時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

コートールド美術館展 魅惑の印象派@東京都美術館

まず真っ先に向かったのは東京都美術館のカフェ・アートだった。お腹空いてたんだ…。
www.seiyoken.co.jp
東京都美術館のレストランもカフェも上野精養軒の系列なので、ド定番のハヤシライスを頂く。
その前の東京藝術大学美術館にもミュージアムカフェはあるんだが、オークラ系列で少々お高め感があり。


で、腹ごしらえをしてから、本題。
www.tobikan.jp
まず、お目当てが今回の展覧会のメインビジュアルになっておる。

マネ「フォリー=ベルジェールのバー」。実は大塚国際美術館でレプリカを拝見している。そのくらい有名な絵。
morina0321-2.hatenablog.com
実物見たいなあ、と思っていたら、本当に来るとは。ただ、こんな有名な絵が来るから、土日は混雑するかも…と恐る恐る顔を出したら、チケット売り場に大した列がなかったので、行っちゃえ!となった。実際、会期の最初の方だったせいか、酷い混雑はしてなかった。東京都美術館の展覧会は混むイメージが強いんだけどね。
なお、下記の半券でちょこっとだけ割引してもらった。
morina0321-2.hatenablog.com
ちなみに当日、こちらの展覧会も開催中で、実は敬老の日でこちらは65歳以上は無料の日。それもあって混雑が怖かったんだけど、そんなこともなく。

コートールド美術館はロンドンの美術館。実業家のコート―ルド氏のコレクションが核になってる。最近、コレクション系の展覧会多いねえ、と思いながら入室。
絵は展覧会のtwitterが凄い頑張って全作品をアップしていたので、そちらを貼りながら。

第1章「画家の言葉から読み解く」
展覧会の最初の絵がホイッスラー「少女と桜」なのだが、不思議な雰囲気。


と思ったら、モネ「アンティーブ」と「花瓶」がぽんぽーん、と。

モネの絵は色々見ていて、個人的には好みによって、という感じなんだけど、この2点はとても美しい…!いきなりこんな素敵な絵が2つ来るとは…。
で、いきなり始まるセザンヌ特集。この展覧会、急に小特集があったりするので不思議な構成。セザンヌは個人的にあまり好みでないので、割とスルー気味。
あと、セザンヌはかなり色々言葉を残している。「自然を円筒形と球形と円錐形によって扱いなさい」の言葉は書き手も存じ上げていたのだが、この言葉が出てくる元の手紙も展示されてたりする。

第2章「時代背景から読み解く」。
まずは人々がレジャーを求める姿と、絵のここかしこに見える工場。
ブータン「ドーヴィル」ブータンまでお持ちか…!


マネ「アルジャントゥイユのセーヌ河岸」
モネ「秋の効果、アルジャントゥイユ」。いやもう今回出てるモネの絵がいいの多すぎ。
個人的な推し画家(え)、シスレーセーヌ川の船」。実物の戸外の光の当たり方とか、いいよ。
もう一つシスレー「雪、ルーヴシエンヌにて」
ピサロラファイエット広場、ルーアン」。個人的にピサロも結構好き。
鉄道も出るよ、ピサロ「ロードシップ・レーン駅、ダリッジ」
…いやあの…この並びちょっとずるくないか(あ)
そう思っていたら、今度はいきなり始まったルノワール特集。「春、シャトゥー」の光の当たり方の表現が凄い…!
でもって、今回目玉の一つ「桟敷席」
この絵の書かれている背景(劇場の桟敷席の風刺画とか)も周囲にあって、とても勉強になる感じ。ただ、個人的に「桟敷席」の女性は、美人だけど肌が(恐らく白粉の表現なんだろうけど)不健康な感じ。ルノワールは血色が良くて健康的な肌の具合を描かせたら本当に素敵なので、そういう意味ではこの絵は、表現としては正しいけど、ちょっと勿体ない感じがしてしまう。
アンブロワーズ・ヴォラールの肖像」は中年男性だけど、肌の色が生き生きしていいものね。
で、この「桟敷席」から、当時の都市生活の絵に展開していく。
ドガ「舞台上の二人の踊り子」の光の当たり方が素敵。
そしていきなり出てきたドガのブロンズ。彫像も造ったりしてたんだ…。
で、あとはロートレック…は…なんかこう、不健康さがグロテスク。で、マネ「草上の昼食」(オルセー美術館の超有名な絵「草上の昼食」の習作っぽいらしい)を置いた後に、マネ「フォリー=ベルジェールのバー」。個人的にはバーテンの女性のタルそうな接客表情が好きな絵なんだが(え)、こちらも細かく解説があり、勉強にもなるし面白い。

第3章「素材・技法から読み解く」。コート―ルド美術館は美術研究所でもあるそうで。
ドガ「窓辺の女」。精油で絵の具を溶かしてテンペラっぽくして描いてる。これ本当に工夫して描こうとしたんだろうなあ、と。ドガの絵は踊り子とか馬が有名だけど、個人的にはそれ以外の絵の方におお、と思うことがある。


スーラ「クールブヴォワの橋」。スーラが一番最初に描いた点描技法の絵らしいのだが、個人的に結構いいなあと思った。
で、それを描くための試行錯誤の絵がかなり好き。
後はボナールとかヴュイヤールとか、ナビ派がちょこちょこ出てきたり、モディリアーニがあったり。
そして最後の小特集はゴーガン。個人的にはあまり嵌らない感じではある…。
で、最後は彫像。ロダンと、1つだけドガドガは割と結構難しいポーズの彫像が多いぞ…。

作品数はそんなに多くないけれど、いい絵が多くて、本当にこれが混雑してないのが奇跡的なレベルだった。これから混むかもしれないなあ…。