時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

-明治150年記念- 明治からの贈り物@静嘉堂文庫美術館

www.seikado.or.jp
静嘉堂文庫美術館はどこかで行きたいと思っていた。何せ岩崎家(三菱二代総帥の弥之助・四代総帥の小弥太親子のコレクション)。というか、まず静嘉堂文庫の建物が観たかった。桜井小太郎設計。門司で見た北九州銀行門司支店の設計者!この方、ジョサイア・コンドル設計事務所におられたので、そりゃあ書き手好みの建物設計するわけで。

あ、流石に廟には近づけなかった。ジョサイア・コンドル設計なのは存じ上げているが…廟だしね…。
正門から文庫&美術館までは上り坂。2、3分かな。周囲も細い道でいかにも住宅街なんだけれど、正門から入ると、小川が流れていて、森が茂っていて(岡本静嘉堂緑地)、別世界に来た感になる。
さて、本展。入口のところに写真撮っていいよスペース。鈴木長吉とか海野勝珉とか書き手でも存じ上げている金工&彫金師の作品が普通に置いてあったり。
そして写真撮らないように、の展示室入り口に、黒田清輝の「裸体婦人像」。うわあ、なんて美しい…。で、その横に飾ってある「羽衣図」と「鞍馬天狗図」。この2点、刺繍。菅原直之助という方の作品だそうだが、銘を入れないので忘れされられている刺繍師なのだそうで。これも凄いよ…刺繍だからこそ出る質感なのか。絢爛という言葉が合うのかな。…この3点、岩崎家の居間に飾ってあったと?(黒田清輝の方は、裸体画なので世間に出せなくて引き取ったという話だが)さ、流石だな岩崎家…。
展示室の中。この展示、他の美術館に比べたら少ない展示だと思う。でも、錚々たる名前が並んでいた、らしい(もう少し勉強しよう書き手)。柴田是真って漆工だけじゃないんだ、日本画も凄いんだ…(このレベル)。柴田是真と河鍋暁斎が共作している作品(蒔絵箱が柴田是真、画帖が河鍋暁斎の「地獄極楽めぐり図」)があったのだが、このお二方って仲が悪い説もあって、かなり珍しい作品みたいだとか。
個人的なメインは濤川惣助「七宝四季花卉図瓶」。下絵は渡辺省亭。濤川惣助は無線七宝なんだが、日本画っぽい花を無線七宝でとても美しく描いていて…眼福。渡辺省亭は山種美術館で今年桜の展示で見たけれど、やっぱり好きな絵だなあ。齋田記念館の特別展行き逃したんだよな…勿体ないことをした…。
静嘉堂文庫美術館は庭園もあるんだけど、夏だからかな、あまり派手な庭園ではない。そういえば、上野の旧岩崎邸庭園も庭園としては地味だものな…(旧岩崎邸庭園は、岩崎邸の建物がジョサイア・コンドル設計で好みドストライク)。
季節によっては近所の民家園にも寄りたいなあ、とは思っている。