時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

松岡コレクション めぐりあうものたち Vol.1@松岡美術館

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またもや後期展示のリピーター割引券を忘れた(遠い目)なんか、松岡美術館への来訪時、大概何かを忘れてきていませんか…?

気を取り直して、後期展示で大きく変わった「故きを温ねて」。
www.matsuoka-museum.jp

展示室5。まず、セクション「松と鶴」。前回孔雀多めで今回は鶴か…いやなんでもないです
西村五雲「老松遊鶴図」は鶴の表情が好き。松も綺麗。
円山応挙が2点。鶴の表情が好きなのは「猿鶴ノ図」で、松がとても綺麗なのは「老松日ノ出図」。
小林古径「丹頂」は、古径らしい真面目な絵。鶴の横で咲く梅が可愛らしい。
酒井抱一「相生松・尉姥」は謡曲高砂」(能にもあるね)モティーフだそうなのだが…なんだろうね、尉も姥もなんか素敵だし、間の相生松がとても美しい。

で、展示室5の床の間、前期は山元春挙「不老萬年図」の右隻が展示されていたけど、後期は左隻が展示されていた。
丁度、岩を描くのに凝っていた頃だったそうで、色合いがとても複雑で素敵。

セクション「日本の伝統・故事」。
西村昭二郎「雪の池」は、落ち着いた池の青がとても目に付く。西村昭二郎の絵を拝見したのは今回が初めてだけれど、ちょっと面白い色彩で絵を描く方なのかな。
川端玉章「養老瀑布図」はとても端正に描かれてて、個人的に好き。
鏑木清方「保名」。歌舞伎「保名」で、狂乱した安倍保名が自害した恋人の衣を抱いて原野を彷徨う絵、なのだが。…なんて綺麗なんだ…。役者絵になるんだろうけど、保名は狂乱というよりは沈痛の面持ちで。衣装もとても美しい。写真NGなのが残念だけれど、また機会があったらお目にかかりたい絵。
前田青邨「鎮西八郎」は隣の美しい絵と違って、なんだか凄い表情がユーモラス。
で、展覧室5の最後の絵、小堀鞆音「忠臣楠公父子図」「孝子小松内府図」。
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先日こちらで拝見したばかりだけれど、小堀鞆音、なかなか素敵な絵。今回は割と群像な感じなのだけど、とても丁寧な大和絵


展示室6へ。
まずは「のぞきケース」となってるガラスケースの「絵師流書」、前期は狩野探幽だったのだけど、後期は狩野洞雲(益信。一時期は探幽の養子で、探幽に実子ができて別家になったそうで)。端正に描いてて悪くないなあ。

「人物を描く」セクション。
というか、下村観山の描くおじさん祭りみたいな(言い方)5点も並んでいる。
個人的に思っているのだけど、下村観山は女性を描くより、中年から老年の男性を描いた方が、凄く味があっていいんだよね。なんだろう。なので撮りまくってしまった。
おじさんとかつい書いてしまったけど、題材は「臨済」「達磨」「一休禅師」に「隠士」2点と、徳の高い方々ばかりである。

「和歌の世界」セクション。
清原雪信「伊勢」と、久隅守景「業平」「定家」。
いずれも和歌の名手が詠んだ歌に合わせた情景を描いているのだけれど。
…いや、その前に、何も解説なくていいのかしら。親娘で並べてるんですよね…?
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ただ、画風はちょっと異なる。
清原雪信は本当に端正で綺麗な人物を描く。
久隅守景は、ちょっと独特な人物画。どちらかといえばゆるい。ほっこりするけどね。東京国立博物館で拝見した作品ではちょっと画風が違うので、時代が違うのかも。
どちらも個人的には好き。


なお、次回は西洋絵画展を実施するそうで。
ううむ、それはそれで拝見してみたい…。


眼福でした。


あ、そうだ。

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松岡美術館、いつも綺麗に花手水を飾っておられる。
前回載せ忘れたので、前回分と一緒に。


続く。