時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

奈良旅行4・万葉の世界 展 ~「額田女王」挿絵原画を楽しむ ~@松伯美術館

中野美術館を出て、駅に戻り、今度は北口へ。そしてバスに乗り、「大渕橋」下車。

広大な大渕池の畔に立つ建物が、松伯美術館。
村松篁・淳之の親子の日本画家が作品を寄贈し、近鉄基金を出して設立した美術館。なので、「松」は、上村松篁と、寄贈された作品の作者である、松篁の母の上村松園の「松」。「伯」は画伯という意味と、元々この土地が元近鉄社長・佐伯勇の邸宅敷地だという意味も込めて(佐伯勇の旧邸も残っているとのこと。今回拝見する時間がなかった…)。
…ええ、実は一番行きたい美術館は、ここで。だって上村松園だもの。

こちらで開催される展覧会は、上村家三代のうちの誰かにスポットが当たって開催されるようで、今回は上村松篁が描いた、井上靖額田女王」の挿絵の原画展示が中心。
でも、上村松園も上村淳之もどちらの作品も展示してるよ。

受付で案内された通り、まずは1階の特別展示室へ。
そこには、いきなりどどどどんと上村松園。眼福。「春の旅」「唐美人」は流石の美人画で、「人形つかい」は子供が可愛らしい。
で、見覚えはあるけど松園とは違うタッチの美人画が1つ。…菱田春草「仙女(霊昭女)」!ここで春草の美人画見られるのー!?ちなみにこの作品、松園が「唐美人を」と依頼したものだそうで。ひやあああああ。
いやあ…素晴らしい部屋だったよ…。

さて。次に第1展示室。
ここは半分が「額田女王」関連で、もう半分は松篁の別の絵になってた。
ただ、正直に言うと、「額田女王」関連よりは別の絵の方が…個人的には好き…(あ)
そして実は書き手、「額田女王」読んだことあるんじゃないかなあ。文庫版なので、挿絵は入ってなかったとは思うけど。
「春雨」が好き。小さい頃の娘さんの後姿を描いているのだけど、なんだかとても雰囲気が好き。「蓮」の花の具合とか、「春雪」の雪の具合とかも。
第2展示室も「額田女王」関連がずっと続く。

第3展示室は2階。第1展示室の上の部分、通路ぐらいの幅で、後は第1展示室との吹き抜けみたいになってる。
第3展示室は淳之の作品が多かったかな。「鴫」は結構好き。

庭の風情もなかなか。全部回ってる時間はなかったけれど。
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庭から松越しに大渕池を眺めるのも、いい感じ。

帰りに大渕橋を渡っていたら、白い大きな鳥が一羽、美しく池の上を飛び去っていった。


奈良篇はもう一つ、おまけ篇。