時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

第69回日本伝統工芸展@日本橋三越

本題の前に。
日本橋三越の傍(というかコレド室町)に鶴屋吉信があるので、和菓子を頂きます。


お菓子の名前を忘れてしまった…。
柿の実の部分(2種類の餡子を丸めて柿の実色の生地で包む)よりも、実は葉の作成がかなり手が込んでて、うわ…ってなった。木型と金型の型抜き使っているのよね…。


その流れで美しい技を沢山拝見することに。
www.nihonkogeikai.or.jp
何年も前から開催しているのは存じ上げていたのだけれど、いつもいつ東京で展覧会しているかが分からなくて。
ようやく拝見しに来られた…。


東京だと、日本橋三越の催事場で開催。
日曜に行った割には、ぎゅうぎゅうではなかったけれど(ぎゅうぎゅうだと展示物の破損が怖いレベルだが)、なかなかの盛況状態。
そしてところ狭しと並ぶ工芸…眩しい…。


で。


写真撮影OKのものが一部あるよ、ということで、わくわくしながら行ったのだが。
…一部?一部というか、「殆ど全部」では…?(勿論、NGなのもあるけど)。いや、あんなに撮影OKとは思わなかった…。

今回はこの辺りで拝見した作家の作品も多数。
morina0321-2.hatenablog.com
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以下、作家名は敬称略で記載していく。


あまり馴染みがない人形。
うっかり女性を象った人形ばかり写真撮ってるけど(あ)女性と言っても衣装が色々。
着物はスタンダードだけど、野良着もあれば現代の洋装もあり、そもそも明らかに日本人じゃない、中国・ベトナムアオザイ着てる)・ペルシャ系?等も。
諏訪部喜美子「木芯桐塑布和紙貼「戦渦の希望」」は…これはウクライナだろうか、それともロシアだろうか、の赤ちゃんを抱えて、小さい子の手を引いているお母さんの人形が。


染織。
個人的には割と幾何学とか、直線的とか、そういう方が染織の柄としては好き。
あまり花柄は好みじゃないっぽい。木の方が好き(直線的だからかな)。
久留米絣も結構好きで、作品が結構あって眼福。
そして江戸小紋の作品(帯)がいくつかあったけれど、江戸小紋は地味そうに見えて凄い柄が細かくて、ひぃってなるなあ…。
こちらで拝見した北村武資も作品が出ていた。
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染織は基本的にケースに入ってないのだけど、お陰で、羅が変な光の反射で見えにくいということがなくて、大変ありがたかったり。
あ、あと、森口邦彦の作品が出ていたけれど(友禅着物「位相市松亀甲文」)、デザインで一発で分かってちょっと凄い。何度も拝見しているとはいえ。


諸工芸。
諸工芸は陶芸・漆芸・金工・木竹工・染織・人形以外。
七宝とかガラスとか截金とか。硯もここに(石工になるのかねえ)。
あと、砂子で飾られてる風炉先屏風(風炉の横に置く小さな屏風)とか。
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実はこちらで存じ上げた江里朋子と、石田征希&知史の作品もこちらに(実は少し前にパート・ド・ヴェールの展覧会は高島屋日本橋店で実施してたんだけども)。
作品としては、やはり幾何学系が好きなんだろうなあ。截金にしろ七宝にしろ、そういう感じなのが好きなので。
あと、七宝はぎっしり柄が詰まっているより、多少余白があった方が好き。


陶芸。
とにかく展示点数が多い。250近くある(勿論、一番点数の多い部門)。
もう、自分の感性のままに好きかどうかを見ていくしかないなあ、と。
スタイリッシュな焼物も好きなのだけど、なんとなく信楽とか備前のどっしりしたものを選んだりするとか、相変わらず萩焼の作家の皆様が自由に作られてて面白いなあとか。
あ、吉田幸央の作品を拝見したけれど、久々に拝見してもすぐ彼の作品だと分かるの、凄いなあ。


金工。
帯飾りみたいな小さな作品とか、花器とか、あと釜が結構あった。
…何故か書き手、釜を多く撮影してた。なんだろうね。あんなに渋いのに…。
幾何学系の象嵌使っている作品が結構好みかも。
あ、あと、砂張で作品作られてる方がぽつぽついて気になった。


木工芸
杉や欅(神代含む)を使用する方が多いようだけど、個人的には栃の木目が好き。
樺も恰好いいよね…。日本民藝館に秋田の樺細工が展示されたり、ミュージアムショップで売っていたりするけど、毎回格好いいって思っちゃう。
漆は塗っても塗らなくても、どっちも素敵な作品はあるよ。
ええと…あと、ですね…楡使う方もいらっしゃるんですね…。2作品あったんだけれど(しかも1つは神代)、どちらも細かくて直線的な木目を生かしてる作品だった。何やら赤い色が頭を過ぎるけど必死に振り払う(あ)


漆芸。
実は結構多彩で(文字通り色も沢山あって)、蒔絵も使うから煌びやかなんだけど、
個人的にどうしても漆の面積があって余白があって…というのが好みの様子。
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こちらで拝見した浅井康宏の作品も。蒔絵螺鈿飾箱「月の光」、漆の黒に散りばめられた螺鈿がやはり美しい作品だった。
と言いますか、実は御本人のtwitterで展覧会の告知を拝見していて、今回逃さなかったという…。いや本当にありがとうございました…!


なんというか…展示点数も沢山あって、ここにあるものは技術がふんだんに使われてるんだろうな…とか考えたりして、混乱の極みになりながら、なんとも眼福ではありました。
毎年恒例にしたいなあ…。


外は酷い雷雨でしたが。


なんとか移動して呑んでました(え)