時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

仙厓ワールド  ―また来て笑って!仙厓さんのZen Zen 禅画―@永青文庫

永青文庫の難点は、電車の駅から遠いところ。
今回は地下鉄早稲田駅から歩いたんだが、酒を持って歩くには遠いぜ(何買ってきてるの)

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まあなんというか…副題からしておかしいよね、という…(おい)

仙厓=仙厓義梵に焦点をあてた展覧会。
morina0321-2.hatenablog.com
仙厓義梵は「ゆるい禅画」とか言いようがない禅僧。
当時から人気があったようで、ひっきりなしの執筆依頼に耐えかねて、83歳(!)で「絶筆の碑」というのをわざわざ立てたにもかかわらず(しかもこちらを描いた掛け軸が前期展示で公開されてる)、依頼が絶えず、結局亡くなる年まで描いていたそうな。
個人的にもこの方の絵が好きで、こんにちは。

まずは4階。
禅画キャラの人気投票をやってしまうぐらい、とにかく個性的な絵が並んでいる。
まるで鬼と一緒にポーズをとっているのかのような「鍾馗図」、海老とったどー!と嬉しそうな「懶瓚煨芋図」。
猪の頭被って包丁持ってどう見ても不審者な「猪頭和尚図」。


これ絶対タグ言いたかっただけ説。
若干龍の顔がバカにしている感じの「龍虎図」。
もう…なんと言っていいか…(吹き出すのを堪えている)。
また、仙厓義梵だけでなく、兄弟子の誠拙周樗の絵もある。
ここまでふざ…個性的ではないけれど、「一つ目小僧図」は人気投票にエントリーされているぐらい、ゆるい。何故か眉が2つあるんだよね、一つ目なのに。

3階は仙厓義梵だけでなく、誠拙周樗と、白隠慧鶴も。でも、白隠慧鶴の方が真面目な気がするよね…。
仙厓義梵の独自の絵は続く。
「朧月夜図」は、多分朧月夜で暗い中で、捨てられてた縄を蛇と間違えて大騒ぎする図だったり。
「花見図」には「楽しみは 花の下より 鼻の下」って上手い川柳が描かれてたり。
「托鉢図」には「はぁーーーーーち」ってそのまんまじゃないか!という文字が書かれていたり。
「虎図」は…いやこれ虎じゃなくて猫でしょ…とか。
誠拙周樗も「鰯の頭図」でユーモラスに鰯描いてたりして。

2階は、永青文庫創立者・細川護立が禅画をどう集めていたかにスポットが。
白隠墨蹟」という禅画を解説した本を作成したのだけど、表紙を結城素明、見返しの下絵を平福百穂にお願いしている。いやあの贅沢ですからね…?
「沢庵和尚全集」の見返しの下絵も平福百穂にお願いしていて、個人的にはこちらの絵がとても好き。


凄い、こんなに笑いをこらえられる展覧会になるんだなあ。
面白かった。
こちら、前期後期制で、絵の展示はほぼ入れ替わるので、後期もぜひ行きたい…。