時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち@東京都美術館

www.tobikan.jp

1年振りの東京都美術館。平日朝イチを予約して。


構成なのだが。
morina0321-2.hatenablog.com
先日行ったメトロポリタン美術館展と類似している。年代順。まあ、そうなりやすい、というのはあるだろうけど。
そうなると、メトロポリタン美術館展と比較されがちになるかも…と思わなくもない。

とはいえ、導入は異なる。
「プロローグ-スコットランド国立美術館」。
スコットランド国立美術館エディンバラにあるので、エディンバラ城の風景、スコットランド国立美術館が建てられている丘陵地帯の絵、スコットランド国立美術館の内部の絵など。
4点ぐらい展示されていたのだけど、これらがペンと水彩で描かれているのがポイントかもしれない。
やはりイギリス絵画(とスコットランドもまとめていいのか不明だけど)は水彩が主になるのかな、と思いつつ。

「1 ルネサンス」。
ルネサンス絵画から始まるのだけれど、メトロポリタン美術館展でも書いたけれど、全く不勉強で…。
イギリス独自なものもこの時代だと出てこない。

「2.バロック」。
17世紀。
ここもイギリス独自なものはないのだけど、今回の目玉であるベラスケス「卵を料理する老婆」はここに。ベラスケス、19歳でこんな写実的な絵描いてるのよね…。
あと、レンブラント「ベッドの中の女性」の凄い緊迫感とか、ルーベンス「頭部習作(聖アンプロジウス)」の肌の赤みとか髪や髭の毛の具合とか、この辺りは見どころがあっていいなあ。
個人的な好みは、グイド・レーニモーセとファラオの冠」の光の当たり方とか、フランス・ファン・ミーリス「リュートを弾く女性」が小品だけど細かく描写されていていいなあ、とか。

「3.グランド・ツアーの時代」。
18世紀。
フランスだとロココ全盛期。ジャン=アントワーヌ・ヴァトー「立っている二人の貴族と座る貴婦人の習作」、フランソワ・ブーシェ「田園の情景」3点モノとかは代表的なのかな。あと、ジャン=バティスト・グルーズ「教本を開いた少年」の少年が可愛かった(そこ?)。
それからやはり出てくる、イタリアのヴェドゥータ(都市景観画)。フランチェスコ・グアルディ「ヴェネツィアサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂」「ヴェネツィア、サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂」の2点、どちらも好き。
で、イギリスはここで独自、肖像画が発達する。
代表的なのはトマス・ゲインズバラ。個人的には「歩く少女の習作」の少女が非常に可愛かった。
あと、ゲインズバラは風景画も良いよ。「遠景に村の見える風景」、良かった。牛や犬が可愛いし。
あ、展覧会の目玉の一つ、ジョシュア・レノルズ「ヴォルドグレイヴ家の貴婦人たち」も肖像画の流れ。個人的にはあまり好みではないのだけど。

「4.19世紀の開拓者たち」。
フランスは、バルビゾン派からの印象派、あとナビ派(というかヴュイヤール)もちらっと。
ええと…コロー「廃墟」「ラ・フォルテ=スー=ジュアール近郊の思い出(朝)」、ドービニー「モンティニー=シェル=ロワンの眺め」、シスレー「シュレーヌのセーヌ川」と並べるのは、書き手へのサービスでしょうか(え)。いや眼福…。
印象派だとモリゾ「庭にいる女性と子供」、ルノワール「子どもに乳を飲ませる女性」も雰囲気が良い。
あ、ブーダン「トゥルーヴィルの浜辺」は小品すぎて、「空の王者」らしい空が殆ど描かれてなかったのは残念…。
イギリスのこの頃は、風景画と肖像画が引き続き主体。
風景画家としてはターナーとコンスタブル。
ターナーは「トンブリッジ、ソマー・ヒル」、コンスタブルは「デダムの谷」。どちらも良い。ホイッスラーもあったけど、今回エッチング作品だけだったんだよね。
肖像画としてはジョン・エヴァレット・ミレイ「「古来比類なき甘美な瞳」」。後期の肖像画を描いてた頃の作品なのだけど、まあとても美しい…(そういえばラファエル前派の作品は出てなかったなあ、イギリスなのにね)。
で、スコットランドから肖像画家が出ている。フランシス・グラント。「アン・エミリー・ソフィア・グラント(“デイジー”・グラント)、ウィリアム・マーカム夫人」。これはとても印象に残る、結婚直前の娘を描いた肖像画
もう少しこういう、スコットランド特有の画家が出ているといいのにな、と思ったりしつつ。

で、「エピローグ」として。
フレデリックエドウィン・チャーチ「アメリカ側から見たナイアガラの滝」が。
チャーチ自体はアメリカの画家だけど、この絵を購入した実業家が元々スコットランド出身で、スコットランド国立美術館に寄付してくれたのだそうで。
こちらは非常に雄大で、素敵な絵だ。
一番最後に、こちらを基にしたフォトセッションも設けられていた。

うん…やっぱり、メトロポリタン美術館展と比較されちゃうんだろうなあ…とは。あちらが延期したから同時期になってしまった、という不運はあるけど。
もう少しイギリスの絵画にスポットを当てても良かったかもね。


さて、展覧会の特設ショップ、なのだが。


ええ、紛れやがりました。…うっかり買わされたわ、あれ…。くやしい。
コウペンちゃんとのコラボもあるけど、そちらは普通に可愛いタイプだった。


で、ちょっと早めのお昼にした。


1階のカフェ・アートにて、展覧会とのコラボメニューの紅茶プリンと、通常メニューのゴロゴロかぼちゃサンド。
かぼちゃサンドはもっと甘いかと思ってたら、控えめで、かぼちゃの野菜っぽい青臭さがなくて予想以上に美味しかった。
紅茶プリンは紅茶が凄く濃くてこれも美味しい。
上野精養軒系列だからか味も本当にちゃんとしていて、値段も(少なくとも他よりは)お手頃だし、お気に入りだったりする。


続く。