時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

東京国立博物館

山種美術館だけでは歩き足りないなあ、と思い、メンバーズパスで常設展へ。今年はこれで最後かな。


その前に黒田記念室へも足を伸ばし。
拝見したことはあるけれど好みの絵が多かったように思う。
ただ、ちょっと室内が暑い。この日は外が雨交じりで寒かったので、暖房暑めにしたのかも。


そのまま東京国立博物館へ向かったら、検温で37度ジャストを叩き出す。調子が悪かったとかではなく(実際、黒田記念室での検温は36度4分)、暑かったんだよ…。その後もそういう体調の崩し方はせず、元気だし。
東京国立博物館の内部も暑かったので、上着をロッカーに入れて。


展示の気になったところを。


まずは本館。
あ、そうそう、この日はびじゅチューンとのコラボ企画をやってた。
cpcp.nich.go.jp

お子様企画だったので、参加はしなかったのだが。

なんかゆるくていいなあ。


5室「武士の装い」。
刀は分からないんだが、細川幽斎の短冊「雪中聞鶯」が。まだ大河ドラマ的にはぎりぎりタイムリーだろうか(見てない)。美しい紙にしたためられていて、流石文化人だなあ…と。


10室「浮世絵」。
作者不詳の「寛文美人図」の着物が綺麗だなあ。
後は鈴木春信とか歌川広重とかいつもの辺りを見ていたのだけれど、歌川国芳「人かたまつて人になる」は笑った。人が何人か固まって人の顔を成す絵。


12室「漆工」。
今回は朱漆が多かったのであまりぴんとこなかったけれど、「左義長蒔絵硯箱」の箱の中の蒔絵は嫌いじゃなかった。伝・本阿弥光悦の作品ではある。


13室「陶磁」。
茶の湯で珍重された歪んだ器の数々あり、楽茶碗あり、尾形乾山「色絵椿図香合」仁阿弥道八「銹絵雪笹文大鉢」野々村仁清「色絵月梅図茶壺」と有名どころあり…結構豪華な気がする…。
個人的には唐津の「鉄斑文茶碗」や銹絵関連の器が好みで。眼福。


14室は企画「珠玉の中国彫刻」。…本館で?東洋館でなく?
いつもと雰囲気の違う雰囲気ではあるけれど、「十一面観音菩薩立像」はインド影響があるからか、インドヨーロッパ系の面持ちの美しい仏像。
で、気になったのは「俑」の「加彩女子」。

アニメ衣装みたいだ。何が凄いって、これ紀元前のものなんだよ…?

16室「アイヌ琉球」。
一部入れ替えがあったのだが。
アイヌには、交易で得た漆塗の椀と盃台を重ねて、その上にイクスパイ(儀式用の箆)を載せたものが。正式にはこうやって飾って使うんだね。興味深い。更にアットゥシ(木の皮で作った衣装)、子供用が出ている。動き回って痛んでしまうので、子供用が残ってるのは貴重みたい。
琉球は衣装だけ。「赤羅紗地 上衣」は、外国から輸入された毛織物。確かに貴重だろうなあとは思うけど、琉球だと暑そうな気も…。


本館18室…の前に、ちょっと寄り道して平成館へ。


考古展示室はざっと。
何故か副葬品の小型竈(東洋館5室にもこういうのがあるので気になって)とか、陶棺とか撮ってた。なんでそういうものばかり…。


一方、企画展示室は「世界と出会った江戸美術」。
何度か拝見しているI.H.S(イエズス会)のものの展示とか、南蛮屏風絵とか、十字架とか板踏み絵(聖母子像とかマリア像とかの銅板画埋め込んである)等のキリスト教系。
後は西洋医術が伝わったということで、西洋から伝わった薬が入った「花鳥螺鈿薬瓶箱」、シーボルトの外科手術道具、そして「解体新書」。そうそう、解体新書の絵は小野田直武なんだよね。秋田蘭画の。
あとは洋画。高橋由一の絵がいくつか。「博物館魚譜」の挿絵の「ソウダガツオ」、本当に写実がきっちりしててね。「洋人捕象」は写実としては少々微妙だけど。


本館に戻って18室「近代の美術」。
日本画は…横山大観「瀟湘八景」のうち「烟寺晩鐘」「山市晴嵐」が素敵だったかな、ぐらい。
洋画は今回は浅井忠なんだけど、ちょっと画面が暗いのが多かったな…。「グレーの秋」は割といいかな、という。
工芸で気になったのは樋口治実「含珠珈琲具」。要はコーヒーカップセットなんだけど、文様が透かし掘りになってて綺麗。竹本隼太「紫紅釉瓶(辰砂釉瓶)」も凄い綺麗な赤紫で。同じく竹本隼太「黒釉茶斑文瓶」も綺麗な黒と斑紋。後は並河靖之「七宝花蝶文瓶」が何度も出てるけど毎回見惚れてくる、と。


で、東洋館。今回はそんなに多く回ってない。
8室はいつもは中国の書画だけど、今回は特集「中国近代の上海―海上派の書・画・印―」。けど、個人的に気になったのは朱偁「花鳥図冊」かな。鳥が素敵で。
でもって5室の「中国の青銅器」。弓形器が格好良かったり、「天藍釉罍形瓶」が綺麗だったり。…後者は青銅器ではなくて景徳鎮の陶器だけど、何故かここに。
で、13室。珍しく細密画の「木に寄りかかるナーチカ」が気になったり、「アジアの民族文化」コーナー「メラネシアの宗教彫刻」が異質な空間になってたり。謎の仮面とかワニ像とか。ワニは、祖先がワニだと信じてる民族がいたそうで。まあ、ワニが身近だってこともあるんだろうけど。



展示自体はこれでおしまい。楽しかった。
ところで…実は1つ催し物があったんだけど…あれはなんだったんだろうか。検索しても出てこないんだよね。シークレットだったら嫌なので、とりあえずこれで終了で。うーん気になる…。