時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

奈良旅行2・特別企画展 新春を迎えて―梅と桜の美術―@大和文華館

2日目。
遠征先の最寄り駅は、近鉄奈良線学園前駅だった。
が…この駅を最寄りとする美術館が、実は3つもある。しかも1つはどうしても行きたい美術館だった。
というわけで、折角なので3つの美術館をぐるりと。

まずは学園前駅南口から徒歩、近鉄の社長さんがお造りになった大和文華館へ。
入口で思わず立ちすくむ。

美術館…?なんかいきなり森が広がってるよ…?

とりあえず受付でチケットを購入して入場。
広がっていたのは森というか、丘というか。ずっと上っていくと。

開けた場所に、なまこ壁。おおお。
設計は吉田五十八五島美術館とか玉堂美術館を設計している。未踏の美術館だなあ…。

さて、展覧会は展示室で。

入口に一番目立つように置かれている3つの品。
平福百穂「梅雀図六角筥」…って平福百穂って日本画家なのだが、工芸的な作品も造っていたんだなあ。とても綺麗。雀も梅も竹も。筥に白い紙を貼って、その上に金箔銀箔。デザイン素敵だなあ。
横に「寝覚物語絵巻」。あれだけ綺麗な保存状態で紙も凄くて、それが平安時代後期とか。そりゃあ国宝だわ…。
そしてその横に「螺鈿蒔絵梅文合子」。尾形光琳・乾山の合作を原羊遊斎が模造。模造と言っても原羊遊斎の模造だから江戸時代作だよ。
なんだか入り口から凄いものが…。

展示室自体はそこまで大きくないけど、会場の中心に中庭というか坪庭、かな。竹が植えてあって、それがなんだか素敵で。
とりあえず、入口から反時計回り的に回ってみる。

まずは日本画の掛け軸が並ぶ。土佐光起「林和靖梅鶴図」の梅の感じがいいなあ。
そこから陶器の並びへ。「織部梅文皿」は織部だからかちょっと変わったデザイン(琳派っぽい?)。そして梅が可愛い。面白いのが「色絵金彩柿右衛門写梅竹虎文皿」「色絵金彩柿右衛門写松竹梅文皿・盃台」、この2点はマイセン窯。ジャポニズム流行りだった頃のだ!こういうのもお持ちか。
でもって日用品的な「彩漆絵梅文盆」「彩漆梅紋秋草文盆」の2つのお盆が可愛くていいなあ。

そして更に、部屋で美しく目立つ紅型3点。この配置いいなあ。

そして別立てのガラスケースを覗いたら、びっくりの金銀泥書。凄い料紙だなあ、と思ったら、「稲富流鉄砲伝書」。
ええとつまり秘伝の書とかそういうやつ?なんでこんな豪華に作ってるの…。

丁度入り口と反対側の辺りには、バルコニーが。
少し周囲の木が茂って見えづらくはなっているが、バルコニーから見えるのは川だろうか(「川らしきもの」の正体は、実は次の行先で判明することになる)。
橋がかかっていて、その先に山。
好みの景観だなあ…。

バルコニーを過ぎてまた別の展示に。

まずは源氏物語の屏風とか図帖とか。個人的には伝土佐光吉「源氏物語図帖」が。書風恰好いいなあ、と思ったら、著者が書風を光悦流にしているそうで。ああ、道理で書き手の好みのはずだ。全体的にデザインが綺麗な感じ。
そしてガラスケースにも図帖。「南都八景図帖」が二つ。南都は奈良のことだね。鹿が描かれていたりもする。狩野栄信と吉田元陳。どちらも金泥絵が素敵。吉田元陳の描く雪山がいいなあ…。
そして最後の方に並ぶのは棗。「一閑蒔絵枝垂桜文棗」は紋様がとても綺麗。「蒔絵枝垂桜柳文棗」もいい感じの紋様なのだが、これ、嵯峨棗という種類で、江戸時代に嵯峨嵐山辺りで土産物として売られていたもので、庶民のものだったらしい。でもちょっと古びていい感じになってる。

いやあ、なかなかいい感じの展示だった。
思った以上に良くて、少し長居してしまったかも。

丘は「文華苑」という自然苑。
冬なので少々荒涼としていたが(個人的にはそれはそれで好きだけど)、その中でも彩りを添える花や実がぽつぽつ。
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橘は本当に太陽のようだった。この日は今にも雨が落ちそうな曇り空で(実際、丁度出る頃からぽつぽつと)余計にたわわに実る小ぶりの実で、木自体が明るくて。

なお、入口の受付と逆側には、ちょっと素敵な建物一つ。

窓ガラスとか、入り口の上のパネルがなかなか洒落ている。
現在は文華ホールという名前。奈良ホテル本館の旧ラウンジを移築したのだそうな。
というわけで、辰野金吾建築である。ここで!?

続く。