時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

特別展「柴田是真と能楽 江戸庶民の視座」@国立能楽堂 資料展示室

久々に千駄ヶ谷に来た。


千駄ヶ谷は別趣味で来ることが多い場所で、千駄ヶ谷と言うとやはり買いに行ってしまったモンマスティーでアイスミルクティー。一休み。
この日結構暑かったんだよね。


で、千駄ヶ谷で初めての場所へ。

国立能楽堂に来ることになるとは…。
入口から入った時に一瞬戸惑う。守衛さんに入場証をお借りして入る。入場無料。
前・中・後期制。
個人蔵の作品が非常に多く、どうやってお借りしてきたんだろう、無料の展覧会で…と思わなくもない。清水三年坂美術館からお借りしている作品もあったし。

資料展示室は1部屋分。
「柴田是真と能楽」「柴田是真の作品」「柴田是真と「國華」」の3章制。
で、粉本(絵の下書き)がぎっしり。粉本とはいえとても上手い…。


「柴田是真と能楽」は能に関係する品々であり、能に親しくないので分かるのか、と思ったのだが、「猩々」や「高砂」は分かる。今まで拝見していたものが無駄ではなかった…。
morina0321-2.hatenablog.com
morina0321-2.hatenablog.com
柴田是真が人間を描くのをあまり拝見したことはなかったけれど、とても端正に描かれる。


「柴田是真の作品」は能楽関連以外の絵画及び漆工。
絵画だと「円窓鍾馗鬼図」。山種美術館にも同じ題材であったけれど。
morina0321-2.hatenablog.com
こちらの「円窓鍾馗鬼図」は、鍾馗が円窓から右下を睨んでいる。その先には、逃げまどっている小鬼。これが本当に表情豊かでたまらない。
漆工は色々様々。
「秋草鹿蒔絵印籠」は、印籠に描かれている鹿がデフォルメで可愛いなあと思っていたら、根付の爪月と秋草(萩?)が滅茶苦茶細かい…!
一方、「籠秋草蒔絵印籠」は、根付に月と兎。
「貝尽蒔絵櫛」は、他の作品とは一線を画した、妙なデザインが描かれていて、なんというか…ポップな可愛さがあるというか。幅が広い…。
「漆絵青海波兎図」は金属板に漆で絵を描いているのだけど、この薄い板の上に、漆を少し盛ってる感じで青海波を描いておおおおっとなる。
「菊蒔絵盃」の木目を生かした塗りとか、「多色刷竹葉図団扇」は多色刷のはずなのに黒グラデーションのみで竹葉を描いてて非常に格好良かったりとか。
…こんなに拝見できていいのだろうか。


「柴田是真と「國華」」。
「國華」はこの辺りを参照。
morina0321-2.hatenablog.com
国立能楽堂所蔵の「國華」の展示と、能に関連した川崎千虎の作品…あ、川崎千虎は川崎小虎の祖父になるのか。
で、川崎千虎旧蔵の是真の作品が出ていた。ざっと描かれていた「山水図」、なかなか趣がある。


…濃かったなあ。いいのかなあ、無料で拝見できて。
中期や後期も、都合がつけば伺うかもしれない。


続く。