時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

館蔵 近代の日本画展@五島美術館


前回もなかなかいい感じだった五島美術館、今回もこんにちは。
morina0321-2.hatenablog.com
というか前回と一緒のタイトルなんだな…。

展示室1が今回のメイン、「近代の日本画」。
あ、ちなみに部屋の真ん中のガラスケースでは「文房具-硯・墨 宇野雪村コレクション」。これも前回と一緒だなあ。
まずは部屋を囲むガラスケースから。どちらかというと大型作品が多い。
最初の展示が荒木寛畝「寿老図」。荒木寛畝って人物画も描くんだ。描かれている寿老人はなかなか素敵。
でもって下村観山のおじさん絵が並ぶ(おじさん絵言うな)。「臨済」、強い目と太い首の描き方が凄い格好いい。
寺崎広業は「寒山拾得」も描いていたけれど、「夏のひととき」が。いやあ、寺崎広業は美女を描かないと(え)。花も色とりどりで美しい。
川合玉堂「焚火」は山水画の情景の中で、三人が小さく焚火を囲っていて、なんだか抒情的。
吉川霊華聖徳太子像」もとても色が綺麗。
伊藤小坡「虫売」この題材好きだなあ小坡…。
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でもこちらも素敵。虫を売る女性の薄く透ける上着がなんとも綺麗。
鏑木清方「雪」は傘の薄い赤と、女性の頬の色の血色がなんともいえず、「紅葉を焚く」は風流を具現化したような絵。女性がまた艶っぽくてねえ…。
菊池契月「光明皇后御影」は簡素に描いているのに、なんでこんなに気品が出ているのだろう…。「古田織部像」は余裕のある茶人的な感じがよく出ている。
冨田溪仙「喜雨亭」は溪仙らしいほっこりした二人連れの表情。
小山栄達「衣川合戦」。小山栄達を存じ上げなかったが、とても綺麗な騎乗姿の武士だなあ、と思ったら、小堀鞆音の弟子なのだそうで。成程…。馬の後ろ脚の筋肉の描き方が凄い。
松岡映丘「朧春」は簡素だけれど、着色が凄く綺麗。淡い色の花のアクセントがなんとも。
安田靫彦はいくつか出ていたけれど、「鎌倉右大臣」の気品はいいな。
前田青邨「粧い」は、戦の前に男性が髪を染めている絵。首をとられた時に老いた人間だと思われたくないから、という…。凄い理由…。鎧の色彩が地味な色だけど、なんともいえず素敵。
川端龍子「武将拝朝図」は、鎧の色彩が鮮やかでとても格好いい武将と、その武将が騎乗する白馬がこれまた格好いい。イケ馬である。目がいいんだよねえ…。
梥本一洋「大日如来尊像」。色が独特で綺麗。山元春挙の弟子にあたるそうで。
太田聴雨「梅」は描かれている男女の衣服の色が綺麗。お名前分からないかな、と思ったんだけど、調べたら東京国立近代美術館所蔵「星を見る女性」の!望遠鏡を覗いている何人かの女性、という構図が珍しくて覚えてるよ。

一方、中央のガラスケースも「文房具-硯・墨 宇野雪村コレクション」だけでなく絵画もあった。
竹内栖鳳「獅子舞」は二人がかりで1つの獅子舞。小品だけど可愛いなあ…。
小川芋銭「慈悲薬玉」は河童と狐かな。可愛い。
上村松園月下美人」「上臈の図」がガラスケース…こんな間近で拝見できていいのか…。前者は着物の柄が少し面白く、後者は古代美女。

素晴らしいコレクションをお持ちだなあ…。目の保養。


で、展示室2は「棟方志功とゆかりの人々」。
棟方志功中心の小展示なんだが…。
…うん、ゆかりなのは分かる。とても分かるけど、入口に濱田庄司河井寛次郎の美しい陶器がどどどんと。
それは反則…。
濱田庄司は掛分釉といって、白と黒の釉薬をかけていて、さらに指描といって模様をつけているのだが、なんでこんなに格好いいのだろう…。柿釉の器も素敵。
河井寛次郎は白釉でとても気品高く。


まさかおまけでも眼福できるとは。ありがとうございました。