三菱一号館美術館のお洒落系展覧会、と言うにはちょっとジャンルが広いかもしれない。マリアノ・フォルチュニで一番有名なのは服飾デザイナーとしての顔。「デルフォス」というドレスを作成して、20世紀初頭に大流行したみたい。ただ、絵も描き(元々お父様が画家)、舞台もデザインし、写真も好きで、と。なかなか多彩な方の様子。
絵は…そうだなあ、個人的には特に嫌いではないけど。模写以外は、全体的に甘い雰囲気が残るような絵が多い。花描くとハマる感じ。
舞台デザインは正直良く分からず、写真も個人的にぴんとくるのはなかったかなあ。
で、服飾。うん、これはやっぱり素敵。ドレスそのものも素敵なんだけど、羽織る系のコートとかのデザインも結構好き。各所に展示があって、ありがたいことに360度見られるように展示してあって(担当学芸員さんのとても良いお仕事)ぐるぐる回って観察してしまう。バターになっちゃう(何)
展示会の第3章の「最新の染織と服飾 輝く絹地と異国の文様」の1部屋の1か所で写真撮影OKのスペースがあって、その部屋をその場所からならどこ撮ってもいいよ、となっているのだが、そこでドレスとか壁にかかってる布地とか、デザイン素敵だなあとうへうへ言いながら撮影していた、んだが。
個人的にツボなのはこちら。
吊りランプ。本物ではなくて展示用の複製らしいのだが、これは本当にツボ。後ろの布地と一緒に鑑賞するのもまた良し。
あと、資料的なものとして展示されてた、領収書用のカードもお洒落デザインで素敵。展覧会のサイト(今回も限定的にしか出されないのでリンクは貼ってないけど)で紹介されてなかったけど、領収書用のカードデザインのグッズも売ってた。分かる。
そして第5章「異国、そして日本への関心と染織作品への応用」。
いきなり、フォルチュニのお母様が所有していたという日本の着物が2つ。「桜藤流水模様小袖」「桜花幔幕模様小袖」。これ、東京国立博物館で飾ってたら絶対写真撮る系のやつ。ちなみにこの辺の着物を、フィルチュニの奥様が部屋着の上に羽織ったりしてたそうで、写真とかも残ってる。これはこれで可愛い。というか奥様が綺麗な方なんだよなーまた。
で、この章に飾られている、テキスタイルとか壁紙がなんか凄い素敵で。日本に影響を受けたデザインだからなのか。
そして終章「世紀を超えるデザイン」。
フォルチュニのデザインを受け継いで少し後に作られてたあれこれ。
ここにも吊りランプ。ヴェネティア・ストゥディウム社製。現代でもこの吊りランプを独占生産しているそうな。なお、スカーフとか小物も作っていて、そちらは展覧会の特別ショップで購入可能。スカーフはなかなか良いお値段で…。
たまに美しいものを見るのは良いですな。