時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

【特別展】癒やしの日本美術@山種美術館

前の場所からは、徒歩。
ブルーノートを通り過ぎるんだが、店の前の大御所のポスターを拝見して「普通のアーティストは顔に落書きなんかしないんだよね」と思ったり(なにが)。



www.yamatane-museum.jp
なかなかタイミングが悪く、随分会期後半になってしまった。
ゆるい系日本画展覧会。


「第1章 江戸時代の「ゆるかわ」若冲・芦雪」。
ゆるい伊藤若冲、と、いつも結構ゆるい長沢芦雪である。
若冲はかわいい「お福図」と、一瞬鶏が上を向いてるのが理解できなかった「蜻蛉と鶏図」が気になった。
あ、展覧会ポスターの絵は若冲「伏見人形図」。これもゆるい…。
芦雪は、最近お正月が近かったからかもしれないが、「月見布袋図」と「七福神図」というおめでたい題が2点。前者はただゆるかわなんだけど、後者は細部がとてもしっかり描かれていておおっと。
で。

www.instagram.com
どうして芦雪「菊花子犬図」が写真OKなのか。これはもう、語彙消失レベルの可愛さ…。


「第2章 癒やしの風景・心地よい音」。
今回は2点びっくり。
柴田是真「墨林筆哥」、よく拝見するのはこちら。可愛くて大変好きなんだが。


が、今回は違う頁も出ていた。合計8頁。他頁も拝見したかったから大変嬉しい。
1つはこちら。
ええと、これ、虹も漆…なんだよね…?
日本画で虹を題材にする方はあまりいなくて、結構難しい題材でもあるんだけど、是真は…なんでこんな自然に虹描いてるの…?本当に意味が分からない。
文化遺産オンライン」で作品自体は拝見できるのだが、できれば期間中に頁替えして沢山見せて頂けるといいなあ…。
あと、千住博「光」は初めて拝見したと思う。滝じゃないし(そこ?)
平川敏夫「篁韻」もとても格好いい。雪積もる竹。
あと、小川芋銭「農村春の行事絵巻」が出ていて、こちらは芋銭らしい、ほっこりした絵なのだけど、特別に山口晃肖像画 小川芋銭」が出ていた。小川芋銭が、自らの描く河童に懐かれているという…。なんか雰囲気が凄くいいんだよねえ。


「第3章 かわいい動物・愛しい子ども・親しい人との時間」。
個人的には、今まで拝見したものも含めて、動物系かなあ。
竹内栖鳳「みゝづく」はよく拝見していて、いつもの通りに可愛いけれど、「艸影帖・色紙十二ヶ月のうち「達磨」」は初めてかも。これも可愛い。
平福百穂「千鳥」は鳥の毛の感じがとても素敵。
川崎小虎「仔鹿」は可愛いし、配置というか余白も素敵な感じ。
下田義寛「白暈」は羊の親子で、毛のもふっとした感じも良いのだが、背景が凄い幻想的で格好いい。夕暮れのような光に、枝を広げた大きな木。
あと、これは「親しい人」になるんだろうか。尾形月耕「美人花競 花やしき」が。山種美術館、尾形月耕お持ちでいらしたか!


「第4章 心が解き放たれる絵画」は第2室=照明を落とした部屋。
仏画的な絵がメイン。
なんだけど、個人的におおっとなったのは工藤甲人「示現」。
植物の絵…なんだと思う。でも、この幻想的というか、むしろ抽象画のような。仏画揃いの中にあっても不思議と違和感がない。凄く格好いい。
色が黄金メインなのもこの部屋にあうんだよなあ…。


山種美術館、まだまだ知らない絵画お持ちでいらっしゃるなあ…。
もう少し早く来れば良かったね…。



で、Instagramにも載せたけど、この日の和菓子inCafe椿。


小茂田青樹「愛児座像」(作品自体は第3章に)モティーフの「晴れ着姿」。
今回は和菓子自体のビジュアルで選んだ。美しい…。




続く。