時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

京都旅行3・婦人画報創刊115周年記念特別展 婦人画報と京都 つなぎ、つたえる「人」と「家」@美術館「えき」KYOTO

京都駅まで戻った。
というわけで最後は京都駅隣接、ジェイアール京都伊勢丹7階の「美術館「えき」KYOTO」。京都駅を通る時はいつも展示内容を気にしていたんだが、今回はツボっぽいので来てみた。
kyoto.wjr-isetan.co.jp
www.fujingaho.jp

婦人画報」は女性雑誌。購入したことはない。

まず入場前の通路にずらっと、これまでの「婦人画報」の表紙が。なかなか面白い。絵からグラビアに変わる過程とか。

入場してすぐ、「婦人画報」の中身の話が続く。藤田嗣治の絵が入っているページとかあったりする。


さて。本題というか、個人的に楽しみだったのはそこからの企画。
今まで「婦人画報」で取り上げた京都の「人」及び「家」の作品やら所有品やらを出してしまおう企画。

一番最初は千家。いきなりドがつくほどの名家出してきたよ…。ちなみに裏千家
勿論展示は茶道具。

次は井上家。京舞(日本舞踊)井上流。
「黒地松竹梅留袖」、黒地と大きくない松竹梅図柄がなんとも恰好いい。帯も凄いよ。

次は樂家。
morina0321-2.hatenablog.com
いつまでも使える千家十職知識。樂焼茶碗の樂吉左衛門
十二代の作成した「赤樂茶碗」、十三代の作成した「黒樂茶碗 荒磯」、十五代の作成した「焼貫黒樂茶碗 吹馬」。それぞれ個性があって面白い。技術を継承しつつ、個性を出しつつ。大変だよねえ。

次は中村家。
いつまでも使える千家十職知識(コピペ)塗師中村宗哲
十二代の「源氏玉鬘潤山形櫃」、十三代(当代!)の「菱文香合」「掻合塗雪華四方盤」が好き。

次は冷泉家。冷泉流歌道。というか…歴史上凄い名家だよな…。
なので、「四季草花紋梨地蒔絵香炉」とか、凄い簪とか豪華な貝合わせ道具とかの所有物を出してきた。凄いなあ…。

次は池坊家。言わずと知れた華道の池坊
何を出してくるかと思ったら、江戸時代の当主が描いた絵の掛け軸とか。

次は上村家。
morina0321-2.hatenablog.com
実は前日に、こちらにこの展覧会のポスターあったよ。言わずもがな日本画
というわけで、松園「鼓の音」きたー!眼福。松園「夕暮」の下絵もいい感じ。
ちなみに「婦人画報」には上村松園の写真が載ってて、当時2歳のお孫さんとの写真もあったりする。ええ、そのお孫さんが淳之なのだけど。貴重な…。

次は森口家。友禅。
morina0321-2.hatenablog.com
って、先日森口華弘の着物は見たよ!パッション14の着物!
森口華弘とその次男の森口邦彦の作品。華弘のは正直、上記の展覧会で見た方が好きかな。邦彦「友禅訪問着 萌芽」は好き。

次は伊東家。御所人形の伊東久重。
個人的には、次の世継の庄五郎「宝雛」が割と好き。

次は石田家。ガラス工芸。
ishida-glass.com
パート・ド・ヴェールという技法。透明感より乳白色が目立つけれど、それが綺麗。
石田亘は徹底して白基調のガラス工芸。「蓋物 白寿」「八角蓋物 松露」が綺麗。
その奥様の石田征希はもう少しカラフルな。個人的にも結構な好み。「蓋物 燦々と」「小筥 鴛鴦文」「硯箱 標野ゆき」。最後のは額田王、だよね。
で、お二人の長男の石田知史。この日は大ぶりの作品が多かった(けど、サイト見ると小物も造っていらっしゃるなあ)。「筥 平原を行く風」は結構好き。

次は徳岡家。京都吉兆、というよりは元々の吉兆の所有品じゃないかなあ。湯木美術館所有だし(湯木美術館は吉兆創業者の湯木貞一のコレクションから設立された美術館)。
北大路魯山人「銀彩葉皿」とか、八代白井半七「芋頭水差」とかが好み。

次は志村家。
morina0321-2.hatenablog.com
morina0321-2.hatenablog.com
上記のパッションの展示も含めて、最近よくお会いしますね。志村ふくみ・洋子の染織家母娘。
着物は、志村ふくみ「橘(三夕)」は落ち着いてるけどカラフル、志村洋子「月」はシックでいいなあ。
あと、志村洋子の帯「黄葉(もみじば)舟遊び」も素敵で。

最後は江理家。截金。
江里佐代子と朋子(現姓:左座)の母娘。江里朋子はサイトがある。
kirikane.net
元々は江里佐代子の夫の江里康慧が仏師で、佐代子が仏像用の截金を作成するために学んだ技術を、工芸品として広げた感じなのかな。
これがとても綺麗。
江里佐代子「截金盒子・截金まり香盒」は、所謂毬形の蓋つき器なのだが、これが本当に綺麗。「截金彩色蛤香盒」「截金彩色結び文香盒」「截金彩色羽子板香盒」「截金飾筥 星座散華万象」…いやあ、凄いもの見てる感じ…。
一方、江里朋子は「截金飾筥 月出づる」「截金香合 月」…ふう…。


眼福の展覧会だった。個人的趣味どんぴしゃだったなあ…。


おまけ。丁度伊勢丹を出たところで、JR京都駅のイベントスペースに気づく。
www.kyoto-station-building.co.jp
十二単や笙や琵琶の展示があって、ちょっと楽しかった。


無事に帰ったけど、その後脚が結構なボロボロ感だったとか。無理は禁物。