時々、さんざめく

とるに足りないニワカ趣味話(旅行、美術、酒etc)

MOMATコレクション@東京国立近代美術館

www.momat.go.jp
というわけで、前回の続きで常設展へ。


1室「ハイライト」。
今回は「男女の作家を同数にした」のだそう。個人的にはぴんとこないけどね…。美しい作品なら男女どちらでもいいので。
上村松園「雪」が展示されているのは嬉しいけれど、別に女性だからというよりは、上村松園好きだからでしかないしねえ…。
三岸好太郎三岸節子夫妻で展示並べるのはありかな、とは思う。作風はそれぞれ独自だけれど。
村山知義「コンストルクチオン」が何故か気になって写真撮っていたり。

2室「重文作家の秘密」。
morina0321-2.hatenablog.com
こちらで展示していた作家の作品で、重文ではない作品を。
下村観山「木の間の秋」(観山の作品は別の時期に会場で展示予定だった)、平福百穂「荒磯」。いずれも重文展で展示される作品より人気が高いらしい。確かに格好いいものな…。平福百穂「荒磯」は川端龍子が描きそうなタッチ。
岸田劉生「蕪図」「人参図」は描かれている野菜の形が面白い。
藤島武二「匂い」は描かれている中国の美女がアンニュイで、更にテーブルの上の香水瓶が更にアンニュイさを際立たせているような。匂いの想像を掻き立てられる作品。いいなあ。
で、ここでぎょっとするのが、新海竹太郎「ゆあみ」。重文展で展示されていたのは石膏の原型、こちらで展示されているのはブロンズ。材質違うと雰囲気も変わるものなんだな…。

3室「からだをひねれば」。
身体を捻った彫刻作品の数々。
いやあ…どなたも動きをちゃんとしっかり捉えてて凄いなあ…ってなった。
展示自体も色々な方向から拝見できるようになってて、楽しい。
戸張孤雁は彫刻のための素描も展示されていて、面白かったなあ。
油彩画も数点あって、矢部友衛「裸婦」が気になった。キュビズム影響なのかな。

4室「「熱国之巻」の半年前」。
上述の特別展の関連展示。
今村紫紅「熱国之巻」の元になったスケッチ。以前も拝見したと思うけど、それからできた作品と一緒の機会に眺めるのも素敵。
ちなみにスケッチの中には、東南アジアに寄った後の中国のスケッチもあったり。

5室「新収蔵&特別公開|パウル・クレー「黄色の中の思考」」。
パウル・クレーの作品を新収蔵したので、東京国立近代美術館パウル・クレー作品全て展示(!)と、関わりの深い作家の作品。
パウル・クレーは「櫛をつけた魔女」とか「破壊と希望」が割と好きかな。
あと、カンディンスキーをつい拝見してしまう。あの不思議な整然とした世界だからかなあ。

7室「プレイバック「抽象と幻想」展」。
1953年末の国立近代美術館の展覧会の話なのだそうな。
山口勝弘「ヴィトリーヌ No.47」が。以前アーティゾン美術館で拝見した不思議作品のシリーズだ(書き手が以前記載してなかったのがびっくり)。

8室「マスターズ」。国立近代美術館で個展を開いたことがある作家とのこと。
有名どころが多いのだと思うけれど、作品がやっぱりよく分からない。この辺はもう気持ちの赴くままに見ている感じになる。

9室「奈良原一高「ヨーロッパ・静止した時間」」。
奈良原一高「ヨーロッパ・静止した時間」シリーズ。
…格好いいなあこれは…。構図のセンスなのかねえ。眼福。

10室「春の屏風まつり」。
恒例の「美術館の春まつり」なんだが…その前に何やら沢山の花の図…え、杉浦非水!?
「非水百花譜」のシリーズ。色がついているものもあれば、シルエットのように描かれているものもあり。どちらも美しい。知らない花もかなりあった。「じやかうれんりさう」って何?と思ったら「麝香連理草」=スイートピーなんだそうな。
かと思えば、児玉靖枝「ambient light ― sakura」が10室に。今まで11室に展示してたのにね。
本職の屏風だけれど、今まで拝見したことのあるものは置いておくとして、今回おっと思ったのは鈴木主子「和春」。梨の花も丁寧なんだけれど、春の野の花も美しい。
そしてその横の加山又造「春秋波濤」はまたなんというか、強烈なインパクトが。
王道と破天荒なのが並んでるのも凄い。

11室・12室は特にタイトルがなく。現代美術。
結構有名どころが多いような。なんとなく色々と感性で面白がってた。

ギャラリー4は「修復の秘密」。
www.momat.go.jp
とても丁寧にそれぞれの絵の修復の方法について展示していた。
…実はとても難しい話だったりする。どこまでを修復するのか、修復して「いいのか」、という。
素敵な絵も多いので、難しいこと考えなくても楽しめるけども。
津田青楓「犠牲者」初めて拝見した。凄い迫力の絵。うん、まあ…これはちょっと当時の警察に検挙されるかもしれんなあ…(遠い目)



常設展もかなり沢山良いものが拝見できた気がする。満足。
拝見後にどっと疲れてしまい、お昼食べて帰宅。