時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス@Bunkamura ザ・ミュージアム

www.bunkamura.co.jp

実は最初は松涛美術館に行こうかと思っていたんだけど、流石の最終日、とっくにチケット予約分終了。
けど、同じ渋谷ならもう1つ拝見したい展覧会があるなあ、チケットとれるかなあ…あ、あった。
というわけで朝からこんにちは。


ポーラ美術館が箱根にあるのは存じ上げているし、素敵な絵をお持ちなのも理解してはいるけれど、いまだ未踏。
なので渋谷に来てくれるのは大変助かる。書き手は渋谷苦手だけど…。


第1章「都市と自然-モネ、ルノワール印象派」。
個人的にいきなりメインが来た感じなんだけど(あ)印象派の皆様、と言いながら一番最初はバルビゾン派、コロー「森の中の少女」。いかにもコローの描く森!牛が可愛い!少女の服装も可愛い!
そしてそのまま惜しげもなく、モネとルノワールがずらっと。個人的には、モネは「花咲く堤、アルジャントゥイユ」(沢山咲くダリアが美しい色彩だった)と「散歩」(散歩してる女性(モネの妻のカミーユさんがモデル)がかなりぼやけた描き方なんだけど、それが良くて)ルノワールは「レースの帽子の少女」(今回の展覧会の宣伝で使われてる絵)が一番好きかな。
で、続くのがピサロ3点、そしてシスレー3点。書き手へのサービスが過ぎる…。
ピサロは3点それぞれ違う形。「エヌリー街道の眺め」は鄙びた街道に緑の重なりが美しいし、「エラニー村の入口」はいかにも長閑な村の雰囲気がいいし、「エラニーの花咲く梨の木、朝」は丁度点描画法を取り入れていた頃で、点描で描く花が美しい。
シスレーは、珍しく列車を描いてる「セーヴルの跨線橋」、シスレーらしい自然を描いた「サン=マメスのロワン河」「ロワン河畔、朝」。


第2章「日常の輝き-セザンヌゴッホとポスト印象派」。
セザンヌゴッホ・ゴーガン・ボナール…等。
あまり得意じゃない辺りだけど、ゴーガン「白いテーブルクロス」は好き。ゴーガン、静物画が結構好きなんだよね…。
あとは新印象派。要は点描画法が中心の方々。今回はシニャック、アンリ・エドモン・クロス、イポリート・プティジャンが。
で、今回初めてお名前を拝見したピエール・ラプラード。情報が少ない…どこにあるのかしら、と思ったらポーラ美術館で検索できたりした。
www.polamuseum.or.jp
「バラをもつ婦人」。なんともいえない雰囲気で素敵だった。ボナールと親しいのか…(ナビ派にはならないみたい)。絵柄的にどの当たりに位置するのかがさっぱり分からなかったよ…。


第3章「新しさを求めて-マティスピカソと20世紀の画家たち」。
マティスヴラマンクデュフィ、ブラック、ピカソ等。
この展覧会の出口の撮影スポットの絵はデュフィ「パリ」。この辺は…あまり得意ではないのが…。
マティス「紫のハーモニー」の女性の顔が凄い簡素でおおっとなったりしたかな。妙に可愛いんだけど。
あと、当時のポスターが参考展示で飾られてた。ジャン・ガブリエル・ドメルグ(「ドマーグ」という表記をすることが多いみたいだけど、展示では「ドメルグ」)「楕円形の鏡 ベールのイヴニング・ドレス」がなかなか素敵で。


第4章「芸術の都-ユトリロシャガールとエコール・ド・パリ」。
モディリアーニ、スーティン、ユトリロ、パスキン、ローランサン、ドンゲン、キスリング、シャガール
まず気になったのがパスキン「果物をもつ少女」。この作品もそうだけど、パスキンの少女の顔、なんというか凄く独特な表情をしている。非常に印象に残る。
それからユトリロ「シャップ通り」。空はどんより曇っているけれど、街並み綺麗だなあ…。
で、一番印象に残るのがローランサン。いかにもローランサンな絵なのだけど、「女優たち」「黄色いスカーフ」「風景のなかの二人の女」、なんとも雰囲気が独特で。


絵の展示はここまでなのだけど。
実は全てのセクションで、それぞれ数点、化粧道具が展示されていた。そうだよね、ポーラ美術館だもの、化粧道具コレクションしてるよね。
第1章では銀製化粧セットと、香水瓶3点。3点のうち2点はエミール・ガレ。ガレの作品は流石に格好いいデザインで。
第2章はガラスの化粧セット(緑色がかってて綺麗)と、「蛇文香水瓶」。蛇文香水瓶、蛇の曲線を綺麗に飾りとして使ってて、とても素敵。
第3章は手鏡。「紫エナメル男女図彩画手鏡」の紫色が綺麗だったり、「梅文様金彩エナメル銀製手鏡」は梅の花が金、枝が黒、背景が暗い青でなんともデザインが素敵。少しジャポニズム影響あるんだろうか。
第4章はガラス化粧セットに七宝を使ったコンパクトケース、そしてラリックの香水瓶2つ。ラリックはいかにもアール・デコで好きだなあ…。


絵は個人的には第1章がハイライトになってしまったけど、化粧道具も拝見できたし、目の保養。


続く。