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東山魁夷メインならまあ外すことはないよね、という感じで来訪。
第1室の最初に、「第3章 風景画に見る日本の四季」に分類されている魁夷「月出づ」。
こちらは初めて拝見したかな。木の幹と下部の木の葉の色がとても綺麗。
改めて「第1章 日本の四季を描いた系譜」。
ええと…いきなり菱田春草「月四題」が並び、山元春挙「空山密雪・夏山煙雨」が続くのだが。「月四題」は前から何度も書いているように非常に好きな絵なのだが、「空山密雪・夏山煙雨」は初めて拝見したかと。墨一色のみで描いてるのだが、
この描き方は春挙の作品では珍しいのでは、と思ったりした。特に「空山密雪」は木や家の描き方がとても素敵で。
その更に並びに春挙「春秋草花」があったけれど、これはあまり好みではないかな…。いやもうここまでの並びで個人的には眼福なのだけど。
そして第1章の最後に来る、魁夷「春静」「緑潤う」「秋彩」「年暮る」の並び。以前見た作品ではあるけれど、どれも素敵な絵だし、春夏秋冬の並びで見るとまた贅沢な感じすらあって。
あ、第1章の作品はまた後にも出てくるよ。
「第2章 皇居新宮殿ゆかりの絵画」。
魁夷「満ち来る潮」がハイライト。これも以前見た絵ではあるけれど、やはり凄い。スケッチや下図もいくつか出ている。
あとはこちらも以前拝見したけど杉山寧「曜」、絵のタッチが結構好き。
「第3章 風景画に見る日本の四季」。春夏秋冬それぞれで分けている。
春は魁夷「春来る丘」が出ていて、これはこれで嫌いじゃないけど、隣の奥田元宋「湖畔春耀」が個人的にツボ過ぎて。以前見ているけれど、この色遣いがとても好き。
夏は山田申吾「宙(おおぞら)」が印象に残る。「雲の画家」と呼ばれてるそうなのだけれど、確かに雲の描き方いいなあ。空の色も素敵で。
秋は、山口蓬春「錦秋」や髙山辰雄「中秋」がいいなあ、と思っていたら、元宋「玄溟」があって個人的にツボを突かれるという流れ。川本末雄「秋耀」もなかなかいい感じで素敵だった。山田申吾や川本末雄は今回初めて見るけど、こういう絵も所有されていたのだなあ、と。
で、第1室の最後は第3章ではなく、第1章に分類されてた石田武「四季奥入瀬」の「秋韻」「幻冬」。
こちらは本当に素敵。水の描き方とか、上手くぼかした描き方(朦朧体と言っていいのかな)とか。こんな素敵な絵を所有されていたのか…と思ったら、確認したら個人蔵の作品だそうで。大型屏風絵なので、所有するの大変そうだな、と思いながらも(そこ?)いやあ素敵だった…。
石田武は桜のイメージが強かったけれど、こういう絵も素敵なのですな…。
「奥入瀬」というと、どうしても山種美術館では元宋を思い浮かべるけど、こちらも眼福。「四季」ということは春と夏もあるのだろうか。拝見したいものだけれど。
さて、第2室は「第3章 風景画に見る日本の四季」の冬、プラス、第1章の1作品。
第1章の作品は千住博「四季」。春夏秋冬4幅の絵なのだけれど、秋は日本画的な表現なんだけど、他は何だかちょっと可愛い。特に春は、童話の挿絵とかにもありそうな感じ。これはこれでいいなあ。
で、他は第3章。魁夷「白い嶺」も以前拝見した気がするけれど、魁夷の雪の表現は素敵だなあ。
そしてもう1つがツボ、元宋「松島暮色」。今回、元宋の絵で初めて拝見した絵はこれが唯一だったのだけれど、「赤の元宋」が赤じゃない。薄夕暮(夕日は赤ではなくて薄い金)に薄く照らされている白い森と、その白い森を映す水面。なんて素敵なんだ…。
魁夷を拝見しに行ったのに、最終的に元宋がツボだらけだったということに。あれ?
元宋を多めに出していたのは、「青の魁夷」と比較になる「赤の元宋」だから、だったのか。もしかしたら裏テーマだったりして。そんなことはないか…。
さて、和菓子タイム。
魁夷「秋彩」モティーフの「今ひとたびの」と、柚子緑茶。「春静」モティーフの「峰の桜」と迷いに迷ったけど、季節が近い方がいいかな、と。
「今ひとたびの」は柚子あんなのに、柚子緑茶と合わせる書き手のセンスは置いといて(え)柚子緑茶美味しそうだったんだもん…実際美味しかったし…。
この日はもう一つあるよ。続く。