時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

東京国立博物館




あけましておめでとうございます。お正月らしい風情に初詣。
ぐるっと常設展。



どうでもいいのだが、本館で使用したロッカーがTO89=トーハクでした。


まずは本館。
2室「国宝」。
正月の国宝は恒例、長谷川等伯「松林図屏風」。何度拝見してもいいものはいいので、たっぷりと空気感を吸い込む。
ちなみに今回は、ちょっと展示期間を延長した。長谷川等伯能登の人だものね…。
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3室。
「宮廷の美術」、普段は羽黒鏡を展示しているコーナー、水滴を展示していた。これはこれで可愛い。江戸時代の水滴は8室で展示したりするけど、それより前の展示は珍しい。
「禅と水墨画」で山田道安「鍾馗図」に祈ったり。


7室「屏風と襖絵」。
伊藤若冲「松梅群鶏図屏風」。若冲の鶏!

若冲の!鶏!(真顔)
…拝見しているお客様、微妙な顔やら、微妙な囁きが聞こえたりとか。いや、若冲の鶏はこういうパターンもあるので。ええ。
ちなみに書き手は、有名な鶏の写実画風より、こちらの画風のが好き(あ)

このヒヨコを是非味わってほしい。楕円。
あと、孔雀の絵で有名なのに孔雀を描いていない岡本秋暉「四季花鳥図屏風」とか。まあ、雉の色とか、燕とかの小鳥も綺麗ではあるけど。


特別1室は特集。

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正直、このために来たというか。…いやあの、書き手、年女なんですよね、という。年齢バレだけどもういいや。12年に一度しか回ってこないし。
部屋1つだけれど、章立てがちゃんとされている。章名がアレだが。

「龍麗闊辰(りゅうれいかったつ) めでたし書画」では、狩野伊川院栄信「芝園臥龍梅記並詩歌」が。伊川院好きなので嬉しい…綺麗…。

「龍(りゅう)は何しに日本へ!?」…書き手、この元番組拝見したことないよ(そこ?)
伝・陳容「五龍図巻」が格好良かった。五匹の龍が絡み合い方々を睨みつける迫力の水墨画

「細工は龍龍(りゅうりゅう) 仕上げをご覧じろ」では、色々工芸系が。

変な生き物がいました(あ)「鯉水滴(魚跳龍門)」。鯉が滝を登って龍になる、という故事の、龍に変わる時の姿というわけで。ネタとしては真面目だけど…人面魚っぽい気もしなくも。
マリア観音像」も。ああそうか、観音菩薩だから龍がセットになってもおかしくないのか。
個人的に好きな三彩も、ベトナムの青花もあったり、そして龍といえばこれ!な自在龍置物も。

「筋骨龍龍(きんこつりゅうりゅう) 今年こそ理想の体型に!?」は、逞しい彫刻。
展覧会ポスターになってる「十二神将立像(辰神)」、以前写真も載せたアレ。いやもう、本当に格好いい。
morina0321-2.hatenablog.com
あと、興福寺「龍燈鬼立像」の模造が出ていたが、模造作者が森川杜園という。わー…。


1階へ。
14室は特集。

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大聖寺藩前田家伝来の能面」。
能面は正直個人的に知識が薄いのだが、ついつい般若系(「真蛇」)とか女性の面に惹かれがち。
あと「笑尉」かな。笑顔はやっぱりいいもんですよ…。


15室「歴史の記録」。
あまり得意な部屋でないので通り過ぎることが多いのだが、ふと、法隆寺夢殿の明治5年時点での写真で足が止まった。
よくよく拝見したら、同年の「正倉院御物 琴・琵琶」の写真まであった…。これは流石に凄いものである…。
この辺、重文指定。そうだよねえ。


18室「近代の美術」。
彫刻は佐藤朝山。「シャクンタラ姫とドウシャンタ王」はインド彫刻っぽいので結構独特なんだけど、「龍頭観音像」は、色の付け方がなんとも言えず綺麗。観音様のお顔は好みではなかったけれど、龍に乗って飛ぶ観音の衣のたなびき方が凄い格好いい。
そして工芸にも観音が。何故か妙に身体を折り曲げている。表情も苦悶…?そしてすぐ傍に謎の形の台。初代宮川香山白磁観音立像」。本来は台の上に観音が載る形になるらしい。結構謎かも。
六代沓谷滝次郎の金細工がいくつか。「腕環」が綺麗。
日本画だと橋本雅邦「狙公」いいなあ。淡いながらも色の使い方とか、あとは表情が柔らかくていいなあ…。
でもって洋画…数年前にもあった浅井忠の水彩画祭…!目の保養…。


本館回り終わったら13時過ぎてた…。
慌ててキッチンカーお昼。


がっつりと鶏天の丼ぶり。美味しい…。寒さもぎりぎり外でイケる温度。


昼食を食べてから平成館へ。考古展示室をいくつか。
写真を見返したら、コーナー違うのに石製杵をいくつか撮ってた。なんか好きらしい…。暮らしの道具や装飾品を石で模造品作るの(祭祀用)、結構好きみたい。
あと、「須恵器の展開」で須恵器拝見するのが結構好きだったり。


東洋館は相変わらず5階から下っていく。
10室。
「朝鮮の陶磁」は基本的には全ての時代の陶磁を展示してあるのだが、一角が白磁特集。少し青みがかった白磁なんだけど、その色がとても綺麗。眼福。
「朝鮮の仏教美術」は瓦の文様が綺麗なデザインだなあと。
「花文軒丸瓦」「双鳥文軒丸瓦」「迦陵頻伽文軒丸瓦」辺り。


5室。
「中国 墳墓の世界」。普段なら(書き手好みの)地味な色合いか、三彩のどちらかなんだけど、「黄釉絞胎壺」はとても独特な褐色マーブル。「藍彩壺」は白地に青い釉薬が水飛沫のよう。
「中国の青銅器」は、剣形のもの(刀子とかも)が気になったり。


で、法隆寺宝物館に行った時には疲れてて。


そう、ようやく法隆寺宝物館のホテルオークラガーデンテラスが休止から復帰しまして。
コーヒー飲みたかったけど、うっかりケーキまでつけてしまった…。流石に盛り付け綺麗。


その後は法隆寺宝物館を回り、でもって黒田記念館も回ってこの日は終了。
ええ、東京国立博物館、フルコースでした。久々の達成感が。


そして次回に続いてしまったり(え)