時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅰ 響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―@静嘉堂文庫美術館


明治生命館はいつ拝見しても恰好いいなあ…。岡田信一郎の建築は結構好きなんだよね。
三菱一号館美術館が近所なので、割と頻繁に拝見していたりする。


で、元々世田谷にあった静嘉堂文庫美術館明治生命館の中に移転してきた。
個人的には伺いやすくなり、しかも建物も素敵な場所という。
同じ岩崎財閥系、三菱一号館美術館とタイアップもしやすいだろうしね。



で、こちらの展覧会は、移転したということで、静嘉堂の名宝展示。
morina0321-2.hatenablog.com
…こちらとかぶらなくもないが、まあ、それでも行っておくべきでしょう、と。
前後期制。


先に建物の話。
明治生命館の凄い外見から美術館の中に入ると、広いホワイエになってるんだが。
き、煌びやかだ…若干自分が場違いにも思うぞ…。
で、展示室の入口の自動扉が黒で。綺麗&簡単に中が見えないように、なんだろうけど(ちなみに展示室から入口&出口を見ると、透明になっててホワイエがよく見えるようになってる)、一瞬、展示室の入口が分からない…。これは最初、戸惑う。慣れれば大丈夫だけど。
なお、ホワイエにもいくつか展示があり、「紫水晶木蓮式瓶」はいかにもアメジストで個人的に好み。


「第1章 静嘉堂コレクションの嚆矢―岩﨑彌之助の名宝蒐集」。
岩﨑彌之助は二代目ですな。
龍泉窯の「青磁鯱耳瓶(砧花入)」の色合い(龍泉窯は凄いなあ…)とか、「和漢朗詠集 太田切」の和紙とか個人的に大好きなんだが、やっぱり唐物茄子茶入の3つは目玉なんだろうなあ。色も綺麗だし。
以前拝見した付藻茄子に、松本茄子(紹鴎茄子)、利休物相(木葉猿茄子)が揃った展覧会もなかなかないかと。通期で拝見できるよ。
菅原直之助の刺繍額「翁」も細かくて凄い。
あと、こちらは第2章のなのだが、同じ部屋に「油滴天目」が展示されている。油滴が緑がかって見える…。美しいなあ…。油滴天目は前期しか拝見できないのでお早めに。


「第2章 中国文化の粋  第1部 宋~元時代」。
第2部=後期は「明~清時代」に変わるらしい。
龍泉窯の「青磁椀(一対)」と、伝・夏珪「山水図」が特に好き。
あと、個人的には堆朱(赤い漆を塗り重ねたもの)は好きじゃないんだけど、「花鳥堆朱盆」はデザインが嫌いじゃなかった。


「第3章 金銀かがやく琳派の美」。
ええと。本阿弥光悦「草木摺絵新古今集和歌巻」があまりにツボ過ぎてですね。
金泥で植物を書いて装飾にして、砂子もふんだんに使って、文字と紙のバランスも物凄い好みで。ありがとうございました(倒れる)
光悦流の文字で飾っていた「秋草蒔絵謡本箪笥」も格好良かった。
酒井抱一も2点出ていたんだが、いまいち好みでなく。鈴木其一「雨中桜花楓葉図」の方が好みかなあ。
尾形光琳「鵜舟図」は可愛かった。


「第4章 国宝「曜変天目」を伝えゆく―岩﨑小彌太の審美眼」。
目玉は窯変天目(稲葉天目)なんだろうなあ…。
三彩も展示されていたんだけど、あまり好みでなかったんだよね…。


そんなに広い美術館ではない(元々の静嘉堂もだけど)ので、他の東京駅付近の美術館と一緒に拝見しに来る、というパターンが一番いいかもしれない。
個人的にははしごしたので時間大丈夫かな、と思ったけど、問題なく回れた。
時間とかタイミングで後期も来訪するかもしれない。