時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

皇居三の丸尚蔵館

ずっと行きたい行きたいと思っていたら改装で閉まってしまい、ようやく伺うことができた。
11/3開館で、流石にもうチケットないよね、と思っていた11/2、確認したら11/5のチケットが普通に売っていた。
11/5の開館前には完売だったので、その後すぐ売れてしまったのかなあ。


そして今回、展示は2つ。

まずは「開館記念展 皇室のみやび―受け継ぐ美―」。

今回は「第1期:三の丸尚蔵館の国宝」。
なお、第1期と言いながら更に前後期に分かれていて、今回は展示替で作品が2つあるうちの1つずつ展示とか、巻替えとか場面替とかがある。
書き手は前期に伺った。

国宝となっているので全て国宝。
でもって、許可されているもののみ写真OK…って全部許可されてる…。それは凄いな…。展示点数は少ないとはいえ。

ところが、ここでアクシデント。
コンデジのカメラが電池切れ。…充電してきたのに…?(多分勝手に放電してた)
というわけで、スマホのカメラを使い倒すことに。

展示されている国宝は5点。
小野道風「屏風土代」、「藤折枝蒔絵箱」、「蒙古襲来絵詞」、高階隆兼「春日権現験記絵」、伊藤若冲動植綵絵」。
まあ、実はこちらで拝見してるみたいなんだけど。
morina0321-2.hatenablog.com
morina0321-2.hatenablog.com
「藤折枝蒔絵箱」以外は拝見してるのではないかなあ。「蒙古襲来絵詞」と「動植綵絵」は覚えてる。
ただ、「春日権現験記絵」はこんなに良かったっけか…。
やまと絵を立て続けに拝見している影響もあるかもね。ここでも出てくる高階隆兼だし。


続いてもう1つの展示。
「特別展示 御即位5年・御成婚30年記念 令和の御代を迎えて-天皇皇后両陛下が歩まれた30周年」。

現代の皇室の品々の展示か…ってそんなに気にしてなかったんだが。
なんか、もういきなり凄い衣装がずらっと出ているわけで。
御成婚の際に着用した服…というか、「束帯・黄丹袍」って皇太子しか着用できない儀式用衣装じゃないですか…。
特別展示は写真NGなんだが、そりゃNGにもなるよな…。
勿論、御成婚の際の皇太子妃の衣装もあるわけで。五衣の衣の重なった色が美しい…。
でもって「御束帯・黄櫨染御袍」…こちらは天皇の儀式用衣装…。勿論、皇后の衣装もある。ひええ。

愛子内親王の「御初召」(=産着)も出ていて、まあ勿論真っ白なんだけど、「紅葉山養蚕所」「小石丸」で、ですよね…(下記、参照記事)。
morina0321-2.hatenablog.com
作成された「犬張子」とかもあって、そりゃ作りますよね…となったりもした。
そうそう、「小石丸」だと、皇居で植えられている稲用の用具と、養蚕の繭も展示されている。

あ、勿論、ボンボニエールもある。御成婚の時と、即位の時と。
即位の際の「大饗の儀」(大嘗祭で行われる中核儀式)で下賜される「挿華」も出ていて、これも凄いな…。綺麗だし…。

あとは、御成婚記念や即位記念で贈られた諸々。
御成婚の際は、上村松篁「花の中」が。後期だと加山又造が出ていたらしい。流石のビッグネーム…。
ハイジュエリー・モワードから贈られた「宝石の木」というえらいものもあったり。

即位の際は、工芸作品が多数。
大角幸枝「銀打出皿 海景」が出ていておおおおおっと。まあ人間国宝なのでここにあってもおかしくないのだけど、拝めて嬉しい…。
前田昭博の白磁「白瓷面取壺」もとても美しい…。

で。
大嘗会があるということは出てくるわけだ。
令和の悠紀主基屏風。
前期と後期で1つずつではあったけれど、それでもこんな早くお目にかかれるとは思っていなかった。
前期に出ていたのは悠紀屏風(正確には「悠紀地方風俗歌屏風」)。絵は田渕俊夫。話を聞いた時、田渕俊夫なんだーいつか拝見できるといいなあと思っていたら…。
伝統的な大和絵の描き方なんだけど、まあ細かく綺麗な春夏秋冬、桜と滝と冬山と、実りの黄金の田。
しれっと、黄金の田の傍らをトラックが走っていくのが令和。いいなあ。


思ったところと違うところにツボが発生した。行ってみないと分からないものである。

拝見後、目の前の売店の自販機で飲み物休憩。
その後、ちょっとぐるりと皇居東御苑を。

凄く甘い香りがすると思ったら、山茶花が満開でとても美しい。


さて、歩いた先に続く。