時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

アイヌの美しき手仕事@日本民藝館

https://www.mingeikan.or.jp/events/special/202009.html

日本民藝館。縁がないわけじゃないんだけど、結局今まで行かずじまいで。
今回はアイヌ関連ということと、この展覧会が終わったら暫く閉館してしまうということで、ようやく重い腰をあげて。
あ、事前予約不要。

建物自体は2階構造で、いくつか小さな部屋で構成されている感じ。
で、今回は全部がアイヌ関連展示ではなくて、併設展がある。
https://www.mingeikan.or.jp/events/heisetsu/202009.html
なので結構なバラエティ。
ただ、展示物リストは作ってない。展示物に対してのちょっとした解説もない。そして写真は基本NG。レポート泣かせ…。

まずはメインの「アイヌの美しき手仕事」。1階入り口の正面辺り、2階へ続く階段の辺り、2階の階上回廊、そして2階の大広間に。
アイヌ衣服・タマサイ(首飾り)・盆・イクパスイ(儀式用の箆)・煙草入れ・ゴザ・刀掛け帯・小刀とか、東京国立博物館の本館16室でお馴染みの品々なのだけど、とにかくそれぞれの品の種類が豊富。今回のコレクションは柳宗悦日本民藝館)と芹沢銈介(静岡県立芹沢銈介美術館)のものなのだけど、両者ともアイヌのデザインがよく分かる品々を収集していらしたのだと思う。個人的には1つだけ展示されてた「枕」がかなり好みだったなあ。
ちなみに基本は写真NGだけど、2階の大広間の一角というか「壁一枚」だけは写真OKだった。ありがたいお心遣い。
あ、そうだ、この展覧会、なんと図録が完売している。まだ東京での展覧会、開幕して2週間経ってないんだけどねえ(北海道と宮城を巡回しているので、そちらで売れてしまったのか、元々部数がないのか…)。

でもって併設展。それぞれ小部屋1つでの展示なんだけど。
これがなかなか好みに合う品々ばかりで。
「灯火器」は蝋燭立てとか提灯とかなんだけど、なんかそれぞれデザイン凝ってて。
「陶画」は志野とか鉄絵の瀬戸・美濃・唐津が好みで。伊万里なんかは書き手は好みが分かれたりするけど、ここで見たものはかなり好みだった。
更に「大津絵」がいくつか。実は今、東京ステーションギャラリーで大津絵の展覧会を開催していて。セットで楽しめるんじゃないかなあ。
www.ejrcf.or.jp
「台湾原住民の手仕事」はとにかく織物の浮織のデザインが好みストライク。苧麻と羊毛で織られてるとか。苧麻はやっぱり南方だから使うのかな、と思うのだけど、羊毛は暑そうだよね。
「朝鮮時代の白磁・染付・辰砂・鉄砂」は、鉄砂(てっしゃ)を使用する器が結構好み。
「箱・函・筥・匣」は…これはもう民藝じゃなくて高級工芸なのでは?と思うような螺鈿のものとか、卵殻貼の素敵なデザインのものがごろごろ。
「仏教版画」は仏具系なのでまあ、そういう感じなのだけど、版画の「文殊菩薩」と「文字阿弥陀」は民間布教用だからか、なんだか顔が親しみやすい。
で、「芹沢銈介の仕事」。今回既に名前は出しているけれど、芹沢銈介というと以前の記事だとこちらか。
morina0321-2.hatenablog.com
morina0321-2.hatenablog.com
型絵染。飾布のデザインが可愛かったり、「小間絵集」の色がとても綺麗なグラデーションだったり、一見武者絵の巻物のタイトルが「どんきほうて」だったり。なんか面白いの作ってる!

面白かった。
そしてミュージアムショップの品々の素敵さに暫し苦悩する書き手が発生した。サントリー美術館ミュージアムショップでもやる苦悩。どれもこれも素敵だけど、家でどう使う気だというアレね…。

続く。