時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

アイヌの装いとハレの日の着物@松濤美術館

日本民藝館の最寄り駅は駒場東大前。
松濤美術館の最寄り駅は神泉(普段は渋谷から歩いて行くけど)。
1駅です。歩きましょう(この日の東京の最高気温33度を認識しての暴挙)。
一応途中で昼食休憩はとったけども。歩いても15分~20分ぐらいで行けちゃうのでねえ…。駒場東大前商店街は静かで歩きやすかったし。


shoto-museum.jp

というわけでアイヌ展示。
今回、東京国立博物館日本民藝館早稲田大学會津八一記念博物館からの展示が多いので。
morina0321-2.hatenablog.com
こことか、東京国立博物館の本館16室で結構拝見しているのかもしれない。


松濤美術館は結構厳重に感染防止策を実施していて、展覧会の観覧も1時間以内で、との注意をされている。今回の展示品は多くないので、まあ大丈夫かな、とは思うが。


最初は地下1階「第1章 アイヌの装い」。
ずらりとアイヌの民族衣装。アットゥシと木綿衣。
そういえば今回初めて知ったけれど、木綿衣も種類によって呼び方がいろいろあるようで。とりあえず刺繍だけなのが「チヂリ」、布をテープ状にして縫い付けるのを「ルウンペ」、それよりも布を大きく使って縫い付けるのを「カパラミプ」。あと「チウカウカプ」とか「チカルカルペ」とか呼ばれている物があったりして…この辺は解説欲しいな…。
その他には脚絆(ホシ)、手甲(ライクルテクンペ)、頭巾(コンチ)、鉢巻(マタンプシ&ヘトムイェヘ)等。
マタンプシは「女性物が多い」だけで男女どちらもするけど(近代以降はほぼ女性物の様子)、ヘトムイェヘは完全に女性のもので、ビーズでなかなか華やかに飾られてる。
あと、現代作品で、黄色をマリーゴールドでピンクをアカネで染めた反物と、反物を作るためのシナノキやオヒョウ(別名アツシノキ、アットゥシを作るからみたい)から作る糸玉(カタク)が展示されていた。
反物はなかなか素敵なストライプの淡い色で。


次は2階「第2章 ハレの日の着物」。
こちらにずらりと並ぶ木綿衣は全て「ルウンペ」。20世紀に作られているものも多数なので、あまり見ない色もちらほら。縫い付けた布が赤だったり緑だったり。
現代作品のルウンペは地がグレイ、縫い付ける布が赤で斬新。
そして衣装の中では唯一異彩を放つ陣羽織(チンパオリ)。東京国立博物館蔵。
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この時に拝見したものと同じだと思う。
さて、それ以外にも首飾(シトキ)、耳飾(ニンカリ)、刀掛帯(エムシアッ)等も展示。耳飾は早稲田大学會津八一記念博物館蔵なので初めて拝見するものばかり。
面白いのは、ロシアのコインを耳飾に使っているもの。5コペイカ貨幣だそうで。なんと、今でもルーブルの補助通貨(カペイカとも言うみたい)。まあ、価値が低くてもう生活では使わないみたいだけど。
でも、こういうの使っちゃうのが、ロシアとの繋がりを感じるよねえ…。


小展示だったけど、なかなか面白かったよ。


帰りは渋谷駅の混雑した個所を避けるため、神泉駅経由で帰宅。