時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

東北へのまなざし1930-1945@東京ステーションギャラリー


このポスターのゆるさが好き。この帽子メガネ、ブルーノ・タウトかなあ…。

1930年以降の東北の話。
1930年頃…というと…ああ…となったので、こんにちは。


「1 ブルーノ・タウトの東北「探検」」。
ブルーノ・タウトというとこちらの展覧会かな。
morina0321-2.hatenablog.com
それこそ、この時の展覧会で出ていたものもあったんじゃないかな。他にも著作も沢山展示。
で、今回のメインは「秋田の旅」。秋田の版画家・勝平得之に案内されていて、勝平得之の作品もタウトから世界に紹介されることになったりもする。
ちなみにこの時は上野伊三郎と一緒…先日奥様の展覧会やってましたなあ。
で、その時に発見した東北の道具がずらっと飾られていた。箱ぞりとか(これに勝平得之が入ってて「ひろってください」とか言いたくなるような感じに(え))。
個人的に気になるのは、ゲラ。ミノゲラとかササゲラとかあるんだけど、雨避けに被る被り物(蓑でもいい気がする)。デザインが素敵なんだよねえ…。
あと、祝儀棒(ぼんでんこ、と振ってあったけど横手での言い方っぽいな)がとてもカラフルで印象に残った。


「2 柳宗悦の東北美学」。
はい民藝でございます。
morina0321-2.hatenablog.com
東北との関わりは先日の展覧会でもありましたね。
というわけで、その時に拝見したこぎん刺しも背中当(ばんどり)も伊達ゲラもありましたとも。
まあ、柳宗悦の収集物だし(所蔵もほぼ日本民藝館)、デザインが個人的好みなのは仕方ない。


「3 郷土玩具の王国」。
東北の郷土玩具です。
…いきなりこけしが並んでて、ちょっと怖い(あ)
三春人形もあるよ。これも前述の展覧会に出てたね。


「4 「雪調」ユートピア」。
東北の太平洋戦争直前から戦中ぐらい。
この辺りは前述の展覧会でも出ていたけれど、東北はこの時期経済的に苦しくて(飢饉も重なっていたそうで…)、柳宗悦が東北に農業以外の殖産ができるように(要は工芸で)働きかけてた頃。
ここは調査資料等の文献とか、後は今和次郎が農村家屋の改善を頑張っていて、その辺の建築資料とかが多い。これは…展示形式だとなかなかわかりづらい…。
その中でも、東北で作られてる工芸品(椅子)が出ていたり、この頃に商工省の装飾美術顧問で招かれたシャルロット・ペリアンがデザインした寝台とか、その敷物とかも出ていた。
…へえ、シャルロット・ペリアンって、ジャン・プルーヴェと協働したりしてたんだね。関連展覧会、開催中ですな…(ぼそ)


「5 今和次郎・今純三の東北考現学」。
今和次郎が続く。となると、建築資料が続く…。難しい…。
考現学」は考古学の対になるような造語。今目の前にあるものから色々考えていく学問なんだね。
で、今純三は和次郎の弟で、銅版画家。
兄の関係もあって、東北の当時の風景のエッチングを残しておられた。


「6 吉井忠の山村報告記」。
吉井忠は画家。東北の人々や風景を沢山描いていらっしゃる。
印象に残ったのは「鋤踏み」。女性が農作業をしている姿の力強さが。


個人的には4とか5とかは本でじっくり読んでいきたい気もするなあ、となった。
この日伺った展覧会で、実は一番ひとが入っていたのがこの展覧会なんだけど、結構渋好みだし勉強する感じの展覧会な気がするなあ。


で、入場チケット割引を使いました。はい、単に飲みたいだけです。


割引より飲んだくれてるのではという話はr