時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

丸山晩霞 日本と水彩画 丸山晩霞記念館所蔵作品を中心に@小金井市立はけの森美術館

駅から少し離れているので、散歩を兼ねて。穏やかで良い日だった。


小金井市立はけの森美術館。はけ=国分寺崖線という、断丘崖に沿った道とのことで。
確かに途中に結構急な坂があったりする。


丸山晩霞。存じ上げない画家だった。
水彩画家で、吉田博の影響を受けて水彩画を始めた画家。太平洋画会の創立者の一人。
太平洋画会については以前も触れた(吉田博の妻のふじをの絵が出てましたな)。
morina0321-2.hatenablog.com


第1章「故郷と水彩画」。
丸山晩霞は長野出身ということもあり、初期の頃は山の絵が多い。
個人的には初期の作品が好き。
「祢津風景」は家の雰囲気が好き。
「春の日」は白い花が光って、白昼夢のようで。
「渓流のある温泉宿(群馬県鹿沢温泉)」も宿の建物と、周囲の山と紅葉が素敵。
「高原の牧場」は牛と夕暮れの風景がたまらない。
「白馬神苑」は山間に霧がかかって、なんとも素敵。

第2章「旅と水彩画」。
中期。ヨーロッパ、そして中国の風景の作品が主に。
「ローマパラティーノ」の朽ちた城塞の描き方がいいなあ。
「御来光」は雲海の上の朝日。こちらも素敵。

第3章「「新しき日本画」へ」。
晩年になると、構図は中国っぽいのに、画材は水彩、となっていく。
六曲一双の「日本アルプス」「欧州アルプス」は、山の形は割と好きかなあ。
書き手は中国の絵画の構図があまりぴんとこないので、後半はとっつきにくかったかなあ…。


存じ上げない画家をたまに拝見するのも、これはこれで面白かった。


さて。
2階は洋画家・中村研一の展示。
小金井市立はけの森美術館は、小金井市在住だった中村研一の作品寄贈から始まった美術館なんだね。
展示されている作品は人物画の墨でのデッサンが多かった。女性、というか妻の絵が多いのかな。なかなか素敵。
ちょっとルオー風の「マリア像」とか、中年の男性の表情がとても良い「芸人」とか、いい感じの美しい女性が描かれていた「マレーシア風俗」とか、無気力な感じの「コタバルの女」とか、その辺りが個人的に好き。


これはこれで、いい休日の午後、という感じで良かったなあ。


おまけ。
武蔵小金井駅前の「しあわせ地蔵」。

服装も暖かそうでなんかいいなあ。