時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み!―@国立公文書館

morina0321-2.hatenablog.com
6年振りだって。久々過ぎる。



大河ドラマのお陰で色々展覧会があるけれど、まあぶらりとするのも良いかと。
写真OK。


とはいえ、文字展示なのでなかなかとっつきにくい。
「1 和歌・漢詩に描かれた夢」ということで、古今和歌集後撰和歌集拾遺和歌集和漢朗詠集とまあ有名どころですな…。
ちなみに展示されているのはほぼ江戸時代の写本、大部分の旧蔵が紅葉山文庫。ええと、江戸城の文庫(=図書館、金沢文庫と同じ意味ですな)だそうで。普通に展示してるけど凄い本だよな、これって…。
恋愛に関係した夢関連の歌が多く、後は「旅行の際の夢」。なんか、そういうのもロマンなんだろうか。

「2 物語と随筆に描かれた「夢」」。
こちらは伊勢物語・大和物語・住吉物語枕草子更級日記(記載は「さらしなの日記」)。
大和物語は良く知らない、というか短編集なんだねこれ(伊勢物語形式)。
住吉物語は継子いじめが主題になってる、という知識はあった。
更級日記は夢でもっと仏道に励めと言われたけど放っておいた(というのを後年後悔している)という個人的にも存じ上げてる箇所。
で、枕草子


いやあの、本当にまさか、読んでる漫画の元ネタに、読んだすぐ後(確か翌日か翌々日)に出会うなんて思ってもいなかったんだよ…。6月に最終14巻が出るのですよね…としんみり。実はこれがあるから大河ドラマが微妙に拝見しづらいという話もあるのだけれど(ぼそ)

閑話休題
「3.「源氏物語」の「夢」」は源氏物語の各場面で出てくる夢の記載について。
「4.「源氏物語」研究の来た道」。こちらは後世の源氏物語の注釈書で、「3.」に出てきた内容の注釈が沢山出てくる。…「源氏物語」、こんなに研究されてきてるんだよなあ…。
で、研究者は大体男性なんだが、「花屋抄」(かおくしょう)は女性が作者、花屋(かおく)玉栄という方のもの。近衛稙家の娘になるそうで…って近衛家…。五摂家…。だよなあ、そのくらいのバックがないと女性で研究者とか無理だよね…。
「5.光源氏たちの「現実」」は、所謂平安時代の実際の生活の記載。
大鏡」「栄花物語」「御堂関白記」「小右記」等。
花山天皇の出家騒ぎとか花山法皇襲撃事件とかそういうポピュラー(?)なものもあるけれど、当時は疫病・地震地震の話は「御堂関白記」=藤原道長の日記で出てきていた)・洪水等の自然災害で、まあ、今より防ぐ手立てもないだろうし、大変ではあっただろうなあ…。
殺人事件や強盗なんかの記事もある。治安もねえ…。

あ、あと、それとは別に源氏物語の各帖のあらすじも出ていたり。
こうしてみると、光源氏、同時進行でどれだけ色々な女に手ぇ出してるんだよとは言いたくなる(こら)


なんだかんだで勉強にはなりますなあ…。

常設展示の方で「令和の書」も拝見して終了。


続く。