時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

博物館でアジアの旅 海の道 ジャランジャラン@東京国立博物館

東京国立博物館は金・土が21時まで開館。で、今週末は個人的に拘束されていることが分かっていた。もうこうなったら行くしかない、と金曜の20時に東京国立博物館到着、メンバーズパスドヤァ入場。
夜間開館に来るのは初めてなのだが。


本館と表慶館のライトアップがインスタ映えしそうな勢い。表慶館は想像ついたけど、本館がこれだけ映えるんだなあ。凄いな。

www.tnm.jp
行き先はライトアップを全くしていない東洋館、展覧会…というかイベントというか。インドネシア展示特集。こないだまでアジア大会だったから、ではなく、日本との国交60周年だそうで。
東南アジアの展示は、通常は東洋館の地下で開催。ここ、普段だと(映像ホール以外は)本当にひとがいなくて楽しくて(え)今回はここの12室と13室がインドネシア一色に。インドネシアに百貨店を開いた実業家の岡野繁蔵コレクション、インドネシアの人形劇ワヤンの展示、仏像、通年展示でもある銅鼓、13室は普段も各国の染織を展示するのだけど、今回はインドネシア染織。そしてクリス。
今回、岡野繁蔵コレクションにも染織モノがあって、とにかく綺麗な布(腰巻だったりショールだったりするみたい)が沢山。デザインがどれもこれも好きだなー。実は先般のアジア大会、マスコットが個人的に好みだったのだが、プラス、それっぽいスカーフとかベストとか着てて。いいデザインだなあ、と思いながら見ていた。
ワヤンは影絵用人形(平べったい。ワヤン・クリ)と、木彫人形(ワヤン・ゴレ)の二種類があって、前者は人形とか小道具(グヌンガン)の色彩が鮮やかで、後者は人形が着ている服のデザインがなんだか素敵。
で、クリス。クリスは短剣なんだけど、ただの武器ではなく、霊的なものとかそういうのがあるらしい。儀礼にも使われるそうで。刀身が曲がっているのも結構ある。これで切られると傷口ぐちゃぐちゃで縫えないという(え)こちらも先般のアジア大会で行われた「プンチャック・シラット」という、東南アジアの格闘技があるのだけれど、これには演舞部門(日本の武道で言うところの「形」)があって、実はそれでもクリスを使ったりする。要は個人的興味が非常に強いもので。うっとり…。

ただ、21時まではもう時間が僅か。
駆け足で東洋館3階までエレベーター。ざっと見たら、5室の中国の染織が展示替えで、今回は刺繍。これがなかなか素敵なもの揃い。打敷とか袍とか靴とか。しかしこの厚底靴、どうやって歩くのだ…。
そして慌てて4階へ階段ダッシュ。8室の中国書画精華。書は分からないので絵を。あくまでも個人的にだけど、小さな図のものがそれぞれ好み。「紅白芙蓉図」は綺麗だったなあ。国宝かあ…。
そしてそのまま2階まで駆け下り、東洋館では大好きな3室・西アジア・エジプトの美術をうっとり眺め、あとちょっとだけ時間があったので、本館18室の近代美術を眺めて終了。川村清雄「形見の直垂(虫干)」がなんというか、凄い力を持ってる感じの絵。