時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品

この日の移動、地下鉄で広尾→銀座→六本木。
よく分からない東京メトロ日比谷線往復移動である。そのための東京メトロ24時間券。

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コレクション展…で少々面白いタイトル。そしてこの展覧会ポスター。なんだこれ、ってなるよね…。
写真は一部OK。
サントリー美術館は細かく展示期間が分かれていたりするけど、今回は前後期制。ものによっては場面替が多少細かかったりする。
あ、サントリー美術館はサイトにコレクション検索があるよ。
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4階。
「第1章 漆工 生活を美で彩る」。
このポスターに出ている謎の展示品、トップである。写真もOK。
何かというと、蹴鞠。
で、その蹴鞠を挟んで保存しておく「鞠挟」と一緒に展示。だからあんな感じなのか…。
江戸時代のものとはいえ、物凄く綺麗に保存されている。使われたこと、ないかもしれないね。今回の展覧会はちょこちょこ学芸員さんのコメントがあって、それによると、「鞠挟」は他に類例がないそうで…。
同じく写真OKの「椿彫木彩漆笈」、彫られている椿がとても格好いい。抑えた赤の色がいいなあ…。
「木画蒔絵菊花文透冠棚」は格好いいデザイン。松平不昧の遺愛品だと…?いい趣味してるな…。こちらは写真NGなのだが、第1章の写真NGの展示品、なんと全て前後期で入れ替え。どれだけあるの…?
「朱漆塗螺鈿沈銀六角湯桶」もデザイン格好いいなあ。六角の面が朱漆と黒漆で交互になってて。南蛮渡りの意匠を使用しているそうな。

「第2章 絵画 おおらかな心で愛でる」。
サブタイトルの理由もわかる。とてもバラエティに富んでいる。
まずは正統派の伝・土佐広周「四季花鳥図屏風」(土佐広周のものと鑑定しているのが土佐光起!)の美しさを拝見。
次に飾られているのが「泰西王侯騎馬図屏風」。写真OK。いかにもお偉そうな4名の騎馬図、なのだが…え、これどこの国の方々!?左隻の2名は西洋だけど、右隻は片方が中東風、もう片方は肌の色が黒い。右隻の中東風がペルシャ王、肌の色が黒いのがエチオピア王、左隻の片方がフランス王アンリ四世、もう一人はイギリス王ではないか、らしい。桃山時代に描かれた初期洋風画、になるそうな。また珍しいものを…。
なお、こちら、元は会津鶴ヶ城に伝来していて、戊辰戦争を経て一隻ずつ別々の所有者に分かれて、そのあと大平洋戦争の東京大空襲にも遭ってるらしい。…よくぞ無事に今日まで…。
後は、どう見ても浮かれているというか乱れている(そりゃあ幕府も風俗引き締めようと思うわ、という)「邸内遊楽図屏風」とか、表装が恐ろしいほど美しい、所謂佐竹本の三十六歌仙の絵画とか、本阿弥光悦俵屋宗達のタッグの書き手を殺しにかかる(あ)「鹿下絵新古今集和歌巻断簡」と「蔦下絵新古今集和歌色紙」とか、物凄く好みで美しいやまと絵・土佐光芳「十二ヶ月景物図巻」とか、ゆるい「かるかや」に「おようのあま絵巻」(こちらは写真OK)と、なんというか幅広い…。面白い。

「第3章 陶磁 人類最良の友と暮らせば」。
タイトルままの陶磁。バラエティには富んでいるが、基本的に趣味が良い気がする。
三彩にしては控えめな色の「三彩小壺」、書き手が個人的好みな土肌のごついの、鼠志野、古清水の色絵(こちらは2点写真OK)、野々村仁清の前衛的な「流釉花枝文平鉢」…ううん素敵なものが多い…。
そして写真OKの尾形乾山「白泥染付金彩薄文蓋物」。茶色と白と黒、という地味な色なのに非常に印象の強い三色の線が走っている外側、中東風幾何学模様と言ってもいい染付の内側。外側と内側の印象が全然違う。面白いもの作成してるなあ…乾山…。

3階。
「第4章 染織と装身具 装わずにはいられない」。
櫛・笄・簪がガラスケースに沢山飾られているのはおおっと。…結構変なデザインも多いけど。
染織は個人的には眼福。こぎん刺しもあるのが嬉しい。
ただ、写真OKなものもあるんだけど、2点着物が出ていて、片方だけが写真OKだったのに気づかずに写真撮ってる方がいらしてですな。…スタッフさんをちゃんと配置したほうが良いと思うの…。いくら詳細に写真OKリストを紙で出したからって、守れるとは限らないし…。もしくは、分かりにくいなら写真禁止アイコンを展示するようにした方が良いと思うの…。

「第5章 茶の湯の美 曇りなき眼で見定める」。
茶の湯で使用する渋い器等、なので、個人的にも好みなのだが。
しれっと本阿弥光悦の赤楽茶碗が写真OKなの、どれだけ太っ腹なのか。

「第6室 ガラス 不透明さをも愛する」。
サントリー美術館はガラス工芸お好きですよね。
江戸のちろり・薩摩切子・清時代のガラス工芸・ドイツのガラス工芸…バラエティに富んでいて楽しい。写真OKなのも結構多い。
最後は籠枕で締め。籠枕は祖父の家にあったなあ…。


なかなか面白い展示。コレクション展でも面白い魅せ方はあるんだなあ、と。


さて。
サントリー美術館東京ミッドタウンにあるのだが、そこでちょっと気になるイベントを開催していた。
www.tokyo-midtown.com
同じく東京ミッドタウンにあるビルボード東京さん。そこが関わってるとなると、行かねばなるまい(使命)


というわけで、ビルボード東京オリジナルカクテル「シャイニーオレンジ」。ウォッカベースにマンゴージュース・オレンジジュースなので呑みやすいやつである。上品な咲きかけの薔薇が浮かんでましたよウフフ。なお、もう1つのカクテルがソーダ割だったので避けたという(書き手は炭酸が苦手)
最後はお酒も頂けて、楽しい1日でありました。