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推しを食べに来ました(え)
風景画にスポットをあてた展覧会。
山種美術館は日本画が専門の美術館、だが、ちょっと今回は趣が違う。
前後期で少し入れ替えがある。
第1室。一番最初の絵は川合玉堂「春風春水」。
第1章「日本における風景表現の流れ」。
江戸時代の画家が中心。
酒井抱一「宇津の山図」の景色の素敵さ、池大雅「指頭山水図」のざくっとした描き方の味、山本梅逸「桃花源図」「蓬莱山図」の細かい描き方に綺麗な色の付け方とか、なかなか良いなあ。
日根対山「越渓秋色図」は緻密な感じがするなあ、と思ったら、野口小蘋の師匠なのか。ああ、なんか分かるなあ。
展覧会ポスターにも掲載されているけれど、歌川広重もあるよ(浮世絵なので前後期で入れ替えがあるのがここ)。広重は個人的にも好きなので、当然のように眼福。
第2章「風景表現の新たな展開」。
ここで驚いたのは、黒田清輝・安井曾太郎・佐伯祐三・荻須高徳。え、山種美術館さんで洋画がこんなに並んでる…!?すべて山種美術館所蔵なのも驚く。
佐伯祐三「レストラン(オ・レヴェイユ・マタン)」、荻須高徳「サン・ドニ風景」が並んで、ちょっと暗めの御洒落な外国の風景の雰囲気よ…。
そうかと思えば、次に並ぶのは日本画の数々。
森寛斎「雪中嵐山図」、川端玉章「海の幸図」、以前も拝見したけど菱田春草「釣帰」、でもって何度拝見しても大好きな山元春挙「火口の水」。眼福。
で、更に続くのが石田武「四季奥入瀬」。
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以前は「秋韻」「幻冬」のみの展示だったけれど、「春渓」「瑠璃」と春夏秋冬全て展示。こ、これは凄い。こちら、全て個人蔵(山種美術館寄託なのだそうで)なんだよねえ…。
「瑠璃」はカワセミを小さく描いてるのだけど、とてもクリアで美しくて。
で、ここからは現代作家の絵もかなり入ってくる。
展覧会のポスターに掲載されている田渕俊夫「輪中の村」もそうだね。田渕俊夫はまだ御健在の画家だし。何度も拝見しているけど、個人的にも結構好きな作品。
東山魁夷「白い嶺」も何度拝見しても美しい。
そして御健在どころかまだとてもお若い(三十代でいらっしゃる!)安原成美「雪原に立つ杉」を初めて拝見。先にSNS経由で拝見してはいたのだが、個人的には直に拝見した方がいいなあ…。筆の繊細さとか、SNSの写真だと分からない気がする。
後は小野具定「白い海」がいいなあ…。とても格好いい。少し抽象画に見える感じもいいなあ。ちょっと調べたら、児玉希望の弟子だった時期があったようで。
今回撮影がOKだったのは米谷清和「暮れてゆく街」。渋谷の絵なんですな。渋谷自体は個人的に好きな街ではないのだけれど、夕暮れの都会、という題材は嫌いじゃない。
写真はInstagramの方に。
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第2室へ。
千住博「街・後者・空」はコンクリートの建物がどんと。久々に拝見する初期の頃の作品。
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個人的には木村光宏「兆」と関出「廃園濃紫」がぐっときた。
いずれも抽象画に近い雰囲気ではあるのだけれど、光を落とした第2室でより幻想的で素敵な感じに。
オーソドックスな日本画もあれば、洋画もあり、現代の作品もあり。
なんとも面白いテイストの展覧会だった。
さて、食べにきた推しである。
ミュージアムカフェ・Cafe椿の展覧会オリジナル和菓子、山元春挙「火口の水」モティーフの「みなもの色」。
推しが…推しが和菓子に…!(落ち着いて)
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この時の和菓子が頂けなかったリベンジでもあるし、山種美術館で和菓子のモティーフとして選ばれたのも嬉しいし。勿論美味しいし、幸せ。
写真は上記のInstagramの方に載せた。
目にも舌にも幸せを。