時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

Seed 山種美術館 日本画アワード2024 ―未来をになう日本画新世代―

前の場所からは当然歩いて。

www.yamatane-museum.jp
「Seed 山種美術館 日本画アワード」は以前こちらで記載した。
morina0321-2.hatenablog.com
今回は2024年度の入選作品を展示する展覧会。「今の」日本画である。
展覧会会期が2週間しかなく、この日拝見できて何よりであった。
なお、今回は入選作品は全て写真OK。スマホカメラが捗る(山種美術館で許可されているカメラはスマホガラケーのみ)。

www.instagram.com
Instagramは1投稿10毎までなので、なんとなく上手く写ったっぽいものをUp。


池上真紀「せい」はかなり幻想的。池に浮かぶ女性の姿。一瞬入水かと思ったけど(こら)、思い起こしているのかなあとは。植物の描き方が繊細。
岩井晴香「夕さり」も幻想的。霧の中の森。
小山内愛美「大野原のフロンティア」(Instagram1枚目)。あまり日本画っぽくない明確さかもしれない。
清水航「飛沫」(Instagram2枚目)。白熊の毛の感じも、水飛沫もいい描き方。水の色も綺麗。
杉山愉岳「彼は誰時」。地平線に落ちかけている夕陽のほの明るさと暗さ。
武井地子「in white #314」(Instagram3枚目)。抽象画…でいいのかな。雪の中の朽ちた木にも見えるけれど。いずれにしても格好いい。
田澤苑実「花後」。花の咲いた後、霧の中で少し立ち枯れた感じかなあ。まあ、こういう淡い色好きなんでしょうな、書き手。
大村美玲「参星」(Instagram4枚目)。今回、奨励賞受賞。提灯に柔らかく照らされて、夜に解けるような舞妓さん達。なんとも良い雰囲気。
川村香月「宵桜」(Instagram5枚目)。今回、奨励賞受賞。筆致が日本画っぽくない。こんな風に描けるんだ…。とても綺麗。実は今回、一部の作品は製作段階の資料も出ていたのだけど(こちらは写真NG)、こちらの習作が出ていた。習作は「絵」ではあったのだけど、どうやってこうなったんだ…。
重政周平「素心蠟梅」(Instagram6枚目)。今回、優秀賞受賞。蠟梅、なんだよね…。雪みたいだなあ…。木も青を使用してて独特。
小針あすか「珊瑚の風」。今回、奨励賞受賞。猫の毛並み素敵だなあ。
仲村うてな「朱」(Instagram7枚目)。今回、奨励賞受賞。タイトルが朱、だけど、一応黄色に紅葉している銀杏、なのかな。割と葉をざっくり描いているので、いまいち銀杏かどうかが不明なのだが。そう、ざっくり葉を描いているけれど、全体として綺麗に描いている感じ。
陳英千「息」(Instagram8枚目)。何人か中国の方が入選されていた。経歴だけ拝見していると、この方は中国画というジャンルをずっと勉強されている方なんだけど。右上に光る滝、その下に滲んだ夜の森、そして浮かぶ三重の塔、という、なかなか幻想的。
福島恒久「歳寒三友図」。「歳寒三友」=松竹梅。おめでたい古典的な図柄、なのだが。梅の樹の妙なごつさ、金属的な光沢の竹、そして随所に散らされる截金、真ん中に1本線。屏風を一枚絵にしているみたい。面白いなあ。


人気投票1位だったそうな。山種美術館に来訪する方々だものなあ…一番馴染むよなあ…。
桝谷友子「8月9日」。日本画日本画なのか…。現代アートっぽいけど岩絵具使ってるので日本画。日付的に何か意味があるのか、と思って確認したら、心象風景を描いていて、描いた日付が入っているシリーズみたい。
山田雅哉「Angel-2023」(Instagram9枚目)。抽象画。油彩だとありそうだけど、日本画では珍しいよね。油彩みたいに厚塗りっぽいことしてる…?


さて、照明を落とした第2展示室は「巨匠の青年時代」。
だいたい40より前ぐらいの作品かな。ただ、今回出ていた速水御舟は40過ぎで亡くなってしまうので、32歳で描いた「昆虫二題 葉蔭魔手・粧蛾舞戯」を出されても、あまり若い頃という感じもしないが。それでも30そこそこでこれは凄いのか…。
で、同じく32歳で描いているのが、村上華岳「裸婦図」。これ、32で描いたの?凄いな…。独特すぎるだろう…。



なかなか興味深い。現代の絵も折に触れて拝見しておきたいなあ。


終了後はCafe椿にて和菓子タイム。


今回は展示している作品モティーフではなく、以前に人気だった和菓子を販売している。
「葉のしずく」なんだけど、しずくがちょっと消えちゃってるかも…。
葉の色が綺麗だし美味しいけども。