時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

H ZETTRIO LIVE 2024 ~ITABASHITOBASHITASSYO!~@板橋区立文化会館

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今年初Liveはこちらに。
まあ、東京でフェス参加はあったけれど、単独Liveは今年初ですしね。



こんなの購入するに決まっているじゃr(半年振り2回目)Instagramとバージョン変えて撮る無駄な作業。
楽器と一緒だといいですね。
ちなみにソクドくんキーホルダーは、第2弾では誰もかけられなかったよ。NIREさん、今回ウッドベースがひっかかる。いちいち試す。


話が横道に逸れているが、なんかとても春っぽいセトリと感じた。最初と最後の曲が春だったから、というわけでもなく。なんか途中で思ったので。しかし最初の曲、予想外だったけど、でもちょっと嬉しい…。
アップテンポが多かったからかなあ。妙なウキウキ感というか。
まあ、そこかしこに別の意味で「春」だった方もおられますが。


Live開演6分前更新に吹きましたよ。やりそうな気がしたけど


楽しかったです。ちょっとヒートアップしたのか、帰りに喉がからっからに(酒も欲しいけど水も欲しかった)。
ありがとうございました。


Live中にお知らせ色々ありまして。その一部。
worldapart.co.jp
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楽しみであります。

でもって追記のお知らせもうひとつ(Liveレポートにも出ていたけど正式情報待ってた)


生演奏だ!たのしみ!トークタイムは大丈夫かしら(なお御本人達も心配r

大倉集古館の春~新春を寿ぎ、春を待つ~


前回の場所と近所なのでふらりと。
大倉集古館所蔵の春らしい展示品諸々。
ざっくり並んでいるので、気になった作品を。

1階。
「長生殿蒔絵手箱」、デザインが格好いい。いくつも扇が重なり合ったデザイン。扇と扇の間の余白も個人的に好き。
宗達派「扇面流図屏風」は宗達派によくある扇面を並べた屏風。扇の図として素敵なのがいくつかあったなあ。
「龍頭」と「魌頭」は彫刻、というかどこかの寺院にあった像なんじゃないかなあ。
前者は「龍頭」となっているけれど、「贔屓」じゃないかと書かれていた。「贔屓」は「ひき」と読む。竜生九子という、竜が生んだ9匹の子、のひとつ。所謂「ひいき」の語源。なお、見た目は亀で、「重きを負うことを好む」ということで柱の下に彫られることが多いそうな(なので、柱の下の贔屓を引っ張ると柱が倒れる、ので「贔屓の引き倒し」なのだそうで…)。
で、後者は狴犴(へいかん)という、やはり竜生九子のひとつ。見た目は虎っぽい。訴訟を好むのだそうな。訴訟…?
ちなみに青銅器でおなじみ(?)の饕餮も竜生九子のひとつに含まれたりするらしい(ちなみに饕餮は飲食を好むとのこと)。
狩野探幽文殊菩薩雲龍・竹虎図」。余白も格好良ければ虎も龍も格好良く、そして文殊菩薩が美人!女性にも見える少年の姿。


2階。
狩野常信「梅鶯図」。梅の木を断ち切るような雲の構図がとても格好いい。
龍泉窯の「青磁香炉」。青磁の肌が文句なく綺麗。香炉なので金物部分もあるのだけど、そこにあしらわれた笹の葉の形も綺麗。
土佐光孚「四季風景図棚」。棚の上段の襖絵が美しい。棚自体の形はシンプルだけど、下の段の仕切り板も美しい。
木内半古「四君子象嵌重硯箱」。木地も素敵だし、白玉で象嵌された菊が格好いい。
尾形光琳画、尾形乾山作「銹絵寿老図六角図」。寿老人の絵がとても愉快そうで素敵。
作者銘なしの「郡鶴田園蒔絵硯箱」。明治の作なので蒔絵がとても細かくて綺麗。同じく銘がなかった「富士裾野図蒔絵文台」も同じ作者のだろうか。
横山大観「寒牡丹」。薄紫のシンプルな牡丹が美しい。「夜桜」の方が目玉なのかもしれないけど、個人的には「寒牡丹」の方が良いなあ。
小林古径「木菟図」。木菟も可愛いのだけど、月が美しい。そして夜の闇の濃さがなんともいえない…。


なかなかの目の保養展覧会。ありがとうございました。


この後はゆっくりと遅い昼食を頂き、次の会場へ向かった。
…Liveの前にミュージアム3つ回って、随分体力使ってませんかね…(遠い目)

企画展 ライトアップ木島櫻谷-四季連作大屏風と沁みる「生写し」@泉屋博古館東京


入場前にHARIO Cafeでフルーツサンドを。ハーフサイズは休憩には丁度良い。そして綺麗…。


本題。
sen-oku.or.jp

お待ちしておりました。推しの展覧会です(お)
なお、ライトアップとなっているが、本当に照明を当ててるわけではない(日本画なので痛んでしまう…)。
写真は1作品のみOK。


「1 四季連作屏風のパノラマ空間へ、ようこそ」。
六曲一双の屏風がずらっと。圧が強い。
作品としては6点(櫻谷の作品としては5点)しか展示してないんだけど(なので、今回全体的に展示数が少な目)。
大正時代の作品で、40歳前半に描いた屏風5点なのだが、この頃の櫻谷はちょっと琳派っぽい。簡略化というかデザイン化というか。
唯一写真OKなのが「燕子花図」。尾形光琳の「燕子花図」(根津美術館蔵の有名なアレ)オマージュなのだけど、燕子花自体は写生に基づいているので、形がばらついている。


「2 「写生派」先人絵師たちと櫻谷」。
ここからは動物画。
ここは先人たちの作品もある。
…って、いきなり円山応挙出してきたりするしね…(遠い目)「双鯉図」、美味しそうって思っちゃった…(え)生き生きピッチピチなんだもの。
応挙の息子の円山応瑞「牡丹孔雀図」も体色が綺麗。
白井直賢「福寿草鼠図」の鼠がもふもふしてて可愛い。
で、それを踏まえて持ってくるのが櫻谷「葡萄栗鼠」…リスの毛描きが本当に柔らかそうなやつ…!
伝・森徹山「檀鴨・竹狸図」は狸が匂い探ってるような虫が凄い細かい。
で、踏まえた櫻谷「秋野老狸」は狸の毛並みがもふもふすぎる…。周囲の秋枯れの景色も素敵で。
で、森一鳳「猫蝙蝠図」は毛書きなし、さらっと描かれている猫だが、これはこれで可愛い。
一方、櫻谷も毛描きなしでさらっと描いてる「狗児図」。…さらっと描いても可愛い犬、なんなの…。


「3 櫻谷の動物たち、どこかヒューマンな。」。
引き続き動物画。
1つだけ櫻谷の作品でないものが。望月玉泉「蘆雁図」。流石の「あしかりさん」である…。美しい。
櫻谷も鳥の絵がいくつか展示されていたけれど、そちらよりは四つ足の動物の方が良いかも。
「獅子虎図屏風」、虎がなんだか可愛いぞ…?そして獅子はとても凛々しい。
「雪中老猪図」。猪がなんだかとてもユーモラス。毛並みもふっと。
鹿の絵が3点出ていたけれど、「雪中孤鹿」「秋野孤鹿」どちらも毛並みが凄い。「秋野孤鹿」はお尻も可愛いんだよな…。
そして可愛い動物たくさんの「写生帖」まで。眼福。


で、第4展示室は展覧会と別の展示。
「住友財団助成による文化財修復成果-文化財よ、永遠に」。
修復された作品2点。
毘沙門天立像」はちょっと変わっていて、胸部左右に鬼面。
呉春・亀岡規礼「松・牡丹孔雀図衝立」も孔雀の体色が綺麗だなあ。
これはこれで面白かった。


推しを堪能。
続く。

開館記念展 皇室のみやび―受け継ぐ美―「近代皇室を彩る技と美」@皇居三の丸尚蔵館

数日前に行こうと思っていたけれど、いい時間に予約とれなかったので、改めて。
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第三期「近世の御所を飾った品々」。
今回は工芸品主体。
前後期制、今回は前期。写真ほぼOK(以降の文章は短めだけど、結構な枚数の写真があったりする)。


第1室は調度とか、楽器とか。
調度、棚とか箪笥とか文台とか。蒔絵ゴリッゴリ。
十種香箱もあるけれど、まず細工が本当に綺麗でねえ…。
楽器は蒔絵少な目でちょっと落ち着く。螺鈿が入ってる筝とかあったけど。
「修学院焼ふくべ形香炉」がとても可愛らしい形の陶磁で、この中にあると毛色が違って浮きますなあ。好きだけど。


第2室はもう少し大型の屏風等。
狩野永岳「散手貴徳図衝立」からして綺麗。狩野永岳は江戸後期の京狩野派になるそうで。冷泉為恭の伯父にあたるのか(冷泉為恭にも大和絵を学んだりしているらしい)。
伝・狩野永徳源氏物語図屏風」が2点。どちらも情景・人物共に美しいなあ。
渡辺始興「四季屏風図」。渡辺始興琳派に分類されるのだけど、ちょこちょこ琳派っぽい描き方ではあるけど、全体的にはあまり琳派っぽくないかも。人物の表情がなかなか豊か。
で、今回唯一展示されている国宝が「更級日記」。藤原定家が写した、所謂「定家本」。今伝来する「更級日記」の最古の写しである祖本。そりゃ国宝だ…。
狩野常信「糸桜図簾屏風」。ただの屏風でなく、一曲の面の大部分が簾になっている。で、屏風と簾に跨って描かれている枝垂桜。なんて美しい…。

いやあ…素敵な品々をお持ちで…。後期も機会があれば伺いたいなあ。

続く。

MOMATコレクション@東京国立近代美術館

この日の展覧会、全て竹橋駅付近。

ただし、このコースで一番良くないのが、日祝だと休めるカフェがないのである。休憩ができない。
…あ。


東京国立近代美術館、「美術館の春まつり」企画でお休み処できてる…!
というわけでここで一休み、甘酒を頂きました。日本酒から作ってるけど、アルコールは多分飛んでる…(実はこちら、日本酒も出している)。
美術館併設のお高いレストランと連携してるので、お弁当はそこそこいいお値段がしていた。

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一休みしてからMOMATコレクション(常設展)。


1室「ハイライト」。
個人的に今回はいまいち嵌らなかったかも。
ハンス(ジャン)・アルプ「地中海群像」をあちこちから見てみよう、みたいな感じで展示していて、
個人的にも彫刻を色々な角度で拝見するのが結構好きなので喜んで。

ここから観ましょう。って足跡はどなかたの趣味で作りましたか?(他は普通の靴の跡だったのに)


2室「春まつり」。普段は10室のことが多いけれど。
あ、そうそう、普段は10室にある清家清「臨機応変型多目的移動畳」がこちらに。
そしてそちらを挟むように配置されている、菊池芳文「小雨ふる吉野」(こちらはこの時期よく拝見しますな)と日高理恵子「樹を見上げてⅦ」。小雨の中咲き誇る桜と、画面いっぱいに延びている裸の枝。畳の上から見上げるように鑑賞できるのがいいなあ。


3室「麗子、生誕110年」。
麗子は岸田劉生「麗子像」の麗子、ですな。
岸田麗子も画家なんだが、こちらの展示はそれよりも「岸田劉生から見た様々な娘・麗子」という趣。
東京国立近代美術館の「麗子肖像(麗子五歳之像)」は、有名な麗子像とはちょっと一線を画す劉生の細密描写の頃の画風で描かれている、とても格好いい麗子の肖像画なのだけど。
紙に水彩で描いてる「戯画(おはなの風船)」、紙に墨で日記のように描いている「麗子のおけいこ」「戯画」、なんでこれ描いたんだろう、な「麗子鬼を打つの図」(本当に麗子が鬼を叩いてて、横で劉生が見ているという謎の絵)、麗子宛の、旅先の様子の絵を添えた葉書、麗子が小さい頃に出品して優等を貰った展覧会の日記、それから小さい頃に描いた絵に大抵の批評(正直割と親バカ…(あ))…なんというか、愛が溢れてたよ。娘さんへの眼差しが分かる。
ちなみに実際の写真も展示している。麗子さん、なかなか素敵な女性なんですよ。
「麗子肖像(麗子五歳之像)」、本当にかなり写実的なんだな、というのも分かる。


4室「近代の役者絵」。
山村豊成(耕花)と名取春仙。どちらも何度か拝見してますな。こちらとか。
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春仙の「六世尾上菊五郎 早野勘平」がなかなか美しいなあと思いつつ。
あ、平櫛田中「鏡獅子」*1の試作頭部も出ていた。本体と含めて所蔵されてたんだね…。


5室「アンティミテ」。
フランス語で「親密さ」。元々は19世紀末に身近な人々や子どもや動物の親密な情景を描いた一群の画家たちを「アンティミスト」と呼んだそうだが、ここではアンティミストが描いたような題材を時代問わず描いている絵、という意味の展示。
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ヴァロットンはないんですね(え)(そもそもヴァロットンの「アンティミテ」シリーズは身近だけど不穏すぎる)。
絵画で気になったのは甲斐仁代「自画像」。素朴な感じがなんか良かった。
ちなみに甲斐仁代は晩年石橋正二郎パトロンになっていて、「自画像」も石橋正二郎東京国立近代美術館に寄贈したのだそうな。…自分のコレクションにしなくて良かったんだろうか。一歩違ってたら、アーティゾン美術館所蔵になってたかもしれないなあ。
あと、ここには彫像が2点。高村光太郎「兎」は素直に可愛いのだが、土方久功「猫犬」…とても可愛いけれど、こちら、動物としては何…?(真顔)想像のキャラクターとしてはとても可愛らしい。うん。


6室「1941-1945|戦争/美術」。
普段は絵画のみが展示されていることが多いのだけれど、部屋に入った瞬間に存在感が強い彫刻1点。
平櫛田中「鶴氅」。鶴氅は中国とか朝鮮辺りで結構ある男性の襟付きガウンみたいな服のこと。で、見覚えのあるお顔…と思ったら岡倉天心だった。教科書とかで拝見する顔だ!とても威厳がある彫刻である。
でもって写真もある。安井仲治。おや、丁度別のところで特集展覧会されてますな。書き手は全く詳しくなかったのだけど、代表作の「流氓ユダヤ」シリーズ。この辺りはWikipediaに詳しくあったけれど、この時代しか撮れないね…。作品としても亡くなる1年前のものだし(病気で早逝されている)。
国吉康雄「誰かが私のポスターを破った」。日本っぽくない…と思ったら、国吉康雄アメリカを拠点にしていた画家。煙草を持つ女性の表情がなんともいえないんだよね…。この絵画自体も結構深い意味があるらしいのだが。


7室「存在と不在―見えるものと見えざるもののはざまに」。
1950年-60年の、少なくとも実在世界ではない作品が多々。何故か岸田劉生「壺の上に林檎が載って在る」もあったけど。
版画系が多いかもしれない。
長谷川潔とか浜口陽三とか、現実世界のものだけど現実世界ではありえない描き方というか。
で、気になったのは清宮質文。多色刷木版の、くすんだ世界、やはりくすんだ色合いの蝶。版画だけでなくガラス絵もある。現実と少し違う、独特の世界というか。
野田哲也も面白いなあ。写真を版にして木版刷りしてるのか。


8室「流通するわれら」。
いまいちテーマがわかりにくいなあ。現代アートだし。
石を郵便で送りつける堀川紀夫「The shinano river plan 1969/2013」とか、ジャガイモが入った段ボールを美術作品にしたロバート・ラウシェンバーグ「ポテト・バッズ」辺りはテーマに沿ってるんだろうか。


10室「芹沢銈介と、新しい日々」、というわけで芹沢銈介特集。
カレンダーずらりはなかなか圧巻。気に入ったものもいくつか。
獅子文六の小説「可否道」(改題「コーヒーと恋愛」、獅子文六の中でもかなり有名な小説らしい)の挿絵もなんだかいいなあ。
あと、日本民藝館で以前拝見した「絵本 どんきほうて」が出ていた。本家は風車に闘いを挑むけど、こちらだと水車に闘いを挑むんだ…!(そこ?)


12室「作者が語る」。
東京国立近代美術館が映像として残しているアーティストのトーク映像と共に。
その中の一人に児玉靖枝が。やはりお花見企画では出さなきゃならない「ambient light - sakura」。それ以外の作品も出ていたけども。
野見山暁治トーク動画は貴重になってしまったなあ。
黒川弘毅の彫刻もいくつか気になったり。


で、ギャラリー4の小企画展。
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「新収蔵&特別公開 ジェルメーヌ・リシエ「蟻」」。
ジェルメーヌ・リシエは20世紀前半の女性彫刻家。ブールデルのお弟子さんになるのか。
「蟻」、不思議な作品ではある。
ただ、それに劣らず個性的な彫刻がとても多い。
清水良治「牛骨と子供」みたいに、元々生き物だった無機質な牛の頭蓋骨をかぶっていたり(一応遊んでいる状況なのか…?)、全く無機質な板を合わせて作ったのに「蝉」というタイトルがなんとなくわかってしまう土谷武の作品とか。
淀井敏夫「聖マントヒヒ」も随分デフォルメされてたり。
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この時に出ていた向井良吉「蟻の城」もあった。
あ、ブールデルが師匠ということで、ブールデルに教わった日本人彫刻家の作品もあった。普通に女性の像だったりするので、ちょっとほっとしたり。
バラエティに富んでて面白かったよ。


ぐるりと回るとやはりへとへとになるのだけど、それでも13時ぐらい。
次の場所どうしようかな、予約取らなきゃ入れない…あ、丁度良い時間のチケットがないや、ということでこの日はこれで終了。


というわけでアルコールも入れてしまう。

*1:国立劇場に展示されてる有名な像、実は東京国立近代美術館所蔵で、国立劇場に長期貸与している。今は国立劇場建て替えに伴い、井原市平櫛田中美術館に貸与されてる

夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み!―@国立公文書館

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6年振りだって。久々過ぎる。



大河ドラマのお陰で色々展覧会があるけれど、まあぶらりとするのも良いかと。
写真OK。


とはいえ、文字展示なのでなかなかとっつきにくい。
「1 和歌・漢詩に描かれた夢」ということで、古今和歌集後撰和歌集拾遺和歌集和漢朗詠集とまあ有名どころですな…。
ちなみに展示されているのはほぼ江戸時代の写本、大部分の旧蔵が紅葉山文庫。ええと、江戸城の文庫(=図書館、金沢文庫と同じ意味ですな)だそうで。普通に展示してるけど凄い本だよな、これって…。
恋愛に関係した夢関連の歌が多く、後は「旅行の際の夢」。なんか、そういうのもロマンなんだろうか。

「2 物語と随筆に描かれた「夢」」。
こちらは伊勢物語・大和物語・住吉物語枕草子更級日記(記載は「さらしなの日記」)。
大和物語は良く知らない、というか短編集なんだねこれ(伊勢物語形式)。
住吉物語は継子いじめが主題になってる、という知識はあった。
更級日記は夢でもっと仏道に励めと言われたけど放っておいた(というのを後年後悔している)という個人的にも存じ上げてる箇所。
で、枕草子


いやあの、本当にまさか、読んでる漫画の元ネタに、読んだすぐ後(確か翌日か翌々日)に出会うなんて思ってもいなかったんだよ…。6月に最終14巻が出るのですよね…としんみり。実はこれがあるから大河ドラマが微妙に拝見しづらいという話もあるのだけれど(ぼそ)

閑話休題
「3.「源氏物語」の「夢」」は源氏物語の各場面で出てくる夢の記載について。
「4.「源氏物語」研究の来た道」。こちらは後世の源氏物語の注釈書で、「3.」に出てきた内容の注釈が沢山出てくる。…「源氏物語」、こんなに研究されてきてるんだよなあ…。
で、研究者は大体男性なんだが、「花屋抄」(かおくしょう)は女性が作者、花屋(かおく)玉栄という方のもの。近衛稙家の娘になるそうで…って近衛家…。五摂家…。だよなあ、そのくらいのバックがないと女性で研究者とか無理だよね…。
「5.光源氏たちの「現実」」は、所謂平安時代の実際の生活の記載。
大鏡」「栄花物語」「御堂関白記」「小右記」等。
花山天皇の出家騒ぎとか花山法皇襲撃事件とかそういうポピュラー(?)なものもあるけれど、当時は疫病・地震地震の話は「御堂関白記」=藤原道長の日記で出てきていた)・洪水等の自然災害で、まあ、今より防ぐ手立てもないだろうし、大変ではあっただろうなあ…。
殺人事件や強盗なんかの記事もある。治安もねえ…。

あ、あと、それとは別に源氏物語の各帖のあらすじも出ていたり。
こうしてみると、光源氏、同時進行でどれだけ色々な女に手ぇ出してるんだよとは言いたくなる(こら)


なんだかんだで勉強にはなりますなあ…。

常設展示の方で「令和の書」も拝見して終了。


続く。

令和5年度文化庁首都圏伝統工芸技術作品展等開催事業「技を極める-伝統工芸が伝えるメッセージ」@旧近衛師団司令部庁舎

近衛師団司令部庁舎。
こう書くとまるで初めての場所のようだけれど、旧・東京国立近代美術館工芸館である。な、懐かしい…!今回の一番の目当てはこちらの来訪である。
なお、工芸館の施設は撤去されているので、トイレやロッカーは使用不可だった。



現代の重要無形文化財人間国宝)の方+それを引き継ぐ現代作家の展覧会。
展覧会自体も興味があるけれど、「この場所で」展覧会というのが個人的には大事。
しかも文化庁事業で入場無料、写真もOK…ふ、太っ腹…。5日間しか開催ないのがネックだが。


最初は竹細工、というか現在の竹細工工芸では有名な四代田辺竹雲斎。
「五大虚空」…うん、もう、現代アートだと思うのですよね、作品として。凄いなあ。

次は陶磁。
白磁の前田昭博。おっと、先日拝見したばかりじゃないですか。
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でもって有田焼の十四代今泉今右衛門、こちらも有名。
望月集は日本伝統工芸展で見覚えがある。華麗な花の絵付けの方だ。
で、存じ上げなかったのが津金日人夢。青磁作成されるんだね…。
前田・津金両名はシンプルに美しい白磁青磁
望月集は椿の文様の大皿。なんだろう、凄い良いバランスで描かれてるという感じ。
十四代今泉今右衛門「色絵薄墨墨はじき雪本鉢」は「色絵」という文字から想像もつかない、渋くて格好いい墨色から灰色のグラデーションの地に雪模様。本当に格好いい…。

次の部屋がラスト。大部屋にずらりと色々な工芸が。
まずは木工。須田賢司は有名で作品も日本伝統工芸展等で拝見している。
そしてもう一人が五十嵐誠。

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「栃造四脚抽斗」。か、可愛い…!木目も綺麗。

ガラス工芸は山本茜。もう少し正確に言うと、截金ガラス工芸作家。
今回の展覧会のポスターにもなっている「截金硝子器「雪降り積みて」」。ポスターで拝見するよりも生で拝見した方が良いかも。
あと、この作品って截金が埋まっているので、作品が光に当たってできる影もとても格好良かったりする。

人形。
ええと、この展示会場でかなり異質、でもって作者も一発で分かる中村弘峰。博多人形師。


いやあ目立つ目立つ。でも凄いよ、彩色等。
もう一人は人間国宝の秋山信子。作品は日本伝統工芸展で拝見しているかな。いや何度拝見しても素敵ではあるのだが。

金工。
ここのところ何度も御名前も展示作品も拝見している中川衛。
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もう一人は植田千香子。御名前はなんとなく分かるけれど…とちょっと調べたら、日本伝統工芸展では違う作風の作品を展示していたりしたので、作風が広いかもしれない。色々試していて面白いなあ。

漆工。
やはり著名な人間国宝室瀬和美と、こちらも個人的にはお馴染みになる浅井康弘(師弟でいらっしゃる)。

染織。
こちらもお馴染み森口邦彦と、琉球紅型でやはりこちらも有名な城間栄市。
ここ、大部屋の一部が和室設えになっていて、染織の展示はそこに展示されていて、雰囲気も凄く良かった。


最後の部屋は映像であったり、能登の震災の話だったり。
能登は工芸盛んだし、東京国立近代美術館工芸館も金沢に移転しているしね…。

思い入れのある場所で目の保養。ありがとうございました。


続く。