時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

日中国交正常化50周年記念 特別デジタル展「故宮の世界」@東京国立博物館

タイトルはこう書いてるけど、常設展がメインのような…。

www.tnm.jp

この特別展、年間パスポート持ってると、常設展との差額で拝見できるんだよね。1500円なので500円になるので、拝見するハードルが低い。
実際、通常に平成館で実施する特別展2階の部屋、半分しか使ってなかったしね。

こちらはデジタル映像に力を入れている展覧会。
で、デジタルなので、明・清時代のバーチャル紫禁城の映像どーん、と。こういうのが再現できるのは映像ならではだよね。
個人的には「デジタル多宝閣」が気になった。故宮博物館の所蔵品のうちの工芸の逸品を3Dコンピュータグラフィックスで。各工芸がぐるぐる、360度拝見できて、それはそれで(なかなか360度はないし)楽しいのだけど…自分の…自分のペースでじっくり拝見したい…!(我儘)
あ、東洋館の各部屋で拝見してそうな「清朝宮廷の書画と工芸」を、こちらはリアル物体で展示してたよ。


さて、常設展へ。

平成館にいるので、そのまま企画展示室の「創立150年記念特集 チベット仏教の美術―皇帝も愛した神秘の美―」。
ちょこっとだけ入れ替えが発生。
軸装の「白色ターラー菩薩像」が綺麗だったなあ。


で、そのまま本館へ。

16室。
アイヌは木偶たのしーってなってた(え)。面白い形が色々あってね。

18室「近代の美術」は日本画だけ入れ替わり。
前田青邨竹取物語」が良かった。顔の表現がちょっと現代的で。面白い。

2階にあがって7室「屏風と襖絵」。
円山応挙朝顔狗子図杉戸」。…め、滅茶苦茶可愛すぎる…。犬の絵は応挙よりも長澤芦雪の方が好きだろうと思っていたのだが、この可愛さにとてもじゃないけど抗えない…。可愛い…。
与謝蕪村「山野行楽図屏風」は左隻が愉快。山道を登れないであろう御年輩の方を、前から引いたり後ろから押したり負ぶったり…皆大変だ…。ここまで他人に力を借りて行楽したい気持ちは、正直よく分からないが。

8室の「書画の展開」。
書の方で酒井抱一の書状に引っかかるの悔しい。趣味が合うので仕方ない。
絵は、渡邊崋山「帰漁図」が味があっていいのと、谷文晁「公余探勝図巻 上巻」が日本画というより水彩っぽくておお…となったのと。

再び1階、12室「漆工」。
「蓮池水蒔絵舎利厨子」は…漆工なのかな。隣の部屋にありそうな感じ。
だけど綺麗だった。

13室。
「金工」は仏具も茶の釜も鏡もごっちゃに置かれてたような。
いいものを集めて出していた気はするけれど。


法隆寺宝物館。
6室。絵画(仏教掛け軸)がやけに綺麗だなあ、と思ったら、時代が鎌倉時代室町時代と新しい。…この時代を新しいと言っていいかは不明だが。
書跡も御桜町天皇なので江戸時代。新しいよねえ。
と思って染織も色彩も文様も豊かに残ってるな…と思うと、飛鳥・奈良時代だったりするから始末に負えない(遠い目)。意味が分からないレベルの保存状態である…。


東洋館も伺ったけれど、今回特別に触れるところがなく。


結局半日いてしまった。楽しい。