時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

物語る絵画@根津美術館

ええと、この日のメインは明らかに次なんだけども。
何度か言及した気がするが、根津美術館と次の会場、徒歩2分程度の距離感。
展覧会の内容を拝見し、ではちょっと寄りましょうかね、と。

展示室1・2がメイン展覧会。

渋い展覧会が多い根津美術館の中ではとっつきやすそうな展覧会かなあ、と思いながら。

まず「神仏と高僧のものがたり」。
神仏だと釈迦だったり、神社の縁起だったり。
「仏涅槃図」は表情がとにかく豊かだったり、「絵過去現在因果経」は釈迦の所業の物語なのだけど、小さいけれど絵が1つ1つきちんと細かく描かれている。
高僧だと弘法大師だったり、蝉丸縁起なんかもあったり。あとは聖徳太子
「高野大師行状図画」は、弘法大師が両手両足、でもって口に同時に筆を持って&咥えて字を書いていた。…芸人…(こら)

「源氏絵と平家絵」。
源氏絵が多め。特筆は伝・土佐光起「源氏物語画帖」。絵が…絵が本当に繊細で美しい…。美しい大和絵…。眼福…。詞書も入っているのだけど、その紙がとても豪華すぎて。個人的にはこれだけでも、展覧会に満足。
一方、平家絵は「平家物語画帖」。こちらは扇面に描かれていて、これも美しい…。

「御伽草紙と能・幸若舞の絵画」。
幸若舞室町時代に成立した民俗芸能。舞の本が展示されていたから、みたい。
御伽草紙として出ていたのが、住吉弘尚「酒呑童子絵巻」の巻第三。酒呑童子というと「大江山」の筋しか存じ上げなかったのだけど、これは酒呑童子の生い立ちの話の1つ。
元々酒呑童子は優れた学僧だったのだけど酒が大好きで、内裏の風流踊が催される時に鬼の面を全部用意して、風流踊は首尾よく終わったのだけど、その後酒で歓待されて周囲がヒくほど大酒喰らってる…という。
不勉強で存じ上げなかった筋だった。興味深いし、絵は色が綺麗で(お名前からして、住吉派の絵師だしね)。
能だと「祇王卒塔婆小町図屏風」が。「祇王」「卒塔婆小町」はそれぞれ能の演目(祇王は「平家物語」でも出てくるけど)。風景の描き方が個人的に好きだった。「祇王」は美しい女性の後ろ姿も描かれていたけれど。


ここまで回って15時ぐらいだったので、NEZU Cafeで一休み。
店内結構混雑してたなあ。土曜だったしね。


2種類のパウンドケーキと、アイスティー
アイスティーは以前頂いて美味しかったのは存じ上げていたのだけど、パウンドケーキがこれまた美味しい…。


後はテーマ展示。

展示室3「仏教美術の魅力-中国・朝鮮の小金銅仏-」。
「五尊仏像」、一枚の金属から打ち出しで仏の形を作られてた。こんなのあるんだ…。

展示室4「古代中国の青銅器」。まあ、青銅器サミットの美術館だしね(あ)
morina0321-2.hatenablog.com
可愛い形のが多いので眼福(青銅器を可愛いと思ってしまうようになってしまった…)。

展示室5「物語で楽しむ能面」。これは今回の「物語る絵画」関連かもしれない。
能面と衣装と小道具と。
鳳凰天冠」は現代のものだけど、まあ豪華で綺麗だった。
「小面 銘「楢野」」が美人だったり、「萬媚」が怪しげな美女だったり。

展示室6「盛夏の茶事」。茶道具ずらり。
どれも素敵だけれど、「青磁透彫二階香炉」の青磁の色が綺麗。龍泉窯だものね。


ゆっくり回って目の保養。