時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

東京国立博物館

夕暮れにぶらっと散歩。気になったところを。

  • 本館14室の企画展示はやちむん(沖縄の陶器)。中国影響もあるから、なかなか華やかだったりもする。色絵のセージャラ(小皿)とかチューカー(水注)とか。あと小盃が可愛らしい。
  • 本館12室、漆工。個人的には好きな部屋で、蒔絵きゃーきゃー、ではあるんだが。ちょっと今回は特殊。



…これは何の企画展示なんだ、となる。どうやら、7室・8室の展示と連動しているのかな、と思うような「外国との関わりが深いもの」っぽい。

  • 本館11室は本来は仏像の部屋だが、今回は特別企画「奈良大和四寺のみほとけ」。奈良の北東部にある岡寺・室生寺長谷寺安倍文殊院の4つの寺の仏像展示。長谷寺難陀龍王立像が、龍を頭に載せてる上に表情が豊かとか、

室生寺の十一面観音菩薩立像と地蔵菩薩立像の光背が板に彩色が施されてる(まんま「板光背」と言うらしい)のだが、とても綺麗でね。衣服とか飾りとかも凝ってておおおってなる。これ、総合文化展(常設展)の料金で観られるんだからなあ。流石に写真は不可。あと、特別企画だから11室の傍で、パンフレットとか四寺のグッズとか買えるよ。
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  • 本館5・6室、武士の装い。武具が多いのだけど、今回は夏用の陣羽織が出てた。「浅葱地葵唐草模様錦」は綿だけど色が夏に着るにはよさそうで、「朽葉色地葵唐草模様紋紗」は薄くていかにも夏用。
  • 本館7室の屏風と、本館8室の書画の展開。亜欧堂田善の作品が多い。しかも、屏風が油絵で、書画の展開にあるものの多くは銅版画。「西洋公園図」とか「イスパニア国女帝コロンブス引見の図」とかは西洋の見本を写したんだろうけど、江戸時代の日本人が作ったとは思えない銅版画。面白いなあ。あと、西洋に影響された人物画がいくつか。円山応挙「端淑孺人像」はなかなか素敵だなあと思いつつ、小田野直武「人物画」も他にないタッチでなんか凄いぞ。小田野直武は「解体新書」の挿画を描いた画家としても有名で、以前下記で触れた「秋田蘭画」の創設者。小田野直武が亜欧堂田善に影響したって流れなんだね。

morina0321-2.hatenablog.com

  • 本館9室。能や歌舞伎の部屋だが、今回は狂言狂言面は面白いのが多いよね。で、「縫箔 白地縞萩蜘蛛巣模様」が素敵だったんだが、写真NGだったのが残念。
  • 本館10室。浮世絵は松方コレクション2回目。衣装は夏物なのでとにかく白いものが多い。麻素材とかね。
  • あとは法隆寺宝物館とか、東洋館の展示替えを。東洋館8階の中国の書画は水墨画になっていたり。