時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

東京国立博物館

どうして、2週連続で東京国立博物館に来ているのか。
…まあ、昼から別用事があって、その前にさらっと年間パスポートで来られたから、という理由もある。

まずは本館、先週と展示が変わったところ、そして見逃したところ。


1室。
「仏教の興隆」に、「古経貼交屏風」。これって…。
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大倉集古館で拝見したアレだ!(同じものかは確認とれなかったけど)こちらは写真も撮れるぞ。

3室。
ちょっと変わったものが展示されていた。「賢聖障子絵」。「げんじょうのしょうじ」と読むそうで。内裏に置く障子なのだけど、古代中国の賢聖が描かれている。
実は3室の一部に特集展示。
www.tnm.jp
儒教の美術」。確かに普段だと、どこに展示していいか分からないな…。
3室の展示は、江戸城にあった、住吉広行の作成した障子と、その模写か副本になるような紙に描かれたもの。先に紙の方を拝見して、色綺麗だなあとか思ってたんだが、障子本体の色の鮮やかさがとても良い。

一方、「宮廷の美術」も特集展示。
www.tnm.jp
藤原定家―『明月記』とその書―」。
「明月記」は定家が書いた日記だが…本当に独特な文字…。速記できるのが強みみたい。日記だものね。日記なのに凄い紙&凄い表装されるという。
なお、「窮屈」って文字が結構出てくるらしい。「窮屈」=現代語「疲れた」。わ、分かる…。

通常営業の「仏教の美術」と「禅と水墨画」もある。
「禅と水墨画」の伝・周文「雪景山水図」と、周文の弟子・岳翁蔵丘「山水図」、個人的に結構好みだった。余白の使い方が好みなのかな。

特別1室。

改めて「儒教の美術」。
釈奠(せきてん)器という、孔子を祭る儀式に使う道具が一式。
木の器に漆を塗って蒔絵を施している、いかにも日本で作成されてる感じだが、造られてるこの形…豆(トウ)にカにキに爵に…尊…!
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儒教なので中国文化の器の名前になるのですなあ…。

何故か3つずつ並べてあり(そういうセットなの?)爵がこう並んでると、何か歩き出しそう(え)


でもって尊。横長のも尊って言うのね。鴟キョウ(フクロウ)ではなく、牛と象。象は普通に象尊って書かれていたけど、牛は「犠尊」ってなってた。イケニエ扱い(ぼそ)
壺形の尊もあったけれど、それは雷神が彫られていて「雷尊」となってた。
でもって、軸装の絵がずらりと。狩野山雪「歴聖大儒像」。「歴聖大儒像」は儒教創始者孔子とその弟子達と、宋時代の儒教者と、古代中国の聖人が描かれている。
儒教創始者以降は結構簡素な衣装で描かれているけど(でも孔子は流石に衣装を豪華に描いてる)、個人的には古代中国の聖人が面白い。
伏義・神農・黄帝・尭(堯)帝・舜帝・禹帝・成湯・文王・武王・周公…!半分ひとじゃなさそうな方もいらっしゃる…!そして衣装も豪華。この辺はヲタ知識かもしれない。ただ、書き手は漫画「封神演義」は読んでないけど(むしろ封神演義の原本の訳本は読んでる)。
正直、儒教特集ってよく分からないかも、と思っていたが、意外と面白い展示だったなあ。

16室。
アイヌ」で見たことあったっけ?なのは、可愛い守袋とか、巾着とか。



あと、楽器的なものがまとめて出ていたので写真を。ムックリ(口で吹いて糸を振動させて鳴らす)、コザ笛、トンコリ(五弦の弦楽器)。
琉球」は奄美大島の紺木綿地花織衣装が、地味だけど好き。


東洋館へ。階上から。

10室。
「朝鮮の陶磁」がとても目の保養。全体的に好みなのが多い。
と思っていたら、「朝鮮時代の美術」にも大型の壺が出ていたり。初めて拝見したかも。片方の白い壺は雨漏ができていてより良い…。
「朝鮮の磨製石器と金属器」にも素朴な壺が出ていたので、そういう関連展示だったのかもしれない。
こんな簡単な書き方してるけど、写真の数が凄いことになってたりする(あ)

8室「中国の書画」、テーマが「水中の楽園」。
魚の絵がかなり多いのだが、これが意外と…いいぞ…?結構ユーモラスに描く方が多い。
周復「鱖魚図軸」はトゲトゲだし。鱖魚=ケツギョという名前の中国の魚で、白身で高級食材になってるらしい。
斉白石「魚図鑑」は色々な表情の魚たちだし、虚谷「遊魚図扇面」は草の中を泳ぐ魚、なのかな、これもざっくりと描かれてて面白いし。
高其佩の落款がある「芦蟹図軸」の蟹も可愛い。
永瑢「魚蔬図巻」は…魚…というか野菜の絵だし、徐渭「花卉雑画図巻」は完全に草花と野菜しか載ってないけど展示されていた。どちらも写生帖みたいな感じ。日本画でも多いので馴染み深いし、後者は前も拝見したけど、たらしこみ風で好きなんだよねえ。

5室。
「中国の染織」は「名物裂」。…日本で「名物裂」とされたものが嫌いなわけがない…。間道大好きだけど、今回は金襴多めかなあ。
「中国の陶磁」。ええと、今更気づいたけど。
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この時に安宅英一氏が「三種の神器」を強引にもらい受けた相手の古美術商、名前を廣田益繁、号を不孤斎というのだけど、東京国立博物館では広田松繁という名前表記で解説で何度も拝見してたよ…。
彼のコレクション(広田コレクション)、東京国立博物館に寄贈されてて、それこそ、こちらで何度も拝見している。気づくのが遅い…。今回も出ていた。

13室。
「アジアの染織」はインドネシアの染織。バティックを始め目の保養で楽しい。


東洋館を全部回ったところで、もうぼちぼちいいかな、というわけで。


つまり、ビールを飲みに行く有言実行。
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でもって別趣味に移動、というのがこの日の次のエントリ(記載はもっと前になるけれど。というか、そんなネタぶっこまれると思ってなかったし…)なお、そちらでも飲んでるとかそういうr