時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

【特別展】没後80年記念 竹内栖鳳@山種美術館

サントリー美術館國學院大學博物館→山種美術館は個人的には黄金コース。六本木と恵比寿は日比谷線で数駅なので移動しやすい。
根津美術館國學院大學博物館→山種美術館もありだけど(3館散歩コースで)。


www.yamatane-museum.jp

ビッグネームだからか、思ったよりお客さんいらしてましたなあ…。
morina0321-2.hatenablog.com
2年前にも似たような展覧会に伺ってはいるんだけど(展示ポスターも同じ絵だし)
前後期で1、2点ほど入れ替え有。今回は前期。


第一章「竹内栖鳳」。この構成も2年前と同じ。
で、2年前に出ていた絵は全て展示されていた…けど、それよりも作品展示が多い。「艸影帖・色紙十二カ月」も十二ヶ月全て出ていたし。
何より、個人所有の絵を10件ぐらい借りてきている。山種美術館、凄く頑張ってくれたんだなあ…。山種美術館では初の展示の個人蔵、かなり多かったもの。
あ、そうそう、東京国立博物館から「松虎」借りてきてた(前期のみ)。とても立派で格好いい虎2匹の屏風絵なんだけど、個人蔵で「焦山猛乕」という掛け軸の絵が出ていて、こちらは小さく、遠くで吠えている虎をさっと描いてて、随分違う感じの栖鳳の虎が拝見できる。ちょっと面白い。
あ、そうそう。

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「斑猫」、撮影OK。ただ、スマホガラケータブレットに限る、という珍しい制限はついていた。


第二章「栖鳳をめぐる人々」。

まずは「京都画壇の先人たち」。
栖鳳より少し前の作家。
川端玉章犀川真景図」や、「京洛四季」という合作での望月玉泉「小倉山二尊院」は風景の端正さが素敵で、今尾景年「松下牧童図」は松の枝が綺麗なんだけど、牛が妙にふてぶてしい感じで印象に残る。

次が「同年代の画家たち」。
栖鳳も入っている「楳嶺四天王」の都路華香・菊池芳文(「花鳥十二ヶ月」で描かれている桜はやはり綺麗)、でもって山元春挙…ありがとう山種美術館…!
「清流」は拝見したことあるけど、「曠原放牧図」は初めてかな。雄大な山と、小さく描かれている牛が…牛が可愛い…。

で、「栖鳳の弟子たち」。
福田平八郎「桃と女」は、桃を収穫する農家の女性二人、という風情の屏風絵。女性がとても可愛らしいのと、屏風の隅に描かれてた落ちて朽ちかけた桃の風情がなんとも言えず。
西村五雲が3点。「白熊」はよく出ているし、「松鶴」も拝見したことがあるけど、「金鱗」は初めてかなあ。金魚の絵。色が美しくて更に可愛い!
徳岡神泉「緋鯉」は抽象画ともとれる表現なんだけれど、これはこれで良いなあ。


暗い第二室は「国画創作協会」。
栖鳳の弟子の中でも国画創作協会の関連した弟子に絞って。
…というか、村上華岳「裸婦図」を展示したかったのかもしれないけど。相変わらず、なんと表現していいか分からない凄い絵である。
個人的には土田麦僊「舞妓」が可愛いなあ、というのと、何より入江波光「志ぐれ」が出ていたのに驚いた。山種美術館、波光を所蔵してたんだ…!ググると、かなり昔(40年以上前)に山種美術館で波光展開催してるらしいのだが。
「志ぐれ」、なかなか渋い絵で個人的には嫌いじゃないよ。
bunka.nii.ac.jp
文化遺産オンラインで拝見できるんだねえ…。


栖鳳を拝見しに来たら、思わぬ絵も拝見できるという。
この日は全体的に収穫が多い日だったなあ…。


あ、ちゃんとミュージアムカフェにも寄っているよ(Instagram参照)。
栖鳳「風かおる」(こちらは2年前にも拝見してるけど、良い絵だよねえ)モティーフの「薫風」。まあ…燕だったという理由もあるのだけど(あ)