時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

東京国立博物館

Q.こないだが今年最後になるんじゃなかったんですか?
morina0321-2.hatenablog.com
A.だって来られたんだもの(理由になってない)


というわけで改めて、今年最後の御挨拶。


本館3室。
「仏教の美術」の一画で仏舎利・舎利塔等の展示。
「金銅能作生塔」が、色はくすんでしまったけれどよく見ると素敵なデザイン…と思ったら、国宝だったよ…。写真OKとか本当…?
あ、他の展示物だとNGもあるのだけど、今回の展示は本当に美しいものが多くて眼福。恐らく、今回正月に展示するものも多くて、その分華やかにしているのではないかと。
仏画だと「弁才天十五童子像」、経典も煌びやかだったり紺紙金字で美しいものも多かったり。
「宮廷の美術」の「酒呑童子図扇面」もそう。
伝・藤原行成の書も恐らく。美しさと幽玄さと。


本館18室「近代の美術」。
日本画が入れ替わった。拝見したことがあるものばかりだけれど、やはり美しく優品のものばかり。
…と言いますか。

柴田是真「雪中の鷲」と渡辺省亭「雪中群鶏」が並んで展示という、書き手ツボ過ぎる並びは眼福過ぎるでしょう…。


ちょっと平成館の考古展示室へ寄り道。
珍しく半分ぐらい展示が変わったので。
翳形(さしばがた。「さしば」は貴人にかざす団扇形の用具だそう)埴輪とか不思議な埴輪があったり、「古墳発見の石製模造品」で石で作られた刀子に鑿・鉋に下駄…と、色々面白い。


本館に戻って。
本館14室は特集「日本人に愛された華南のやきもの」。
あまり中国の陶器は好みではないけど、日本の茶の湯に使用されたものは流石に美しいなあ。「唐物文琳茶入 銘 宇治文琳」とか、「灰被天目」とか。前者は茶入を格納する布地も良くてねえ…。間道とかもあるし。
あと、「白磁観音像」が気になった。解説にもあったけど、これ、マリア観音として使用されてそうだなあ…と。


本館16室。
アイヌはかんじき・手袋・靴・脚絆…と、衣服系が充実してたりしたけど、何よりストゥ(制裁棒、処刑用)がずらっと並んでるのが…なんともまあ…。
琉球は、外へ飲食を持ち運ぶための「三人弁当」と「茶庫」が珍しい。
琉球衣装は紅型の「黄色地松川菱繋菊椿檜扇団扇模様」。なんかめでたい感じ。


キッチンカーのミネストローネで休憩をとってから(外が寒かったので温かさが丁度良かった…)法隆寺宝物館へ。


法隆寺宝物館6室。
普段は染織だけなんだけど、今回はまず書跡に。
「梵本心経並びに尊勝陀羅尼」、般若心経の最古写本だと…?というか、小さい紙に梵字ぎっしりで。こういうものも保管されているのか…。
江戸時代に浄厳という僧がこちらを訳した「訳経記」も並べられていた。
いつもの染織なのだが。毎回よく布がここまで残っているなあ、と思うのだけれど、今回のはとびっきり。模様がはっきり分かるのだもの。「玉帯残欠」、最初は模造かと思った…。


最後は東洋館へ、と思ったら、東洋館は地上の部屋が全て閉鎖。
地下だけ開いていたので、大好きなガネーシャ坐像に今年終わりの挨拶をして(え)、この日は終了。
ううん、東洋館がなかなか回れない…。




ともあれ、今年もお世話になりました。
来年もよろしくお願い致します。メンバーズパスも更新したことだしね。