銅器を観たり。
なかなか楽しい夜だった。お腹空いたけど。
続く。