morina0321-2.hatenablog.com
第2期が始まったのでこんにちは。
第2期は「近代皇室を彩る技と美」である。第2期も前後期制、伺ったのは前期。
写真はOKのものもある…というかOKのものが大部分。ありがたい…。
「第1章 天皇皇后ゆかりの品々-明治・大正・昭和」。
明治から昭和までの天皇皇后の遺愛品多め。
で、いきなり森川杜園「熊坂長範」こんにちは。こちらは昭憲皇太后が所蔵していて、御遺品として秩父宮雍仁親王が譲り受けたそうで。熊坂長範は能の題材で有名で、昭憲皇太后は能を好んでいたとのこと。いや、それにしても森川杜園…。
で、なんだかとても品良く美しい掛軸2つがあるぞ、と思ったら、瀧和亭「仁徳天皇難波宮居之図・中将試木本末之図」。
美しい美しいと言っていたら、並河靖之「七宝藤図花瓶」(実は今回初公開だとか)が出てきて静かに沈む。白地に藤…また並河靖之のお得意の図柄で…こういうのお持ちでありますなあ…。貞明皇后の所蔵で、高松宮家所蔵になったそうな。
他にも美しい遺愛品が続々。品の良いブローチとか、格好いい表装の鍵付き帳面もあった。
「第2章 皇室の慶祝と宮殿を彩った調度」。
調度なので大分大型のものが多い。
驚いたのは濤川惣助「七宝唐草文象嵌花盛器」があったのだが、これが有線七宝。無線七宝で有名な濤川惣助の有線七宝、レアだよな…。
鈴木長吉「百寿花瓶」に「菊花形燭台」も驚く。鷲の金工で有名だけど、前者は「寿」の文字が規則正しく並んでいる金属の壺、後者は菊の花びらがとても繊細で美しい金工の燭台。こういう作品も作るのか…。後者は鷲の羽の細工を考えたら分かるんだけれど、前者は全然違うしね。
で、皇室だと必ず出るようにするつもりなんだろうか、悠紀主基屏風。今回は大正の「悠紀地方風俗歌屏風」、野口小蘋。野口小蘋は本当に丁寧に描かれるなあ…と。綺麗。
でもって、掛軸2つの山元春挙「智仁勇」。そうだ、山元春挙は皇室にウケがいいんだった(言い方)。
松と雪と、鷹が一羽づつ。そして左側の鷹は雀を捕えている。雀を捕えるのが「勇」、殺さずに雪の中で暖をとっているのが「智」、最後に雀を放してやるのが「仁」、と解説にもあった(春挙自身が述べているそう)。要は暖をとるために利用しているのではないかとかそういう(こら)
高橋源吉(高橋由一の長男)「大婚二十五年奉祝景況図」があったり、海野勝珉の金工彫刻や高村光雲の木工彫刻もあり、豪華ですなあ…。
目の保養、かつ、日本の近代美術好きにはたまらない展覧会である。
後期も少し展示が変わるので、検討事項。
丸の内ストリートギャラリーを通って各作品の写真を撮ったり
(ルイジ・マイノルフィもジュゼッペ・スパニューロもティモ・ソリンも、作品面白いよね)、日本工業倶楽部会館の素敵な外観を眺めたりしつつ、移動。
続く。