時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

瞳に映るファンファーレ 浜口陽三の銅版画と川瀬巴水をはじめとした新版画@ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション


ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションには初来訪。美術館前の旗(と言うのか?)のデザインがなかなか素敵。
ヤマサはヤマサ醤油のヤマサ。版画家の浜口陽三は、ヤマサの創業者一族の方。
なので、こちらの美術館は浜口陽三のコレクションが主となる。

www.yamasa.com
今回はそこに、新版画を絡めている。


で、伺ったら、随分こじんまりとした美術館。
1階と地下の2フロア。元々醤油の倉庫だったスペースだそうで。
こじんまりとしているのはいいのだが…美術館にはだいたい備えられている、ロッカーが存在しない。…書き手、この前の場所で、日本酒買ってたんだよね…(遠い目)上着も手に持ってたし(冬場の上着は美術館だと暑いので大体脱いでしまう)
ちょっと鑑賞にはしんどい状態となってしまった。


本題としては、浜口陽三の作品+新版画。
で、この美術館、ちょっと変わった注意書きがある。
「作品にできるだけ近づいてください」。
…普通、美術館の作品はある程度近づかないように、床に線が引いてあったりするのだが(特に流行病の時期になって厳しくなった)。
とはいえ、版画作品は小さいものも多いので、ありがたく。
近づくとより分かるけれど、浜口陽三の作品は、本当に微妙な色合いを見せる。ただの赤じゃない、ただの緑じゃない…なるほど、これは近くで見た方が良い…。
浜口陽三の有名なものは、画面の地の色が黒で、そこに描かれているモティーフが黒に滲むような、黒からじわりと出てきているような。なんだか素敵。
「新版画」は巴水が主だけれど、高橋松亭/弘明・石井伯亭・笠松紫浪・伊東深水…とずらずらと。鏑木清方も展示されていたり。
自分の鑑賞状態以外はなかなか良い感じ。


で、この展覧会。
s.mxtv.jp
TOKYO MXの「わたしの芸術劇場」で取り上げられていた。
放送自体は書き手が観に行く前だったのだが、書き手が拝見したのは大分後になってから。
展覧会というよりは、浜口陽三の版画解説ではあったのだが…いや、これは、先に拝見して、ちゃんと浜口陽三の版画・メゾチント技法を知っておいた方が良かったなあ、とはなった。
物凄い手のかかる技法なんだもの。
番組のナビゲーターの片桐仁氏が多摩美大の版画科出身ということもあって、版画に関してはかなり細かく解説してくれて良い番組だった。


さて、こちら、小さいながらもミュージアムカフェがある…のだが。
実は今年の1月で、こちらがリニューアルするそうで、2月以降はメニューが変わるらしい。
変わる前に頂いた、鎌倉の、料理研究家の方が経営している洋菓子店のチョコレートケーキ、とても美味しかった。
コーヒーカップも薄手で、なんとも素敵な感じ。
変更前はヤマサ醤油を使ったアイスもメニューにあって、変更になるのがちょっと勿体ない気がしたなあ。