時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

激動の時代 幕末明治の絵師たち@サントリー美術館

www.suntory.co.jp

キャッチフレーズ…。
ともかく、タイトル通り、幕末明治の絵師特集。ここのところ、この辺りの展覧会多いのだけども。
写真NG。

「第1章 幕末の江戸画家」。
多分、目玉にしたいのは狩野一信「五百羅漢図」なのだろうと思う。所謂、奇想系なんだと思うし。
ただ。ここに狩野晴川院養信とか置かれたら書き手はそっちに行くでしょ、という(あ)「鷹狩図屏風」、綺麗だった…。
谷文晁「棲鸞園画帖のうち、山水画」もとても綺麗だし、岡本秋暉「孔雀図」をしれっと展示するし。

「第2章 幕末の洋風画」。
洋風というと色々名前が浮かぶのだが、サントリー美術館は安田雷洲をプッシュしてきた。個人的にはあまりツボにはならなかったけれども。
ここに入ってくる歌川広重や、葛飾北斎(安田雷洲の師匠になるそうな)の方がツボるんだよなあ。
葛飾北斎が洋画の方に傾くでもなく(多分参考にはしてると思うけど)革新的なのがやばいんだよなあ…。

「第3章 幕末浮世絵の世界」。
歌川国芳が多め。個人的にはツボではないけど、この辺りが好きであれば。

「第4章 激動期の絵師」。
まず月岡芳年が。月岡芳年、個人的に好みなのは「風俗三十二相」のシリーズなのだけど(女性美しいよね)、どうしても血みどろの方に持って行きたいようで…。まあねえ…。
で、ここでもう一人出してきたのが、菊池容斎。推し(渡辺省亭)の師匠…!女性描かせたら本当に美しいよね…。ただ。「呂后斬戚夫人図」という、美女が血みどろという、なかなかアレな絵も描いている。まだ、画力高いからすさまじい絵になっている…。
他にも河鍋暁斎に、個人的にドツボな柴田是真もあってなかなかのラインアップ。
で、個人的に存じ上げなかったのが小林永濯。「神話図」、ちょっと驚いた。なんというか、今のマンガ表現っぽい。斬新。ちなみに板橋区立美術館所蔵。…板橋区立美術館、凄いのお持ちですよね…。
で、浮世絵からの流れで、小林清親と井上安治。後者は御名前を存じ上げなかったのだが、小林清親の弟子で夭折されているそうで。「東京真画名所図解」、抒情的で素敵だったなあ。


うん、なかなかいい感じの展覧会ではあった。
存じ上げない画家も知れたしね。