時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵@東京都美術館


珍しく外からの写真が綺麗に撮れたなあ…。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_worcester.html
ウスター美術館はマサチューセッツ州の第2の都市・ウスターの美術館。ボストンから車で30分ぐらいとのこと。
で、アメリカに伝わった印象派にスポットを当てた展覧会。
そういえば、印象派は最初フランスでは評判悪かったんだけど、アメリカでは素直に受け入れられてるんだよね。
印象派と銘打つと、鑑賞する方も多そうですね、と平日に(土日は時間指定制を導入されていた)。実際そこそこいらした。
写真NG。ただ、写真OKコーナーが多め。

www.instagram.com
というわけでそちらはInstagramに。


「チャプター1:伝統への挑戦」。
これは印象派の前の、伝統へ挑戦し始めた方々の絵。
戸外の自然やら庶民の生活やらをそのまま描く絵が生まれてきた、所謂バルビゾン派関連である。これは嬉しい。
動物得意なトロワイヨン、コロー、ドービニー、でもってクールベもある!
ちなみに入口付近はどうしても鑑賞する方々が固まるんだけど、この面々だとそりゃあなかなか鑑賞する方がばらけないよね…とは思う。
他のバルビゾン派もいて、かなり郊外とか自然の絵が多い中、クールベ「女と猫」は異質。猫を抱いている女の人なんだけど、抱かれている猫が嫌そうにもがいてて、猫パンチしてて。写実主義クールベらしい…。
で、アメリカではトマス・コールが自然を描き始めてハドソン・リバー派という名前がついたっぽい。
同じハドソン・リバー派のジョージ・イネスも出ていたが、どちらもなかなか素敵。イネス「パリセーズの対岸」は本当にバルビゾン派っぽいなあ。


「チャプター2:パリと印象派の画家たち」。
ブーダンから始まり、モネ、シスレーピサロセザンヌ、モリゾ、ルノワール…え、なんでこんなガチでフランスの印象派…という面々。
勿論裏にはアメリカ生まれの印象派であるメアリー・カサットがいるようだけども。
と言いつつ、このチャプターで一番好きなのはルノワール「アラブの女」という、印象派と言うには微妙な気もする肖像画なのだが。
あ、モネ「睡蓮」の連作が1点出ていたけれど、これは良い感じの睡蓮だと思う。
これだけだとあんまりアメリカっぽくないけれど、チャイルド・ハッサムアメリカ出身の印象派を代表する一人で、今回の展覧会のポスターにもなっていた「花摘み、フランス式庭園にて」はこのチャプター。
色彩がとても明るい。


「チャプター3:国際的な広がり」。
アメリカだけじゃなく、各国の印象派に近い画家の作品が出ていた。
実は半分ぐらいは日本だったりするが、それはウスター美術館所蔵でなくて、以前拝見しているなあとかだったので…どうなんだろう…。
オランダの画家・ヨゼフ・イスラエルス「砂丘にて」とか、アメリカの画家ジョン・シンガー・サージェント「水を運ぶヴェネツィアの人」辺りが好きかな。


「チャプター4:アメリカの印象派」。
こちらがアメリカの印象派の画家特集。
チャイルド・ハッサムの作品も数点出ていたのだけど、個人的にはジョゼフ・H・グリーンウッド。「リンゴ園」と「雪どけ」どちらも素敵だなあ。
あとは、ウィリアム・メリット・チェイス「ウィリアム・クラーク夫人」とか、セシリア・ポー「ヘレン・ビゲロー・メリマン」とか…何故か印象派っぽくない肖像画ばかり…。


「チャプター5:まだ見る景色を求めて」
フランスはポスト印象派になるわけだけれど、アメリカはどうも、印象派からトーナリズムになる感じ。ただ、トーナリズムは印象派というよりはバルビゾン派っぽい。
ブルース・クレイン「11月の風景」、アレクサンダー・ヘルウィグ・ワイアント「風景」辺りはかなり好きだなあ。
トーナリズムではないけど、ウィラード・リロイ・メトカーフ「街の風景、チュニス」のいかにもあちらの風景とか雰囲気は好き。


かなり素直な風景画が多い展覧会で、なかなか悪くなかったなあ。



さて、ミュージアムショップで、噂に聞いていたグッズも拝見。


…イギリスのソースですよね…?(真顔)まあ、姉妹都市だからOKなんでしょうけど…。


で、折角なので。


ミュージアムカフェ・カフェアートにて、展覧会コラボメニュー「スコーン 焼きリンゴ添え」。
焼リンゴが好きなので便乗。一応スコーンがついているのでこちらを昼御飯に。一応、展覧会の前に休憩を入れてて、その時にサラダを食べてはいるよ。



続く。