時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

新潟旅行(観光編)

別趣味なんだけど、初日は頑張って旅行してみた(3日目も旅行予定だったけど、疲労と帰りが心配だったのでできず)。

旅行手段

新潟市観光循環バスの1日乗車券使用。1日500円。バス1回乗車で210円なので、3回乗ると元がとれるのと、施設の入場料割引もあるよ。
www.city.niigata.lg.jp
割と観光したい場所が離れているので、バスかレンタサイクルがお勧め。レンタサイクルの方が時間を節約できるメリットはある。ただ…ちょっと高低差がある道もあるので注意は必要。まあ、書き手が行った日はちょっと自転車移動には向かないぐらい暑くて、ですな…。
バスのルートが一方向しかない(直前には右回りと左回りがあったんだが)のだが、その分増便して30分に一本ぐらいある。展示物見て回るにはいい間隔じゃないかなあ。護国神社から水族館前を通って西大畑坂上に行く間に見える車窓からの海は、結構素敵。
ちなみに新潟市観光循環バスはラッピングバスがあって、犬夜叉のラッピングバスに2回ぐらい乗ったりした(高橋留美子新潟市出身。新潟市は漫画とかアニメに理解の深い土地でもあるし)。

新潟県政記念館

niigata-bs.sakura.ne.jp

白山公園前下車。
なんだこの書き手好みの建物は。
新潟県議会旧議事堂。議事堂なので広くてとても立派な議場もあるし、勿論内装はどこもかしこも洋風。新潟県の大工棟梁だった星野総四郎が設計。設計手法は新橋駅や大阪駅の建築で学んでいるらしい、って、新橋駅って今の鉄道歴史展示室か(今の建物は再現だけども)。
簡単に試せる「鳴り天井」なんかも楽しめる。日光東照宮の薬師堂の鳴き竜と原理は一緒のはず。そして鳴き竜のことを書いていない拙ブログよ。
morina0321-2.hatenablog.com
入場無料(入り口でどこから来たかだけ書いてほしいと言われた)。いいのか入場無料で…。

砂丘

www.sakyukan.jp
西大畑坂上下車。
日本銀行新潟支店長役宅。玄関はこじんまりしてるんだけど、奥行きがあって非常に広い御宅。基本は日本家屋だけど、洋室もある(応接室が洋室で、実は喫茶スペースでお茶もできるよ)。日本家屋には素敵な床の間もあり、欄間もあり、美しく装飾された天袋の襖あり。
蔵もある。蔵は災害に遭った時に、銀行の代行業務ができるように建てたそうな。今はギャラリーになっていて、展覧会等で使用。書き手が行った時は「潟の記憶」展が開催中。
www.sakyukan.jp
で、この展覧会、ギャラリー中心に作品展示をしているんだけれど、日本家屋の方にもうまく溶け込むように展示されてて、それが素敵でね。石山与五栄門の写真が素敵なの多くて良かったなー。
入場無料。…少しお金とっても罰は当たらない気がするが…。喫茶スペースでお茶しても良かったかも。

旧齋藤家別邸

saitouke.jp
バスなら「北方文化博物館新潟分館前」下車。書き手は前の場所から散歩がてら徒歩で。
新潟の三大財閥で、議員&豪商の齋藤喜十郎氏の別荘。庭園も本当に美しく造り(国の名勝指定)、日本家屋の中にも随所に、木の戸に美しい花鳥画描かせてたり、欄間凝りまくってたり、天袋の襖に金銀砂子装飾だったり、違い棚の棚と棚の違ってる部分の板に彫刻施してみたり、主屋一階や二階から庭を観るのに極力柱使わないで邪魔にならないようにしていたり、書院の机の前の障子から庭を見るのに明らかに掛軸風に庭見えるような開け方できるようにしてるでしょ!的な造りだったり。屋敷の主の趣味と気配り全開の建物。
一階の広間で庭を眺めながらお茶、もできるので、本当にやればよかった…と後悔している。
有料。1日乗車券での割引ありだけど、今回は使ってない(理由は後述)。

北方文化博物館新潟分館

hoppou-bunka.com
バスなら「北方文化博物館新潟分館前」下車、というかバス停目の前。旧齋藤家別邸とは目と鼻の先。
北方文化博物館は新潟市内だけど新潟駅付近からはだいぶ離れた場所にあるのだが、その建物を本宅にしていた大地主伊藤家が、別邸として購入したのが新潟分館。日本家屋と洋館があって、そのうち洋館の方に、第二次世界大戦直後に歌人・美術史家・書家の會津八一が借り住まいをして亡くなるまで滞在していたそうで。
割と小ぶりな建物だが、庭から見ると日本家屋と洋館が並んで見える、という不思議な感じ。
洋館の方は資料館になっているので落ち着けないけど、日本家屋の方でのんびり庭を見るのもいいかな。旧齋藤家別邸まで気合いを入れてる庭や家屋ではないけれど、欄間とか襖の絵はいいね。掛け軸とかは(由来が由来なので)會津八一の書で統一しているけど。
ここも有料。1日乗車券での割引あり、だけど使ってない。実は旧齋藤家別邸と北方文化博物館新潟分館の共通券があり、こちらを買うと、それぞれ割引してもらうより少しだけ安かったりする。

西大畑界隈

西大畑は元々海から運ばれる砂が砂丘になっていたところで(だから上述の建物は「砂丘館」)、元々は監獄があって(今の新潟市美術館の場所にあった。新潟刑務所になって、その後移転)、明治時代になってから学校やらお屋敷やらを建てて、そのままの雰囲気が残っている界隈らしい。
なので坂が多い。もしかしたらレンタサイクルでも少々きついかも。
西大畑にあった旧制新潟高校の寄宿舎から坂を下ると、古町(花街で有名)に出るので、そこに行って遊んでばっかりいると落第する(ドイツ語で「ドッペル」)から、西大畑から下る1つの坂が「どっぺり坂」って名前になってたりするのが楽しい(あ)
美しいカトリック新潟教会と、赤い鳥居が遠目から印象的な御林稲荷神社と、鬱蒼とした新潟大神宮が近所にあるのも面白いなあ。
そうそう、旧齋藤家別邸辺りは白壁通りと行って、旧齋藤家別邸みたいな高級住宅と、行形亭(いきなりや)という高級老舗料亭があるんだけど、そこの道と新潟刑務所へ向かう道が繋がっていて、そこは「地獄極楽小路」というなかなかな名前がついていたりする。

新潟市歴史博物館みなとぴあ

www.nchm.jp
「歴史博物館前」下車。
結構敷地内が広い。更に目を惹く建物がどどんどん。
そして信濃川が目の前で、そこから見える風景も素敵だ。朱鷺メッセ佐渡汽船乗り場に、船も。敷地内の建物を見るだけでも見どころになるのでは。

以下、敷地内の建物話。

旧新潟税関庁舎。
洋風…いやこの建物ちょっと変だ…とよくよく資料見たら「擬洋風建築」!旧開智学校のアレ。
morina0321-2.hatenablog.com
個人的には建物の中の待合の感じも好き。
ちなみに、税関庁舎の付属になる、荷物の荷上げ場と没収品預かりの石庫(どちらも復元)まであるんだよね。

第四銀行住吉町支店。
書き手の大好きな銀行建築…!重厚さがいいねえ…。
中の窓口部分はレストランになっている。ディナー準備で閉まっていたけど、カフェタイムとかあったら入りたかったなあ。
応接室恰好いい。和室もあって、やっぱり欄間頑張ってたり。

でもって本館。
明治後期に建てられた、二代目の新潟市庁舎のデザインなのだそうで。恰好いい…。
こちらは歴史博物館としての展示がある。常設展示を見るのに有料、1日乗車券での割引あり。
興味深かったのは新潟市の田植えの話。低地帯で「潟」が沢山あるほどだから、田が深い。水に浸かりながら、舟まで出しながら、の田植えに稲刈り。米どころのイメージからのかけ離れた厳しさ。今は改良して水量も調整してるのだそうだが。



面白かった。けど、半日だと回りたいところが全部回れているわけじゃないので、あと半日ぐらい欲しいところ。
あと、ちょっと方向の違う沼垂地区に行きたいなあ。酒蔵もあるし(あ)