時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

MOMASコレクション@埼玉県立近代美術館

pref.spec.ed.jp

大きな部屋で、埼玉県立近代美術館のコレクション展示。
区間に区切ってある。


1はセレクション。コレクションの中でも売りの作品ということかな。
ビッグネームも結構あるよ。
クロード・モネ「ジヴェルニーの積みわら、夕日」、ウジェーヌ・ドラクロワ「聖ステパノの遺骸を抱え起こす弟子たち」、ポール・シニャック「アニエールの河岸」…いい絵多いなあ…。
シニャックはそこまで好きではないんだけど、「アニエールの河岸」はかなり好みの絵。


で、場所が場所なので、所謂「浦和画家」の作品もある。有名な瑛九の作品も多く出ていたけれど、個人的には里見明正「鏡の前」の色彩の明るさがなんだか好きかも。
こちらの作品だけれど、チラシ写真だと色彩の明るさがいまいち伝わらないかも…。上半身の明るさなんだけれど。


2は「色彩と軌跡―ジャコモ・バッラ《進行する線》を起点に」。
ジャコモ・バッラは抽象画家なので、このコーナーの作品はそういう作品なのだけれど、明るい色彩が、なんとも気持ちを上向きにしてくれるようで。コーナーのタイトルにもある「進行する線」はジャコモ・バッラの原画をカーペットにしているのだけれど、このデザイン好きだなあ。
絵画作品では、オノサト・トシノブ「Ce 14」の明るい幾何学な絵画とか、古川吉重「L20-3 ホワイトイエロー」のごくごく淡いポップな色彩とか、山田正亮「Work W-263」の落ち着いた色彩の格子風の縦と横との線とか。
写真作品では、北野謙「「光を集めるプロジェクト」ダイヤモンドグリッド・東京(反復)2015冬至-2016夏至」が太陽光を上手く残していて、いい感じで。
そうそう、荒川修作(「養老天命反転地」とか「三鷹天命反転住宅」みたいな不思議建築で有名)の絵画「Voice Drinker/The Artificial Given」が展示されていた。幾何学の授業みたいになってた。
一方、明るい光とはちょっと違うテイストな作品で気になったのは、黒崎彰「終の軌跡」「虚の軌跡」「影の軌跡」のシリーズ。木版なんだけど、基本はモノトーンのうねる物体で、「虚の軌跡」はそれだけの組み合わせ。「終の軌跡」は1か所だけ赤、「影の軌跡」は1か所だけ青が入っている。
あと、赤は赤だけど色の混ざり方とか全体的に不穏にしか思えない根岸芳郎「88-1-20」辺りが気になった。


あ、そうそう、埼玉県立近代美術館は実は椅子に拘りがあって。
pref.spec.ed.jp
MOMASコレクションの1つとして「ヒルハウス1」は展示室入り口に飾られていて、それも気になったけれど、「ネルソン・マシュマロ・ソファ」が丸くてポップで、可愛くてとても良かった。あれは写真撮影して良かったんだろうか…。
「美男におわす」に置かれていた椅子も(展示を拝見するという理由もが主だったけれど)座ったなあ。剣持勇「スツール」は気づいてたよ。


久々の展覧会、ゆっくり楽しみました。