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2週連続東京国立博物館。
いや、間開けても良かったんだけど、いつ見られなくなるか分からないからね…。
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そして内容紹介、トーハクくんとユリノキちゃんに任せてもいいんじゃ(あ)と思いつつも触れていく。
ポンペイは有名なので御存知な方も多いかもだが、
古代ローマの都市で、ヴェスヴィオ火山の噴火の火砕流で埋まって滅亡。
そして発掘したら、奇跡が重なって、とても良い保存状態で当時の遺物が見つかっている。今回はその遺物の展覧会。
写真は全ての展示物でOKだったかと。
いつもの平成館の展示と、第一会場の入り口がちょっと違うので戸惑う。
序章「ヴェスヴィオ山噴火とポンペイ埋没」。
ヴェスヴィオ山噴火を再現したCG映像(1089ブログで紹介されている映像)と、ヴェスヴィオ山、そして噴火自体の遺物の展示。
まずはヴェスヴィオ山を描いたポンペイのフレスコ絵、「バックス(デュオニソス)とヴェスヴィオ山」。バックスは、日本だとバッカス表記の方が多い気がする(某メーカーのお酒入りチョコレートとか(あ)。美味しいよね(あ))。ローマ神話のワインの神様。
ポンペイはどうやらワイン醸造で栄えた町みたい。恐らくだけど、ヴェスヴィオ山の火山灰土壌があったんじゃないかなあ。葡萄栽培に向いてるはず。ちなみにこの展覧会でも、遺跡の近くで作られているワインが販売されていたりする。
で、デュオニソスの別名併記があるけど、デュオニソスはギリシャ神話のワインの神。地理的に、ギリシャ文化もローマ文化が入る前に入っているであろう都市だから、どちらを描いたか分からないんだろうね。
でも、1089ブログでもお分かりだろうけど、非常にはっきりとした絵が残っている。
そして噴火の遺物…というか。
「女性犠牲者の石膏像」。こちら、火山灰の中で遺体が朽ちて、その部分だけ空洞で残って、それを石膏を流し込んで再現したという…。な、生々しい…。
他にも「凝灰岩にはまり込んだ片手鍋」の展示なども。
第1章「ポンペイの街―公共建築と宗教」。
宗教というか、信仰に使われた像や、公共建築…広場や劇場、円形闘技場、浴場、運動場等の関連のものなど。
これはこの章というより全体的な感想だけど、とにかくフレスコ画がとても綺麗に残っている。絵としてもとても美しいものが多い。
そして神像もだけど、像自体が美しいものが多い。この時代の美術品、凄いね…。
ここのテーマに戻って、宗教。ギリシャ神もローマ神もあるけれど、更にエジプトも入ってきてる。フレスコ「イシス神官とハルポクラテス」はエジプト神だものね。…ハルポクラテス…
morina0321-2.hatenablog.com
いや、まあ、ポンペイ展では普通のハルポクラテスの姿だから…(何)というかあの展示はこの絡みもあったんだな、と。
そして謎の金属製品があって、「シストルム」と。…解説がない…んん?英語表記「Percussion」?打楽器?何か宗教儀式で使うのかしら、とその場で推測。後で調べたら、振ってガラガラみたいに鳴らす楽器で、やはり儀式で使うのだそうで。エジプトのバステトという神様(猫の頭を持つ人型の神様)が、右手に持っているのがそれ。これもエジプト由来なのね。
公共建築は、「俳優」の土製の像が素敵だった。男女どちらも。
第2章「ポンペイの社会と人々の活躍」。
まずは上流階級の生活が表されている、豪華そうなガラス製品や、饗宴場面を描いたフレスコ。
で、上流階級の男性は教養も大事だったようで、いかにも意味ありげな哲学者のフレスコ画や、筆記具の絵や、インク壺等。
じゃあ女性はどうなのかというと、ローマ社会が家父長制なので(この辺りは実は大学でちょっと齧ってる。懐かしい)女性の地位は総じて低い…のだが、男性と対等に資産力で対抗できる女性もいて、そういう女性の像やフレスコ画が。
「エウマキア像」、とても美しい女性の像。商売で財を成した女性の様子。
フレスコ画「書字板と尖筆を持つ女性(通称「サッフォー」)」は女性の理想を描いたのではないかと言われているフレスコ画だけど、こちらも美しい。
そして同じく身分が低いとされてる奴隷。奴隷の拘束具も展示されていたけど、解放奴隷として資産を持った人の金庫や、解放奴隷が子供に持たせたブッラ(お守り入れ)が展示されていた。
第3章「人々の暮らし―食と仕事」。
まずは食。ポンペイは裕福な家には専用の台所があって、庶民は外食で済ませていたのだそうな。大都市になると庶民の外食が流行するのは、江戸もそうだよね。そういうものなんだろうか。
なので、調理器具もあるけれど、パンの静物画や、パン屋の様子を描いたフレスコ画や、炭化したパンそのものが展示。
…炭化した食物を展示しているのって凄い。パンだけじゃなく、キビ・干しブドウ・イチジクも出ていた。
ちなみに、この炭化したパン、グッズになってて、ちょっとした話題にもなってたり。
nlab.itmedia.co.jp
もう1つは仕事、というか各仕事で使用する道具等。工具とか農具とかあったんだけど(ちなみに主に鉄製)、医療器具がかなり高度っぽかった。外科用の道具とか。
ここからは第2会場。
第4章「ポンペイ繁栄の歴史」。
ポンペイで大きな邸宅と、そこからの出土品の展示。
一番最初にあるのは犬のモザイク画。なんとそれぞれの邸宅の前にあった、「猛犬注意」の画。なんかいきなり生活じみたものが出てきた…。あるのね、古代でも。
まずは「ファウヌス家」。ファウヌスの像が出てきたので「ファウヌス家」という名称。ファウヌスは古代からの牧神だそうで、ギリシャ神話だとパーンとかサテュロスにあたるみたい。
名称の由来になったファウヌス像も展示されていたけど、確かに躍動感があって印象が強い。
ファウヌス家は再現映像と、沢山の出土品が。装飾品もだけど、調理関連が沢山出てきているのが裕福な証かもしれない。
家の再現は、会場もそれっぽい空間にして、プラス動画。
次が「竪琴奏者の家」。
家の庭の再現と、実際に出てきた彫像が飾られてた。
あと、キーポイントになる「円形火鉢」。これが発掘されたので、「割と寒い時期に噴火が出たのではないか」という話も出てきているので。
最後は「悲劇詩人の家」。
こちらは家の模型と、フレスコ画が多数出土していた。
フレスコ画はギリシャもしくはローマ神話のものが多かったけれど、なかなか素敵だったなあ。
第5章「発掘のいま、むかし」。
ヴェスヴィオ山の噴火で埋まった街はポンペイだけではない。
実は世界遺産の指定としては「ポンペイ、ヘルクラネウム及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域」というのが正式名で、ヘルクラネウム=現在のエルコラーノと、トッレ・アンヌンツィアータからも、火山で埋もれた遺跡が発掘されているそうで。
エルコラーノからも「ペプロスを着た女性(通称「踊り子」)」という綺麗な像が出ている。
ポンペイより有名でないのは、こちらの方がより深く埋もれていて、掘り出すのが大変という理由もあるみたい。
そしてもう1つ、別の噴火(5世紀ぐらい)で埋もれた、ソンマ・ヴェスヴィアーナの遺跡が。「ヒョウを抱くバックス(デュオニュソス)」や「ペプロスを着た女性(ペプロフォロス)」の像が美しい。
思ったより興味深い展覧会だった。
書き手がこういう展示好きなんだろうな。当時の生活に根差した展示物。
さて、展覧会の特設ショップ。
年甲斐もない&キャラでもないお買い物をしました← pic.twitter.com/tmQv4K4Vab
— daily tsubamegaeshi (@morina0321) 2022年1月23日
サンリオのキャラのグッズなんて、書き手のキャラじゃないのだが。
今回、ポムポムプリンとコラボしていて、「猛犬注意」とコラボした黒ポムポムプリンのタオルハンカチをうっかり。火山で炭化したポムポムプリンじゃないよ!(あ)
この日は特別展だけで終了。
キッチンカーで谷中ジンジャーのホットドリンクを頂いてから帰宅。