時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

マリー・ローランサン ─時代を写す眼@アーティゾン美術館

www.artizon.museum

マリー・ローランサン展。生誕150年前後で前回も別会場に伺っている。
morina0321-2.hatenablog.com
で、あの時結構混雑したので、平日15時にこんにちは、と。
…あれ?なんか…随分空いている…。そんなものか…。
今回は日本にあった(現在は閉館)マリー・ローランサン美術館から借りているものが結構多い。
写真は結構OK(NGのものにアイコンがついてる)、更にアーティゾン美術館には、写真NG以外の見慣れないアイコンが。

これ、スケッチNGのアイコン。逆に、このアイコンがなければスケッチOK。海外だとスケッチOKのところって結構普通らしいんだが、日本では珍しい。




「序章:マリー・ローランサンと出会う」。
本当に初期の頃の自画像と、後は1920年代後半、すっかり売れっ子になった頃の「帽子をかぶった自画像」。
初期の頃はなんというか、若い女性の緊張感みたいなのが見えるというか。
…と思ったら1つだけ少々タッチが違うものが。1908年頃の絵。どう見てもキュビスム


というわけで「第1章:マリー・ローランサンキュビスム」。
ローランサンが洗濯船(バトー・ラヴォワール)というキュビスム画家が集まった場所に出入りしていた頃。1908年ぐらいから出入りしてるんだよね。
なので、この頃のローランサン画風はかなりキュビスム風で、良く知られている絵とはタッチが異なっている。
ただ、ローランサン自体は「なろうにもなれなかった」「そのちからがなかった」という言葉が残っているのだが。


「第2章:マリー・ローランサンと文学」。
ローランサンは自身でも詩を書いたり、そこに挿絵を入れたり、他にも挿絵業をしたり。
詩を書くからアポリネールと意気投合したのか、影響されて書いたのかはわからないけど。
詩集にはこんな自己紹介文が載っていたり。

挿絵業は「スペイン便り」も「椿姫」もとても素敵。


「第3章:マリー・ローランサンと人物画」。
ローランサン、人物画以外を描いたことがあるのか、というぐらいの話ではあるのだが。
1920年代の絵が集まってるのかな。
面白かったのは、ラウル・デュフィポワレの服を着たモデルたち」が出ていたことか。以前のブログで記載しているが、ポール・ポワレローランサンは浅からぬ縁、なのでね…。
アーティゾン美術館所蔵なので、展示されていても不思議ではない絵ではあるのだが。


「第4章:マリー・ローランサン舞台芸術」。
この辺は以前の展覧会でもあった辺り。


「第5章:マリー・ローランサン静物画」。
個人的には静物画好きなので全然気にしないし、ローランサン静物画(花の静物画)はとても素敵だと思うのだが、当時のフランスだと静物画はあまり良い絵だと思われてなかったようで。綺麗なのにね。
でもって、ここにローランサンが絵付した「椅子」が出てくる。
以前の展覧会でもあった装飾芸術の話だね。うん、とても綺麗。


「終章:マリー・ローランサンと芸術」。
最後は総まとめというか、代表的な作風の絵が。
新しい話としては、ローランサンは背景は「グレーを使う」という話かな。
更に「赤と黄色が嫌いで使わない」という。使うとしたら、赤や黄色に何か混ぜて使うんだよね。原色は使わない。だからパステルっぽい色なんだよね…。
前回の展覧会でも出ていたけれど、1930年以降は少し色が鮮やかになるんだけど、それでも原色にはなってないんだよね。なるほどなあ…。


基本的には素敵な女性を描く絵が多いし、ある意味安心感はあるし、ゆっくり眺めるには良い展覧会じゃないかなあとは思う。



さて、6階は特別展だけど、5階と4階は常設展(で拝見できるゾーン)。

5階のトップの絵を拝見して思った感想は「ポリンキー」でした(え)(本当はパウル・クレー「双子」)
なかなか拝見する機会がない抽象絵画も拝見しつつ。マーク・ロスコ「無題」とかもあったのか。
あと、5階は印象派の作品もあったのだが、そこでインターンの方がギャラリートークを開催していた。
個人的には参加せずに遠巻きに聴こえてきたのを漏れ聞いてたぐらいだったのだが…うん、インターンだし、喋るのも経験だよね、頑張って、ってなったりとか(あ)



で、4階は特集コーナー展示「野見山暁治」だったのだが。
うーん、個人的にはあまり好みでは…。「鉱山から」と「あしたの場所」は結構気になったけど。
実は4階の暗い小部屋で酒井抱一尾形光琳が展示されていて、そこに入った時にほっとしたりもした。そちらの方が慣れてるしね…。
野見山暁治の同時代の作家など、関連した作家も集めて展示していた。
小磯良平「二人」は気になった。これは…人物画、というか…彫像を描いたんだろうか…。もしくは二人のモデルを彫像風に描いた?なんとも不思議で。
あと、長谷川潔のドライポイントの存在感がとても気になって格好良かったのだが、タイトルが「一樹(ニレの木)」。…雑念…(落ち着け)




楽しかった、けど流石にお疲れで。
www.artizon.museum
アーティゾン美術館のミュージアムカフェに。実は初来訪。
こちら、ランチタイムだと本当にちゃんとしたランチ、なもので、ちょっと敬遠しちゃってたんだよね…。
ただ、喉も乾いていたし、昼食が控えめでだったので、そこそこのお値段はするけど場所柄まだ許容範囲かな、という値段で、ラムレーズンのシフォンケーキセットを。


そして予想外の大きさに!?となったりしていた。いや…シフォンケーキ、膨らむんで材料の容量としてはそこまで使ってないかもしれないけど、なんか…大きくない…?
お値段がそこそこするけど、場所考えたら、この大きさだとコスパはそこまででもないぞ…?
あ、味はとても美味しい。結構お腹一杯になったけど。お昼少な目で良かった…。